やはり日本版DVDは買うべきではない。

 
 実体はエロDVDショップなんだけども風営法の適用を避ける為にチョロっと雑誌や潰れたレンタルビデオ店の流れ品やらの一般映画等の販売してる、ってトコは結構あるもんですが、会社から駅までの帰り道の途中にあるその手の店がリニューアルしたもんなんで掘り出し品狙いで入ってみると

舞妓Haaaan!!! [DVD]

舞妓Haaaan!!! [DVD]

 の正規品で新品が¥980で売られていて。
 
 先週の金曜ロードショウで観て、日本映画では珍しいエキセントリックな主人公の本作は中盤までは
「あぁ、コレは劇場で観ておきたかったなぁ! っかもぅコレ、DVD買うしかねぇだろ!」
 っと楽しめたものの、いかに脚本家や役者が頑張っても肝心の監督にビジョンや目的が無く、加えて京都という場所にも舞妓という題材にも興味も思い入れも無く、コメディ以前に映画に対する情熱も怨念も何も感じられない無い上に撮影監督も…な人ではまぁグダグダにしかならんという実に今の日本映画らしい日本映画… 広告屋とTV局の人間が企画して宣伝してその下請け孫請けらがパート単位でよせ集まって製作したのを繋げた、映画館のスクリーンで上映されるから『邦画』っと言う… もので、興味はかなり失せてしまってたんですが、放送されたバージョンはエンディングが丸々カットなのも含めてどうも繋ぎがおかしい部分が散見してたんで
「ひょっとしてDVDで通しで観ないとアレかも?」
 ってのと、なんのかんのと言っても中盤までは楽しめた作品が如何に無理矢理な割り当ての押し付けの結果とは言え定価¥5,040円の新品が¥980って不良在庫処分価格で販売されてたらちょっと可哀相にもなったのと
「まぁ中身がやっぱりアレなら売り飛ばすなりフリスビーかコースターがわりにでもすりゃぁいいだけだし…」
 って事で購入したんだけども。
 
 再生チェックがてら映像特典を観てたんだが、その最後に出たのは
 
 
 
 セルユーザー、ナメてんのかね?
 
 でも、今の日本の映画業界の人間の意識ってのはこれが現実なんでしょうね…
 
 劇場でお客さんが切ってくれた身銭よりもどういう方法であろうとも捌けたチケットの数字の方が大事。わざわざソフトを購入してくれたお客よりもレンタル店向けのレンタル版販売数の方が大事。回転数なんかどうでもいいからあくまでも捌けた数の方が大事。監督にしたってどうも日テレの社員のようだから出来がどうであろうと特に関係無いんでしょうなぁ… でなきゃぁあの金曜ロードショウの前説んトコでネタバレ映像を混ぜるのもデジタル素材だから出来た数多のシーンカットがあっても構わないと。まぁ社員が会社の指示でやった商売について、いち社員の側からは会社のする事に対して批判なり反対は出来ないのかもしれませんが… そういう意識が透けるどころか丸見えにしても構わない、映画なんてのはこういうもので、何をどうしたって… そういう作品の乱造っか乱発で劇場やレンタル店やら観客やユーザーがどう思おうがどうなろうが知った事じゃない、そうしたって自分達は利益を得れるってのが今の日本の映画業界なんでしょうなぁ… やってる事で言えば何か事業なり企画なりのプレスリリースだけ大々的にやって資金を集めて借金の返済に回してってのを繰り返してるだけなのとそう大差無いワケで… そういう事をやってる連中がいくら海賊版撲滅だの著作権保護を叫んでみせてみたってじゃぁ例えばの話、レンタルで高回転率の大ヒットになった作品だからって事である時期からのレンタル専用版が、劇場で大ヒットして充分利益の回収は出来ているからとかヒットはしてないけどもぅ利益回収は出来てるからって事でセル版のDVDの値段が下がるって事は無い、コンテンツの価値を維持する為の事がTVでの放送ってのに頼り切り、既得利権はどっぷりで自分達以外の人間は皆奴隷か泥棒ってのがデフォルトの連中の言い分でしかないもんねぇ…
  
 これは凄く残念で悲しい話でね、どれだけ自分が気に入って惚れて燃えた作品があっても、対価を商品をちゃんと買うよりもレンタルする方が製作者や出演者らに還元出来るって事ですがな。チケットを手に入れてもらえれば別に劇場に行かなくてもいい、まして劇場でグッズやらパンフやらなんか買わなくてもいい、ソフトも別に買ってもらわなくてもいい、還元したいのならばその分何度もレンタルをしてくれ、っと。置いて無いレンタル店に置くようにさせて、既に置いてある店から一本でも本数が減らないように回転させた方が日本映画業界の為になる、っと。
 
 
 
 勿論、これは極端な暴言だしそうではない業界の人もいるのかもしれないが、現行のシステムがそうなっている以上、そして海外版DVDではこんなユーザーを侮辱したメッセージなぞ一度も観た事が無いからこそ
「如何にその作品が好きであってもやはり日本版DVDは買うべきではない。」
 としか思えなかったんですけどね、私は。