DVDが売れない、と言われても…

 
 たお様の記事を読んでコメントを、と思ったんだけど長くなってしまったので記事化してのTB。でも若者のの「●●離れ」とかこういう不況を現すニュースは最近多いんですがナンかこぅ違うっか素直に読めないってのが続いてまして…
 

 
・売れないDVD 洋画は4分の1に 地デジに画質負け
 http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110215/ent11021523100014-n1.htm

 

 
 映画の上映本数自体は増えていってるけれど、ってのを前提にしての日本映像ソフト協会(JVA)側の言い分にしてもチョイと待てやコラと思ってしまうんですよね。例えば
 
(1)「DVDで手元に置きたい」と思わせる作品が減った
 … コレは短絡的ではないかと。かつてと比べて廉価版も込でソフト数が非常に増えた為に1タイトルあたりの売上は単純に減るのは仕方ない。またシネコン形式でスクリーンは増えたもののかけられる作品の偏りは酷くなって地方では上映されない映画が以前より増えたってのも大きいのではないのか。
(2)ハイビジョンテレビが普及し、DVDより地上デジタル放送の映画の方が画質が上になった
 … これも短絡的かと。ぶっちゃけフルHDでその画面に見合った再生機器環境を備えた家庭がどれくらいあるのか… 結構地デジでの地上波で放送されてる映画ってもSD画質も少なくないし。まぁHD画質であっても少なくとも今の日本映画や、ましてTVドラマ程度の予算の物でHD品質に耐えうる物なんてそう無いですしねぇ… ってのは兎も角として、TV側とプレイヤー側がちゃんとしていて、ソフトにある程度の品質があれば、そりゃぁBlu-rayに比べれば落ちますがそんなに画質云々を言う気にはなれないんですけども。
(3)安売りをやりすぎて映画ソフトが値崩れを起こし、客が離れた−の3点を挙げる。
 … ここだけは同意。やり過ぎと言うか廉価版が出るまでのサイクルが非常に短い為、わざわざ発売日に購入しようと思わなくなってしまってるのではないのか。
 
 あと、これは私個人が思うトコなんですが…
 
(4)レンタル版の方が先にリリースされる事も多く、わざわざ後から製品版を買う気になれない。
 … コレは本当に失礼だと思う。また一部のソフトでは映像特典をカットしたレンタル専用版を出したりもしてるけど映像特典なんてそんなに必要ではないですしね。
(5)かつてのVHSダビングに比べてDVDリッピングが綺麗過ぎる。
 … デジタルデータならではの宿命ですが、それならレンタル版の画質を480x320にするとかどうしてもダウングレードしないとリッピング出来ないくらいにDVDメディアの2層8Gって容積ギチギチに詰めた物にするかすればいいと思うのだが…(海外やインド映画なんかは後者のパターン)。
(6)映画専門放送局の台頭によってソフトそのものの有難味が減った。
 … 昔は劇場に行くかTV放送されるのを待つしかなかったからこそレンタルしたりソフト購入するしかなかったけれど加入してさえすれば新作が下手すればレンタルと同じくらいの時期に放送されてしかもHD画質だったらわざわざDVDソフトを購入するよかレコーダーに録画ってなるんじゃなかろか。
(7)商品の選択肢が狭い。
 … 海外だと豪華映像特典ディスク付の特別版か本編ディスクのみの通常版か選べれるようになってるのが普通なのに日本では基本特別版のみ。しかも洋画だと特典分の著作権料を払うのが嫌でオリジナル版と比べて日本版はカットが大量になされているのは2011年の現状でも変わらないワケで… で、チョイと待てば放送されるか廉価版が出るのがお約束になってたら、ね。
(8)ソフトの品質の問題。
 … 特に洋画の場合、何故か画質・音質がオリジナル版より劣るのがデフォ、ってのだけでなく字幕や吹替えの翻訳やキャストの問題も結構あるかと。私は

サウスパーク 無修正映画版 [DVD]

サウスパーク 無修正映画版 [DVD]

が大好きですが、USオリジナル版の方が綺麗で音も良かったのにもガッカリしましたがWoWWoWで放送されているTVシリーズの吹替えキャストではなく何処の誰かも知らん芸人さんだけの吹替えと障害者差別ネタ等をバッサリとカットするだけでなく色々とイジりまくった翻訳の質の悪さには本当にゲンナリして日本版は手放してしまいましたが… 似たような例って一杯ありません? その時の話題性の為だけのタレントさんを起用しての吹き替えなんて、数年後に手にしたくなりますかね?
 
 …っと、まぁ時代の被害者ヅラされる前にメーカーとしてやるべき事ややっておかなきゃならなかった事は一杯あったでしょうに、って思ってしまうんですよね私は。先日もTSUTAYAMBO… 製作委員会システムの重要な位置にある会社が共有される著作権の中でも付随or派生するものではなくまさに作品・ソフトそのものという一番大事なモノで、一般人なので「おそらくは」としか言えないけれどセル(販売)よりも重要な位置付になっている筈のレンタルの最大手が、ですよ? 本業が好調でなくなり将来性にも、という判断で上場廃止をし市場から撤退する程に株価の低迷が継続していたんですよ?… って状況になった今、じゃぁソフトをどうするの?って事なんじゃぁないのかと。
 例えば
マジェスティック [DVD]

マジェスティック [DVD]

 はUS版であって日本の劇場公開版じゃぁないんですよ。また
40歳の童貞男 [DVD]

40歳の童貞男 [DVD]

 等はUS版のSpecial Unrated Editionであって、これまた劇場公開版じゃぁないんですよ。で、アメリカではちゃんと劇場公開版も売られていたけど日本ではこの長尺版だけ、って話はいくらでも例に挙げられますけど何故オリジナル版DVDではなく日本劇場公開版を出さないのか。劇場で観て手元に置きたいから買ったはいいが劇場で観たのとは違う商品しか無いってどういう事なのか。そういう事をしていて『「DVDで手元に置きたい」と思わせる作品が減った』って言われても、まず公開してくんないじゃんって話は置いておいても買いたいと思うようなソフトをちゃんと出してきたのかと。しかも決算とかの数字の為でしかない廉価版を出しまくっておいて? って。
 
 そりゃまぁ映画という産業がかつての地位に無く、消費形態も変わりましたわな。勿論違法DL問題もゼロではないでしょう。でもインドのようにヒットした映画かヒットした映画に主演した人がかつて出演していた映画しかソフト化がなされないくらい大量に映画が製作されているワケでもなく、アメリカのように劇場にかける為の作品商品と家庭用の商品との棲み分けを進めるのでもなし、Blu-rayより安価に生産出来る利便性が反映された価格帯でもなく、その作品のラインナップの中心は極めて短いサイクルでの消費の為の近年作ばかりで80年代以前だと自国の日本映画ですらロクなソフトが無い、って状況にJVA側が被害者ヅラされてもなぁ… 
 
 もしDVDというメディアに問題があるとすれば「物理的な実体がある」「認識し読み込む時間が必要」「CD同様経年劣化と傷による読み込み不可の可能性がある」の3店ぐらいなんじゃぁないのかなぁ… デジタルデータそのものの手軽さには勝てないと言いますか。画質云々は機器の圧倒的な普及率と値段の問題だし、そもそも日本版の品質が悪いってだけの話であってイコール売れる・売れないの話じゃないでしょう。
 
 アカデミー賞を獲得した
スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

 も元々はビデオ作品(DVD作品であって劇場公開を前提にしてフィルム製作されてはいない作品)でしたしアフリカのナイジェリアが世界第二位の映画大国とも言われていますがそこでもビデオ作品がメインだそうですが、一口に洋画ったって色々と商品価値なり展開なりやりようは色々ある筈だし、とかキャンペーン以前にまず何かのせいにしてる前に、そんな状況なのにソフトを購入しているユーザーを嫌な気にさせるようなコメントをまず止めるべきではなかったんじゃぁないんですかね?っと。
 
 
 
 
 
 
 
 …ま、日本版は滅多に買わない私が言ってもあんまり説得力はありませんが(爆)。