Suzuki Swift XG - スズキ スイフト XGに望む事。

 
噂の新型が一向に出ない、ってのもありますがデビュー当時のモデルの試乗やレビューは多くてもマイナーモデルチェンジをした現在のバージョンについて殆ど記事が無いのもあるんでつらつらと現在(2016年8月製造)のモデルについて、ちょっと思うトコロをアレコレとダラダラと書く雑記。もし参考になれば幸いであります… って事で、私がスイフトでちょっと不満というか、もうちょっと… って思う事をば以下列記。
 
・その1「専用オーディオを、もうちょっと、何とか。」
 私にとって操作性が最適だと思われたので「スイフト専用オーディオ C006 39101-71LF1-HVM」にしたんですが、正直出力が低いのはまぁしょうがないにしても音の指向というかセッティングが高音寄りでJ-POP等の再生には向いているけどジャズやHMナドの重低音重視の私にはちょっとなぁ… と。設定を高音-3、低音+6にしてるんですけどそれでも高音部がささくれ立つ感じなんで、折角フロントもリアもクラリオンのスピーカー(C9A5 99000-79Y37)に変更したんですがあんまりその恩恵を感じれないというか… シンセ系だけはシャープなんで音の指向自体はわざとだと思うんですが、そこいらは素直にしていてもらえるとなぁ… っと。
 あ、あとAVC オートボリュームコントロールがデフォルトではオンになってるのもチョイと。設定はオフにしておくのが吉。
 
・その2「エアコンの吹き出し量は均一になって欲しい。」
 センターと比べると両方の窓際のはあまりにも風量が足りないです… 特に右窓側って今まで右手の手汗を乾かすのに利用してたんですが、風量最強にしても窓側のはそれ程でもない極端さは何の理由があるのかよく分かりません。別に吹き出し口単位での風量調節なんか望んでませんが、もうちょっと風が欲しいです。
 
・その3「運転席側の収納スペースが使い辛いのを何とか。」
 まず喫煙者として、灰皿が無くてドリンクボトルホルダーにオプションなりで灰皿を、ってのは今時の車は大抵そうなってるからいいんですが、スイフトはそのドリンクボトルホルダーが全部で8つもあるけど、どれも奥まった場所にあって… 運転席側に限っても3つもあるけど、センターのは前の奥でシフトレバーに干渉しそうだし、ドアのは目測がとり辛い、シフトレバーの後ろはこれまた後ろ過ぎて、うっかり焦げをつくるくらいならいいけどそれ以上にもなりそうなんで平日は車での喫煙はしないようにしております。出来ればもうちょっとここいらは何とかしてもらいたいというか、何とかしたいんですが…
 次に収納場所はあちこちにあるけど、どれも1つ1つの大きさとしてはそんなに大きくはないんでウェスやサングラスの置き場には困るのですよ。トヨタ車だと運転席右側、エンジンスイッチの下あたりに煙草を収納するくらいのスペースがあったんで、タバコだけでなく携帯電話や駐車場のカードなどチョイとした物入れには困らなかったんですよね… なもんで、もしこれから購入を考える人は収納場所を増やすという目的でコンロースボックス (B9HF 99000-990J5-AC4)を検討なされるのも良いかもしれません。私個人的にはサイドブレーキ操作に干渉しそうなんでパスしたんですけどもね…
 
・その4「サイドミラーの位置をもうちょっとズレていれば… 」
 大きくて見やすいサイドミラーなんですが、風切り音対策もあると思うんですけど個人的にはもぅ1センチ前で5度ほど内側&下向きだったらなぁ… と思うです、ハイ。ミラー本体の内側がよく見えるよりはやっぱりムイラーそのものが見え易い位置にあった方が有難いな、っと。
 
・その5「海外版のパーツもオプションで欲しいッ!!!」
 ホント、コレ。法制度の違いもあるから一概には言わないんですが… いやその、何もメキシコ版のサンルーフを付けさせろ、とか
 

 
 タイ版などのような海外限定モデルを出して、とか
 

 
 欧州版の3ドアやら日本では無くなったGlistening Greyの本体カラーを選ばせとか、
 

 
 欧州だけでなくインド等でも出ているクリーンディーゼルモデルを出せ、とは言いませんけど、海外のスズキのHPを見ていて日本には無いアクセサリーが結構良さげなモノが多くて… 例えば
 

 
 ドアエッジモール (A9KA 99000-99009-2091)よりドアをガードしてくれそうなコレとか…
 

 
「保証がのびた」よかこのコーナープロテクターがあったら、とか…
 

 
 ホイールにしてもちゃんと15インチから17インチまで色も素材も色々あって、しかももっと太くしたい人向けのタイヤハウス延長パーツまであって…
 

 
 中でもコレ! リアハッチが旧型より上がったんだから荷物の積み下ろし時の事を思えば日本でもあれば装着してよな… とか、内装や収納絡みでは日本の方が種類が多くても、外装、特に日常の取り回し関連では海外の方がずっと多いってのは国民性の違いもあるんだろうけど、社外品ではない純正メーカー品として選ぶ事が出来たらなぁ… と思うのですよ、切に。取り寄せには時間がかかってもいいんで、海外製パーツで安全性能に関わらない物に関しては印刷での実カタログでなくてもいいんで購入し、装着してもらえたらなぁ… と、思うんですよ。実際、アマゾンには

 などの海外版スイフトのオプションパーツも売られていますし自分で取り付けろって話なのかもしれませんけど、やっぱり取り付け料がかかってもプロに任せたいじゃぁないですか、海外とはいえ同じスズキなんだし、って私は思ってしまうんですけどね…
 

 くるま、車、クルマ。(おしまい)

 
仮に何も制限が無い場合、旧車やプロトタイプやコンセプトカーではなくあくまでも現時点で生産されて市販されている車の中で、私が好感や憧れを感じる車は殆ど無い。今の時代の方が工学的にも技術的にも進んでいるとは思うし法律や安全性能云々などの事情もあろうけど日本車に限らず似たような、特にフロントがふとましいフォルムが本当に増えて。ゴテゴテとしたメッキパーツや意味が特にあるとも思えない穴。数百メートル単位で信号のある街中では滑稽なエアロ。あと
 
  ( ゚д゚)
 
みたいなグリルがデカイ車が増えすぎたのもなんだかとても個人的には嫌で… スーパーカーブーム世代ではあっても当時からあまり曲線を多用した薄いモデルよりはある程度の直線と曲線と厚みがあった方が好ましく思ってる私からするとねぇ… と知ってる範囲の車メーカーのHPとYoutubeで色々観てみて今現在最もグッときたのは
 

 
心配になるくらいにシンプルな造形やデティールがなんかこぅ堪らない。一見武骨というか無骨になんだけどそれもいい。また車体色がどれも大味だけどそれも込みでねぇ… と言ってメーカーが自称しているような Muscle CarsでもSports Carsでもない可愛げみたいなのも感じられてねぇ… うん、まぁ日本にはディーラーも無いから正規販売してないし走らせる場所も無いけれど、かつての旧車のイメージを残しつつも現代的なデザインになっていて且つ珍妙なデザインの下手なスポーツカーよりよっぽど(直線は)速いってのも込みで私が他人事として見るのが一番好きな車だったりします。ダッジでもほかのモデルはピンとこないんですけどね… トヨタが86を出した時にAE86の欠片も無いデザインに旧車になんら思い入れが無い私でも何コレ?だったけど、日本で車文化とか言うならこういう事もやってくれないですかね、VWやら海外ではレトロ調デザインでの個性回帰もチラホラしてきてるし、日本の道路交通法で言えば復刻ではなく今の技術での旧車のデザインをしても十分な性能の物が出来ると思うんですけどね…
 
 …ってのは兎も角として。
 
現実的にはサイズの限界点があっていきなり数車種しか選択肢が無かった中で好感を持ったデミオスイフトだったけれども、後で改めて調べてみてもこの2車種以外にピンともチィンともこなかったのでホッとした反面、何だかツマラナイ気もしたりもして。丁度駅前の駐車場の向かいの人がCX5を乗るようになったけれどぶっちゃけ運転手の体格にまるで合ってない… 多分160センチくらい?で車から出て立った時に天井に大幅に届かないくらい… その所為かどうやら擦ったりよくしてるようで何度も何度も修理に出してるようで代車になったり戻ったりの繰り返しで今ではボディがマツダのソウルレッドではない赤色になってるけど、自分に合ってなくてもその車に乗りたいという熱意というか執念みたいのは私には本当に無いからで、いざ新車の購入という100万以上って庶民には非日常の金額の買い物をするというのにそういう情熱なり期待なりがまるで無いというのは勿体無いというか寂しいというか。車が夢や情熱の対象にならなければならない、とは思わないけど、でもねぇ… というか。
 
ただまぁ1300cc→1600cc→1800cc→1500ccと乗り換えてきて、いくら車は単純にエンジンのパワーだけではなく車トータルでのバランスが肝心だとは分かっていても、ある程度の車体の大きさと重さ、それに見合ったエンジンの大きさが必要というか重要だと思っていたんですよ。余裕と言ってもいいのかな? 走ればいいってもんじゃなくて、止まったり曲がったりする事だって大事って。特にランクスになった時に感じた不足感、安定性や加速の迫力みたいなのってば。結局ボディの大きさと重量に釣り合ったエンジン出力だったんだなぁ… って本当に思ったものです。今の理想と言うか憧れがDoge Challenger Hellcatになるのもカムリに乗ってた時の快適さと運転していての楽しさが忘れられないからで… って私からすると、候補である車はどれも今のランクスより排気量も出力も下がっている時点で期待とか羨望みたいなのは持てなくて… だから、比較条件を減らすって意味もあったけど試乗をあえてしなかったのは
「どうせランクスよりは非力でしょ」
 と思っていたのもあったんですよね。諦めるというか割り切りというか。別にスポーツ車が欲しいワケではないけど現状のコンパクトだとそういうものなんだと。メーカー公表の諸元表でスペックは劣っていると出ていて、三候補のディーラーの人達も誰もが
「今のお車に比べればパワーや加速では落ちると思います。」
 って言ってたし。
「加速や走りはいいんですが、出足だけはちょっと… 」
 って言ってたし。そういうもんだと思ってた。だからこそ居住性と操作のし易さを重視した。それでいいと思っていた。それさえ満たせない車があるんだから、まだ選べるだけマシなんだろうって。
 
PCに2001年の日記で、ランクスについて書いていたのがあったが、はじめての新車だから多少気負った文面ではあるものの
「走らせてみたが、驚きもしなければ違和感も無い。静かだ。ハンドルが、えらく軽い。」
「スタートしてから40キロまでは実にスムーズで無理を感じさせない。40〜60までの間が「ぬるり」と加速する印象があるが、これはもう慣れの問題だろう。ガツン! 、とも、グンッ! とも来ないのは物足りないが市内走行を中心に考えればこういう仕様でいいのかも。」
コーナリングも、5ドアのくせに安定している。捻れるような感覚も無いし、車の体や尻が「残る」感覚も無い。スムーズで、しっかりしていて安定しているように思う。」
 ってのの締めは
「とりあえず、悪い印象は無い。」
「今時の車ならば、どれでもこの程度の性能はあるんだろうし、RUNXって名前だが要はカローラだしな。」
「不満は無い。そのかわりに味も、無い。よく出来ているが故に、よくまとまっているが故に。」
 ってなってて、納車直ぐの時期から不満は持ってないけど不足感が端々から出ていて笑ってしまった。本当に、最後までそのままの印象だった。運転していて不安や恐怖を感じないけれど楽しさは無い。日記にはカムリが購入時6000キロだったのが約10年で最終16万キロって書いてあったが、ランクスは15年で5万キロ、一ヶ月300キロ以下の、通勤などの必要最低限で最短でしか走ってないのは運転をしていてそこに安心感しか無かったから。今年の車検の時の代車のヴィッツのような恐怖や怒りではないのだからそれで十分だったし、それでいいものだと思っていた。だから、新車での取り回しでのぎこちなさで他の車に迷惑をかけないよう避けてもらうように購入したのは初心者マークではなく四つ葉マークだったのも自重でもあるけれど、この車には走る事の楽しみは無い、日々の生活の為の必需品だという自嘲でもあった。静かに、ちんたらと、のそのそと、もっさりと。それでいいと思っていたんです。
 

 
 しかし… なんか、楽しいのですよ、スイフトが。何なのだこれは、と。
 
ランクスより満燃料時で140キロ軽い車体ってだけでなく、ステアリング操作で自分の思うように車がキビキビと動く感覚がとても気持ちがいい。しなやか、としか言いようがないサスの感じが気持ちいい。デビュー当時のネット評だけでなくディーラーの人にまでさんざモッサリって言われてた加速にしても、確かに変速が無いCVTだから感じ難くはあるけれどグッと踏んだ分キッチリと、アナログっぽく加速してくれる感じが気持ちがいい。ヴィッツではこうはいかなくて速度キープでの踏みのつもりなのに何故か変な加速をかけるのが心底腹が立ったけれどそんな事が全く無くて。まだCVTに慣れなくてコレって感覚がまだ掴めてないけれど、今迄のようにシートに踵をつけて前半分だけペダルに置いてって感じでスムーズに、なめらかに加速していくのがとても気持ちがいい。ペダルで言えばブレーキも、デジタル丸出しのガックンではなくアナログっぽい踏んだ分でキッチリと減速し停止するのがとても気持ちがいい。適度にエンブレもかかるから、今までの車でやってきたAT車だけど巡行状況でノーマルやローにしての減速をする必要が無くてアクセルペダルの踏み加減での調節がしなくてもいいのが気持ちがいい。この気分って人それぞれの個人差、塩梅、匙加減だから他の人には違うんだろうけど、自分の生理というか身体的にとても気持ちがいいんですよ。合ってるというか、馴染むというか。パワー感は確かに無いし、今は慣らしもあって4000回転/100キロ以上は出してないからそこからの領域はわからんけれど、初めて乗った日から怖いと思った事も不安を煽るような事も無い。何なのだこれは、と。15年間、全く感じてなかったからこそ自分にとってはもぅ車の運転はそういう物だと思っていての15年、なのに今、スイフトに乗っているのが楽しいんです。凄く、じゃなくてじんわりと、曲がる時、車線変更をする時、アクセルを踏む時、ブレーキを踏む時、その1つ1つが気持ちがいい、ってのを感じれるんだ自分でも、っと。9月は残業の日々が多かったんだけどそんな疲れた仮に道の日でも何気なく寄り道しちゃったり、寝て過ごしてる筈の休日にパンを買いに垂井やらに出掛けたりとなんだか、なんとなく乗っていたくなっての今日の一ヶ月点検までの走行距離は350キロ… ランクスの時より80キロくらい余計に走ってたんですよね… まぁ流石にカムリの時のように16万キロってのはもぅ無いだろうけど、グッとくる力強さこそ無いものの、単にストレスを感じないってだけではない運転の楽しさがこぅ、なんか、こぅ… 車にはこういう気持ち良さもあるのか、とか…
 
車の楽しさ、というのは人それぞれであって、例えばスピードだったり、旋回性能だったり、限界での剛性だったり、パワーだったり、デザインだったり、伝説だったり、まぁホント、色々だと思う。私にとってはこの15年間は、何も無かった。でも、かつてはあった事を忘れていたのを応答っか操作感ってのが自分にとっての楽しさでもあったのだとスイフトが思い出させてくれた。大きすぎず小さすぎない、取り回しが用意で且つ自分が好ましく思うデザインの外装と内装の質感は本当に自分の好みで合っていて、身体観でも合っていて。窮屈ではなく落ち着ける室内空間は同乗する妻が毎度眠気を誘われるくらいに静かさもあって… ってのを、15年前の私に
「スズキってこんな素敵な車作るようになるんだよ! 確かにランクスは悪くない車だったけど、スイフトって素敵な車なんだぜ!」
 って言ったら、多分15年前の私は信じないと思う。無論、これから乗っていけば今は感じていない不足感や不安や不満は感じるのかもしれないが… こんなミニバンやトールワゴンやSUVもどきだらけになってるようにしか見えない今であっても普通乗用車としてこんな素敵な車がちゃんとあるってのを教えてくれたこの出会いは本当に良かった、と素直に思うんですよ。人生最後の車であるかもしれないがスイフトが最後であっても良いと思っている。だって毎日の運転が気持ち良くて楽しいんだもの。新車購入でハイになってるかも?ってのもあるんだろうけど、それこそ3月の車検の時のヴィッツのように只管に怒りと恐怖と不安と不愉快しかなかった車も含めて、初めての自家用車のラングレーから仕事で乗った商用ワゴンや商用バンや商用軽のに大型トラック、乗せてもらったシルビアや180SXスカイラインGTRやらのスポーツ系、運転も同乗もしてる妻のミラジーノにミラにミライースとかも含めて関わってきた車はそれなりにあるけど操作する事が浮かれたくなるような気持ち良さと軽快さで、ってのはちょっと無いと言うか… 自分が気に入っていたと記憶していた自家用車三代目のカムリについて、15年前の自分の日記には
「1800のエンジンには重いボディで、車としてのバランスは決して良いとは思わないが」
 とか書いてあったのは自分の記憶の変質に驚いたもんだけど、でも一方で
「自分のイメージ通りにいってくれるのが心地よかった」
「大きいゆえの安定性と静かさには自分が車に求めるものを全て満たしていた」
 とも書いてあって… そういう気分とか印象はあんまり変わってないんだな、と。だから、今のこの気持ち良さや楽しさって気分とか印象もあんまり変わらないと思うんだけども…
 
 
 
もしも次があるのならば、その時は、流石に還暦近くになってクーペだかサルーンだかに戻る事も無いとは思うけれど… まぁ、その時はその時で、また、自分自身をよく見つめて、必要と要求と予算から調べていくだけだよなぁ… 今回のようにメーカーで、ではなく条件からの選択で。でも何よりも望む事は、また素敵な出会いがあればいいなぁ… と。そしてそれが幸せで、気持ちのよいものであるのならば… と。(おしまい)
 

 くるま、車、クルマ。(その9)

 
 一長一短、というより、どの車も魅力的で、その魅力や好感の質がどれも違ったからコレという決め手が思いつかない。
 
どれを選んでも今のランクスよりパワーもトルクも落ちるのだから走行性能的にどうこう、というのは違うとは思う。安全性能的には多分、全てランクスより上。どれも魅力的だからこそ、どれを選んでも後悔や不足感はあるとも言えるワケだし。頭の中で比べても堂々巡りなので諸元表を一覧表にしてみるも、決め手となるほどの何かが自分の中にない。車が何かを託したり自分の欠落感を埋めるものではない。自分の為の場所や空間でもない。かつてスーパーカーへの憧憬はあったけれど、今回こうやって様々な車を眺めてみると私が小学生だった頃と比べると個性や性能だけでなくデザインでもそんなに差があるとも思えないくらいに車への興味が無い。多分、車が何かを、誰かを傷つけたり壊す事になるかもしれない道具でもある事が身に染みているし… 新車だからといって浮かれる気になれないのは10年以上前に妻がお気に入りの新車を盗難車に追突される事で廃車になってしまった、という事もある。車に興味が無く、必要も無いまま東京で暮らしてきた妻が大垣での生活での必要に迫られてディーラー巡りをしていた時に
「これ、これがいい!」
 と情熱と好意を現わしたのは
 

 
お洒落な落ち着いたメイプルレッドマイカメタリックのそれを本当に気に入っていて、大事に乗っていて楽しそうだったのにある日の朝、何も昨日までと違わない朝に盗難車に追突されて廃車。犯人はそのまま逃げた後で車に火をつけて捕まらず… 新婚の時期でもあったので私には怒りよりも恐怖があって… 幸い、妻には怪我も後遺症も無かったけれど、頭では分かっているし世の中のニュースとなるものが基本、唐突で理不尽で降りかかるものであった事に自分がそういう立場になると呆気なさと喪失感に深く深く恐怖を感じてしまって… どれほどに思い出や思い入れがあっても、自分に非が無くとも失われてしまう。それを思うと、確かに気楽においそれと買える価格帯ではない代物ではあるけれども… と思考はやっぱりループしてしまう。カタログを見て、展示車での事を思い出して、諸元表一覧を眺めて… ってのを繰り返して繰り返して繰り返してすっかり煮詰まってしまってどうにもならなくなる。自分の車の事ではある筈なんだが… とウンザリしていてふと、誰かの為、ならば… と考えたら妻しかない。なので
「なにかこぅ、車を決めるのにいい視点っか意見って無いですかね?」
 と尋ねてみると妻は暫し考えて、言った。
 

 
「夫にとって車が日常生活における道具、なんでしょ? だったら毎日の朝、駅まで運転するところを想像してみたら?」
 妻のその一言にハッとなった。
あれこれと想定したり想像したりしてたけど、一番の基本、それこそ納車の翌日からの毎日ってのを完全に失念していた。やはり何処かで浮かれていたのか、それともそれぞれの車の個性や魅力に惹かれていたのか。とりあえず、平日の朝をイメージする。良く眠れた日もあればそうでない日もある。天気が良い時もあれば悪い時もある。快調な時もあれば前日の疲れが抜けてなかったり風邪とかの体調不良の日もある朝… と考えてみて、まず、デミオが脱落した。ちゃんと前から決めた休日のドライブなら間違いなく一番楽しそうな車、だけど毎日の朝となるとあの電装品の多さは想像するだけでゲンナリして。またコックピットのような運転席の空間は窮屈ではなかったけどフロントグラスがスイフトやノートよりは寝ていた分余計に圧迫感があって。フロントの長さやグラマラスなボディで見辛いサイドからのリアとか、慣れれば大丈夫なんだろうけれど、3つの候補で比べると心理的に辛さを感じてしまって… 一番の候補だった筈なんだけど、日常使いとしての利便性って点でも確かに細か過ぎる部分もあって。そしてよくよく想像してみて、落ちたのはノートだった。トータルなバランス、まとめ方としてはノートなのかもしれないが最後の最後で細かい部分での視界の差が気になる… 特にピラーの太さと三角窓はラングレーを思い出してなんかこぅ… そしてシートの狭さが毎日の事、となると。どんな日でも落ち着いて運転がしたい。カッ飛ばなくてもいいから自分の身体観と大きくズレない為にはそんなに収納のスペースも必要無いし… と考えていくと、スイフトも一番シンプルなXGの2WDでいいか、とスンナリと決まっていた。走りのパワフルさではデミオには勝てないんだからDJEよりもノーマルのエンジンでいいし、高速走行時の安定性より日々の取り回しなら15インチでも今のランクスよりも旋回半径が小さくなるんだしメーカー純正のオプションも無いんだし。豪雨とかの視界が悪い時にはHIDよか構造的にフォグランプがあればいいんだし… と、一通り想定してみて特に後悔も逡巡も無かった。これで、やっとこさ、決まったんだなぁ… と思った後には、新車への期待とか高揚感よりはホッとした、という感じで…
 
 
銀行側の設定でローンの利率は一番安いものとなって。当初の融資希望額からは大幅に下がって、ってのに行員さんはちょっと苦笑いしてるようにも見えたのは多分、期のせいだろう。ディーラーで保険も設計してもらったんだけど最近できたという無保険、盗難車による事故への補償は組み込んだので今迄より数百円高くなったがそれで構わなかった。スズキ側のお盆休みの関係で引き渡しは9月の最初の日曜日に決まって後は待つだけ、となってランクスの運転に何か感じるかなぁ… と思ったのだが、やはり特にこれという事も感じないでいて。私にはいい車だったんだな、と思う。毎日を普通に、平穏に。神経を使う事もなければ心配もさせずに15年、だもの。本当かどうかは知らないが車検も残っているし在庫確保の為に中古車として販売する予定だそうだが… 正直、あちこち相当にレストアしないと駄目のような気はするしそのコストに見合うだけの販売価格で利益出せるの?って疑問はあるが、本体の走りという部分では本当にブレないというか、しっかりしているというか。こういう丈夫さや安心感が世界のトヨタなんだろうなぁ… 多分、引き渡しの時でも特に感慨は湧かないんだろう。でも、その日を迎えられる事への感謝はしたい、と思った。(続く)
 

 

 くるま、車、クルマ。(その8)

 
今のところ家を引っ越す予定も無いがじゃぁ近所に駐車場を借りてまで大きい車を乗る必要があるか?と考えてみるも精々が「自分の体格に合わせる為」以外の積極的な理由が思いつかない。大体家のある地域は昔の住宅分譲地なんで道路が狭いし向かいの家のコンクリート塀だわ休日にもなりゃぁ行き止まりもあるから路上駐車しまくりだわという現状で、わざわざ大きな車を精々が月300キロ程度の走行距離の自分が持ちたいと思う車も特に無いんじゃぁなぁ… これが生活が変化するとかならまだしも、アラフィフ夫婦が今更子供ってのでもないしねぇ… って事で候補は元の4車種に戻っていて。んじゃぁ具体的な融資希望金額算定の為に本当にオプションはこれでいいのか?と自分でメーカーHPを元に作成した見積書を見るも特に不足が思いつかない。ので、重複しない項目全て目一杯オプションをつけてみて一覧を眺めてみるたけど「まず10年は乗りたい」ってのが大前提だからカーナビをはじめとした液晶ディスプレイ系はとりあえずパス、となるとカメラも不要、センサーもまぁ特に、エアロパーツは今のランクスで散々段差や車止めブロックでガリって音が嫌だからパス、アルミホイールも… 純正だと強度は問題ないんだろうけど重量はかえって重くなるんじゃぁ意味無いし。ガーニッシュやスカッフプレートも今の車には無いけどそれで傷がついたりしたワケでもなく… ってので変更点も見当たらない。なので改めて銀行HPでマイカーローンを最大の利率で10万刻みで試算して表にしたモノを見て、やはり上限も下限も変化なし、って事でいよいよディーラーに行く事にした。4候補を一通り自分で確認出来ればもぅスパッと決まるものだと思っていたんだけど…
 

 
まぁ私らアラフィフの世代にとってスズキと言うと変態バイクと軽ってイメージで、それ以外は「塗装が薄くてすぐ錆びる」「走るけれど安全性はイマイチ」ってネガティブなイメージだったんだけど何時の間にか街中で、この大垣ですら結構スズキの普通車を見かけるようになっていたのには隔世の感でありました… っか私が如何に車に興味が無くて車世情に疎いのかを思い知らされましたなぁ… で、候補はスイフト。当初狙っていたグレードはリアがディスクブレーキとか標準装備がてんこ盛りのRS、だったんだけど… 外見、動画で見てた時にはツリ目が過ぎる感じがあまり好みではなかったんだけど実物のボディサイズで見るとまぁいいか、と。むしろゴテゴテとデコボコとゴチャついたのと比べるとベリーサに通じるようなシンプルさはエレガントだとも思う、ドアを開ける時の音と締める時の音が安っぽくないのにも驚いたけど内装も悪くない。不安感と嫌悪感が湧き上がったヴィッツと違ってワクワクする感じがしてくるのは視界が此方の方が良いからだし、シンプルだけど見易くて余計なモノもスペースも無い機能的なパネル部分も好印象。フロントウィンドウがあまり寝てなくてピラーも太くないんで視界は悪くない。ステアリングが上下前後調整できるんでポジショニング調整は楽だなぁ… と思ったものの、上半身の空間の広さに比べると膝から下の空間がやや狭く、そのままだと左の太もも側面がセンターコンソールに当たってしまう。デザイン的に特に幅広という訳でもない筈なのにシートをかなり下にしないと当たってしまうのがさて… というトコロか。ランクスに比べるとリアウィンドウが狭いが走行に関してなら問題は無さそうだし、バック&サイドミラーの大きさもあるんでこれなら大丈夫だと思う。
「ただ収納は正直アレですんで… 」
 と店員さんは言うけれど、確かに広くはないが人を乗せないんだからこれで十分だと思う。タイヤからリア&フロント先端までの距離もランクスに近いんで最小旋回半径も一緒だし取り回しはそれ程気を使わなさそうなのもいい。ただ気になるのは16インチのタイヤの大きさで微妙ぅに本体と大きさが合ってない気がしなくもないのと標準装備のパドルシフトとステアリング両側にあるスイッチ群がどうにも邪魔。
「例えばコレ、ノーマルスイフトのオプションのステアリングに交換してスイッチとパドルシフトを無くしてもらう、ってのは… 」
「そういうのはちょっと… 」
 まぁ、しょうがない。
「あと純正の15インチホイールに変更ってのは?」
「無いんですよ。って言うか、ぶっちゃけるとオーナーご自身でタイヤ屋さんで換装した方が安いと思いますよ」
 まぁ、しょうがない。っか、他にも色々ぶっちゃけてくれて助かりましたが。
改めてシートに座って足元の空間の狭さと必要ではないモノの多さに一番シンプルにXGの2WDと4WD,一応XLのSWDの非DJE仕様車の見積もりを出してもらうとキャンペーンとかでXGの2WDの値引きと割引がスゴイ。シンプルに私が必要と思う要素だけを揃えたXGの2WDで… とも思うけど今迄運転した事が無い4WD車だとDJEだけどエコチャージ%アイドリングストップ無しになる。数万円の差額でのXLならディスチャージヘッドランプへの変更も可能になるし…と、用件が絞ってただけにこういう細かい部分での選択が悩ましい。続いて行ったのは
 

 
どうせなら乗った事が無いメーカーで車で、となると候補の最有力はこのディーゼルモデル! 6ATだし!だったのだが… 使用情況を店員さんに尋ねてみると
「それならガソリン車の方が向いているかもしれませんね… 勿論パワーとかドルクを楽しむというのなら断然ディーゼルなんですけど、特性というか個性を活かすって点ではやっぱりもうちょっと距離を走る人向きだとはは思います。維持費も若干ディーゼルの方が高いですから、それくらいの距離だと割高な印象になってしまうかもしれませんし… ガソリン車は車体も軽いし取り回しとか日常使いには快適だと思いますよ」
 との事でむむむむ… と思いつつ展示車を触らせてもらう事にするんだけど、ここでもで動画で見てた時より大きいって感じる。車内スペースの為にボリューミーってよりはグラマラスって感じの外観はフロントが長い分だけ押しというか迫力もあって。しっとりとした質感のドアを開けてシートに座った時にドキっとするようなお洒落な内装の質感はスイフトよりも上だと思って。運転席ってよりはコックピットと言った方がいいような、スポッと収まるんだけど窮屈ではないスペースのとり方にグッとくる。ただ、若干フロントグラスがスイフトに比べて寝ているのと運転席のスペースの確保の為だと解っていても長いフロント、特にこれという目印が無いので感覚がちょっと掴み辛い。大きさ的にはランクスとほぼ一緒の筈なんだけどスペースのとり方の違いだけかと思ったんだけど比べてみると運転席のハンドルからフロント先端までの距離がランクスに比べて掌1つ分以上、20センチ近く長かったんだけど戻って改めて運転席から見てみても先端がストンと切れているように見えて距離感がちょっと掴み辛く思う。また速度計のフードが若干長いんで見る角度が私には若干どうやってもピタっとこない感じはある。そしてマツコネ… 一応一番下のグレード13Cならマツコネもコマンダーコントロールも無しに出来るけどタコメーターがオプションでも無いのはどうにも。安全装備も含めると13SにしろCDにしろTouring一択… LEDライトになるTouring L Packageは魅力的だけどアクティブ・ドライビング・ディスプレイやシートヒーター等、私には邪魔なモノが多くなってしまう… なんだけど… ガリバーで触った先代は内装では落ちるんだけど見切りっか視界がとても良くて乗り換えても気軽に運転し易そうだったのと比べると現行のはフロントの長さと感覚の掴み辛さがどうにも気になって。我が家のエリア事情からいくとそれは相当にネックだし。あと装備が私には過多というか… だけど走らせる事が楽しそうってのはスイフトより上だと思うし何せATだしむむむむ… って事でディーゼルとガソリン車それぞれTouringで出してもらう事にする。そして次は
 

 
マーチは… 先にコレ見てしまった後だと… って事で脱落。ぽってりした外観は候補の中では一番好みではないがカラーが豊富でその中でもカーキがとても好みで… ってくらいだったんだけど、シートに座ってみて驚きや喜びやらは感じなかったんだけど安心感ってのかな? その普通さと落ち着いた感じが何とも私には心地よいと思って私が驚いてしまった。内装的にはスイフトデミオに比べれば落ちるんだけどキチンとした無駄のないシンプルさで整然とまとめてあるのがヴィッツのメクラ蓋だらけで乱雑なデザインと比べるとメーター類だけでなくセンターコンソール部分までちゃんと一目で解り易いそのまとめ方が好ましい。
「まぁお客様の他の候補と比べると走りとか内装の質感とかデザインとか、何か秀でた特色や個性というのはありませんけど普段使い、日常で使う道具として無理と無駄が無い、いい車だと思いますよ。」
 って店員さんの言葉に素直に同意してしまうくらいによくまとまっている車だと思う。ただ若干シート幅が狭いのと太いピラー群がどうにもなぁ… ヴィッツよりサイドミラーも大きくて形状も良いんで死角は少なそうだけどスイフトと比べるとやや視界という点では落ちる。だけど安全装備ではこれが一番なんだよなぁ… って事で一番下のグレードとライダーでの見積もりを貰って帰る事にして。
 
 
 
あえて路上試乗はしない、と決めていた。ディーラーでの使用&保管状況、ECUパワーステアリング等の電子制御部分のプログラミングのバージョン違い、天候や体調によって感じ方も違う筈… 理想としては候補車をレンタカーで1週間くらい利用してみるのが一番なんだろうけどそこまでやる程に車が私の日常生活を占める道具ではないし。今までも路上試乗はしていなかった、ってのもあったけど、変に選択肢が増えてしまった現状で絶対解も絶対軸も無く、どれを選んでも一長一短なのは諸元表を見比べるまでもないんだから判断材料として居住空間と視界に絞って余計な要素を減らす為にも… って。うん、本当に欲しい車ってのがあって悩んでいるんなら試乗はアリがとは思うんだけど、今回の場合は選択が出来るからこそ私にとっての利便性こそ最重要であって、フィーリングとか加速とかの性能などは特に重要ではないんですよね… って事前に決めておいて本当に助かった。実物を見たらその利便性でさえ一長一短があって、事前には6:3:1でデミオスイフト:ノートだったんだけどハンドルやレバー、スイッチの感覚と位置に形状、そして視界とを体感したら3:3:3になってしまっていて。正直、丈夫さとかの点ではトヨタなんだろうな、とは思うけどそれ以外魅力どころか恐怖と不安と怒りしかなかったヴィッツと比べればどの車も魅力的で、その魅力や好感の質がどれも違ったからコレという決め手が思いつかない。いやしかし。だがしかし。候補内の価格差は50万程度で予算的にはどれも無理なくオッケーで事前に自分で決めてた必要条件はどれも満たしている。ディーラーの人は皆親切丁寧で、無理に高価格帯を勧めてこないし無理くりにオプションや契約を迫ってもこない… まぁ此方がマイカーローンを利用する、って最初に言ったから金無いんだろうな、と思ったからかもしんないけど… 対応として、此方の印象にも優劣も無い。さぁ、どうしよう、どれに決めたらいいのだろう… (続く)
 

 くるま、車、クルマ。(その7)

 
日常使う道具をファッションで選べられる人は羨ましいと思う。妬ましいとも思う。確かに障碍者手帳を持ってはいても私の日常には今んトコロ介護も介助も道具も器具も設備も必要は無い。が、それはあくまでも「必要が無い」というだけで、不都合や面倒事というのが無い訳ではなくて、幼少の頃の花火遊びが元での大火傷で失わなかったものを機能を代用し、応用し、対応しているだけの事で、それは苦ではなくとも楽ではない事の方が多くて。
 

 
例えば親指を使わないでペンで字を書く、とか。まぁ、練習はした。お蔭で普通に立ち食いの店で割り箸で蕎麦を喰ってたりするけど、場合によったらマイフォーク&スプーンを携帯していた現在もあったかもしれない。大豆だってつまめるけど、それはそれだけの事。ただ、力の入れ方次第では品質の悪い割り箸だと折れるから加減に気を使う頻度は普通の人よりは多いんじゃぁないかな?とは思う。 
 

 
この左手で携帯電話をどう使うのか、とか。初めて自分の携帯電話を購入する時には慎重に何種類ものモックアップを試してやっぱり折り畳みには不安が残ったのでスライド式のにしたけど2年くらいで本体もテンキーもガタガタになってしまって。今のIS05はもぅ5年目で性能的にはとても苦しいけれど今時のデカいファブレット紛いの大きさでは手でのホールドが難しいので買い替えも出来ずにいる。薄型のなんか割りそうだもの。
 
関節が全て機能している指は両手で3本、なので健常者の人とは手に指にかかる力と角度が違うから、歪んだり壊れてしまう物も決して少なくはなく。なるべくそういう負担にも耐えるよう機能的には過剰よりも質素でシンプルな構造と機能でないと、と。自動車においてもそうで、近年流行のステアリングにオーディオやクルーズコントロールのスイッチやパドルシフトといったものは邪魔にしか思えない。普通の人ならばさして意識しないでも済む操作や動作であっても私にとってはそうではないから避けるべきで、オーディオなりエアコンなりにしても性能がいくら良くても便利でも私にとって使い辛い代物では困るワケで。今のランクスのエアコンのスイッチの接触不良にしても喫煙だけが理由とも思えないんだよね…
 
身長が182?、体重が80キロ台後半って体格でなければまた違う世界も選択もあったんだろうとは思うが、それは私が親が誕生日祝い用にと隠していた花火を勝手に持ち出しての全身大火傷を負わなかったら?と同じくらいに答えも無いし想像のしようもない話で。所詮配られたカードで勝負するしか無いんだけど、そもそものカードが足りない時に奪うのでも盗むのでもなく、勝負を逃げる事もしないのであれば… なるように、あるように、しか出来ない訳で。そこで足りないモノについてどうこうと言っても恨み辛みに妬みに僻みにしかなりゃぁしないんだから… と、諦念半分、未練半分な気持ちに今でも、アラフィフになってすら思うのだから天命を知るなんてのは多分死んだ後なんだろうなぁ…
 
 
 
…とか、メインバンクにマイカーローンをケンモホロロに一蹴された時には現実逃避で考えておりました。いやまぁとりあえずのネットで立てた見積もりでは候補+オプション+なんやかんやの合計が200万前後だったんでとりあえずそれで申し込んでみた訳ですが、確かに年収の3分の2程度ではあっても借金は無いし給与振り込み口座なんだから希望金額全額は無理にしても…と思ってたのがもぅバッサリ。障害者の立場っか社会的信用なんてこんなもんなんだろうかね… 今の会社でリーマンとしての30年近くやってきた事の結果もこんなものなのか… と落ち込みもして。とりあえず、中学生の頃に口座開設してこの20年くらいはキャッシュカードの支払い口座として利用していた地元最大の銀行の方にも同額で申し込んでみたものの、まぁメインバンクがこんな扱いだったし… って事で、あんだけ詳しく調べてプリントアウトまでした新車は諦め中古車で遣り繰りをしていきますかねぇ… と日々カーセンサーやらガリバーやらの中古車情報を検索し検討していての数日後、携帯電話にかかってきた大垣共立銀行の人に
「仮審査で、ですがご希望額、全額融資が可能です。」
 と言われた時には一瞬頭が真っ白になってしまって。多分、一蹴。良くて一般的なカードローンの上限30万程度だと思ってたから全額オッケーが出るってのは全く想定していなかった。買えてしまう。自分が候補の中で一番良いと思った車を、自分が必要だと思うオプションを全て装備して買えてしまう。まぁ、ローンではあるけれど生活を苦しめる程ではない回数だし… ってトコで我に返って。
「すいません、これ、あくまでも仮審査、ですよね? 本審査、場合によっては駄目になる事もありますよね?」
「まぁ確かに可能性という事で言えば絶対とは言えませんが、仮審査が通った時点でほぼ大丈夫だと思いますよ」
「仮審査では全額でも本審査では減額って事は?」
「まずありません。」
 買えちゃう… って思考が飛びそうになるのを堪えつつ、今更ながらに気がついた。
「実は融資の額によって候補の車を決めるつもりでいたんで具体的な額は決まってなくて、あくまでネットでの色々な見積もりの上限を申し込んだんです。なので… 本審査申し込みの時に200万って額じゃなくて、極端な例で言うと100万とかって減額しての申し込みになっても良いですか?」
「ええ、そういう事情でしたら別に。額を増やせ、ってのは困りますが(笑)」
 細々とした取り決めをして電話を切った後、湧き上がってきた感情は安堵でもなく喜びでもなく混乱だった。
 
 買えちゃう…
 
自分の自家用車遍歴で初めて、自分の要求と嗜好を元に決定する事になる。条件も環境も選べられる、という事は自分の日常生活にもある程度の選択をする事でもある。例えば、駐車場を違う場所で借りる事で車体サイズを変える事だって可能になる。申し込んだ融資希望額というのはそれも出来なくはない額で。まぁメーカーはディーラーの立地に拠るからホンダと三菱が無いのは相変わらずだけどトヨタならオーリスとか外れたものだってあるのがそれが候補になる。うん、全く金額や利便性やら何も考慮しないで好きな車を買ってあげるよ整備点検費もいらないよ、ってのなら
 

 

 
とか言うかもしれないけど、まぁそれは妄想。大垣市という場所で今の暮らしにはどう考えても過剰。ローンも利用する以上、考えるべきはファッションよりもライフスタイルであって… 諸々の書類を持って銀行側の都合と私の都合で本審査申し込みは2週間後にしてもらったがその間にディーラー巡りをして最終決定をし、申し込み時に必要な完全な見積書をディーラーに出してもらなければないが…
 
 どうしよう…
 
選択肢がある、というのは良い事ばかりでもないなぁ… 貧困のスパイラルとか再生産とか言う人もいるかもしんないけど、制限があるからこそ楽しめる事も決して少ないないし、それが全部悪い事ではないんじゃぁないのかなぁ… と、改めてイマサラに思うくらいに戸惑ってもいて。(続く)
 

 くるま、車、クルマ。(その6)

 
 ランクスは悪い車ではなかった。しかしもぅ廃盤…
 
 とりあえず、自分の必要条件を整理してみる事にした。

  • 維持費、整備費と母のVW ポロを見るに日常生活の道具としての信頼性とコスパで断然日本車。
  • 駐車スペースの都合上、今のランクスの全長4175mm、幅1695mm以下。
  • 軽は乗れるけど目指すは普通車。
  • 同乗者は妻だけなので収納スペースには拘らない。
  • ディーラーは家からも駅からも行き易く、出入りし易く、店員の態度が悪くないトコ。
  • 月300km、年3000km程度の走行距離の殆どは市内走行で高速道路は使わない。端っことはいえ濃尾平野大垣市は購買といえば橋くらいで地形の高低差による坂道と呼べるほどのものは日常利用のエリアには無いので普段の運転では精々1500回転程度が巡行時、4000回転以上なんて出した事あったっけ?な感じなのでもぅパワーやトルクには拘らない。
  • 出来れば10年以上は乗りたいのでランニングコスト的にハイブリッド車は無し。

 … ガバガバ過ぎんだろ自分。 
って事でガリバーで全長と幅で検索してみると軽とトヨタ以外となると

 くらいしか無くて。一気に絞れたのでここからPCで一気に調べる。ネット時代の有難い事有難い事、ディーラーの店舗検索にカタログ類にオーナーズマニュアルも読めて、簡単な見積もりまで出来てしまう。またYoutubeにはプロだけでなく一般の人の様々な動画も投稿されている。
 

 
 なんなのブレイド・マスターって?ってのは兎も角、いい時代になったもんですよな… ってのはさておき、ディーラーの場所が私には不都合っか利用し辛いって点でホンダと三菱が脱落、残りは4つ。どれも今のランクスと比べればエンジンが200cc落ちるからパワーやトルクをどうのと言う必要も無いであろうし… と見通しもついてきたのでディーラー巡り、の前に自分の車の車検データに保険情報に本体カラーにオプション装備まで含めた各々の見積もりと此方の条件… 障害者減免届とか保証サービスとか… を全部をプリントアウトしておく。この時点で車検から二ヶ月経過していた…
 
 
病院の方での検査が大事にはならなかったので給与振り込みに利用している地元の銀行の申し込んだマイカーローンはケンモホロロに断られてこりゃぁもぅ中古車かなぁ… ならば、と思っていた頃の候補は
 

 

 
で、両方マツダ車だったのはタイミングっか偶然。たまさか去年末頃、妻が車を買い替える事となったのでお付き合いでディーラー巡りをしてたんだけど、丁度家の近所にあるガリバーにてあったこの2車はどちらもグッときてしまって… 色はベリーサはアイシーブルーメタリック、デミオがスピリテッドグリーンでどちらも綺麗でしたなぁ… 走行距離は1万以下のワンオーナー無事故車、総額100万以下なのにフル装備ってだけでなく、どちらも内装は正直言ってアレだとは思いましたが座った時の感じがとても良い。安定感というか落ち着くというか… 見切りが良くて窮屈じゃぁないしで病院の検査結果が無ければ即決しかけたくらいに気に入ったんだけど我慢しての検査待ちの数カ月でどちらも売れてしまったか別の店に行ってしまったようで… 縁(えにし)とか運命(ディスティニー)なんて言いたくは無いけれど、私にとっていいデザイン、いいカラーの車ってあるんだ!と目から鱗になった車、でしたなぁ… まぁ妻に言わせるとデミオのスピリテッドグリーンは
「派っ手だなぁw! バッタみたいw!;
 だったけど、そんな妻が年明けに購入したミライースダイハツらしい上手いデザインとパッケージングのよく出来た車でカラーのコットンアイボリーも私は悪くないとは思うもののグッとはきませんでしたしねぇ…(続く)
 

 くるま、車、クルマ。(その5)

 
自宅の駐車スペースの都合上、今のランクスと同じかそれ以下の全長と幅… 4175mmx1695mm …の車でなければならない、って時点で車種は自ずと限られてくる。182?って身長と体格からいって軽は乗れるけど勘弁したいし、それこそ乗り潰すつもりだからバッテリー等がネックになるハイブリッドではなく… となるとコンパクト、本来なら長年の付き合いで悪い、嫌な思いをしなかった車とディーラーのトヨタにすべきで、センターコンソール部分にシフトノブってのが私の火傷の手では操作的に辛いパッソでなければ
 

 
…で、決まりの筈なんだけど、今年の車検の時に借りた代車でのソレが、あまりにも酷いっか自分には合わなかった。アクア程ではないけれど窮屈さを感じる車内は直線を活かしたいのか曲線を見せたいのかよく分からないデザインな上にメクラ蓋だらけ。一番下のグレードだからパネル部分にタコメーターが無いのは仕方ないにしてもロゴマークで蓋してるようなのは何とかならないのかと。車体とピラーの太さに比べて細っいシフトレバーにサイドブレーキレバーといい、手にしても一体どういう層を対象にしているのか全く分からない。プッシュスタートでかかるエンジン音をあまり感じないくらいの静穏性はあるけれど、いざハンドルを手にしてみるとフロントガラスが小さいわAピラーの太さといい、サイドの三角窓の柱も太いわサイドミラーも小さいわ、リアウィンドウもランクスに比べて小さいのでシートポジションが高くなっていても視界は相当に狭くなっている。一体型のシートは柔らかいんだけど安定感というか落ち着きが得られず、ヘッドレスト部分と高等部との距離感が調節できずに嫌な感じがする。ディラーから車を出すべくクリープ走行からそっとアクセルを踏むとガッと来る加速にヒヤリとする。それでいて踏み込んでみての加速はモッサリとしていて。CVTだからATのような繋ぎ目が無いのは妻のミラ・イースで解ってはいたんだけどアクセルの踏みに対してのメリハリが無さ過ぎる。それでいてブレーキをチョイと踏めばガックンとかかる大味さ。軽過ぎるパワステはハンドルに路面状態を全く感じさせてくれず。サスペンションは直線を走る時にはガタゴトと堅いようでいて曲がる時には随分とフニャリとした感触で気持ち悪い… 慣れてない、というのではなく単に嫌な感じがしてイラついてた頃、突然の雨にワイパーのレバーを倒したら太い製図用の定規のような一本ワイパーがモッサリ動いて吃驚する。調整しても降る雨量に全く追いつかないだけでなく太さが完全に視界の邪魔になってる様にキレそうになる。コンビニに避難して雨が弱まるのを待ってから帰宅を急ぐが小雨でも太いワイパーだとこんなに視界の邪魔になるのかと。自宅近くになり、塀やらで死角の多い狭い道にそっと進もうとしてもガッとくるアクセルは子供や老人の飛び出しがあったら… と、家に帰る頃にはヘトヘトになっていて。
 あくまでも私の偏見で妄想なんだけど、まるでマイカーは持っていても休日に自分で運転をしない経理部の人間が材料費や工程表だけで選んで作ったような車に思えて。と言うか、あの死角の多さと極端な初速の加速は狭い道路が少なくない地方都市には向いてない車だとしか思えない。これまで2tトラックにバンにワゴン、妻の軽など色々な車に乗ってきたけど慣れではなく単純に嫌な、乗っていると事故を起こしそうな不安感がある車というのは初めてで、流石にこれを自分の最後になるかもしれない車とするのは嫌で…
 
使えるお金に限りがあって、駐車スペースの都合から車種も限られて、贅沢が言える身分ではないけれど、それにしたって15年ぶりに買い替える車なんだから… と思っていたんですよ。だけどヴィッツは今のランクスに比べて静穏性と燃費は良くなった以外は私には全て駄目、特に視界の狭さと見切りの悪さ、内装の酷さがどうにも。一応、予算を200万オーバーって事でグレードを上げてオプションである程度は内装は何とかなっても一本ワイパーや一体型シートが替わるでなし、視界も見切りも変わらないとなったら、何で15年前の車より50万円以上もかかって日常使いにストレスにしかならん道具にしなきゃならんのだ… としか思えなくて。
 
丁度、車検を終えてヴィッツを返却してランクスの安定感と視界の良さを再確&車検整備費の高さに打ちひしがれた翌日、TVで新型パッソのニュースやCMをやっていたんだけど…
 

 
設計、製造も全部ダイハツってのならブーンOEMじゃなくてパッソこそOEMじゃねぇの? っか、北米で庶民向けの車はマツダやスバルとかに作らせてたりするのも込みでトヨタはもぅ200万以下の庶民や若者向けの車を作る気は無いのかね? とか思ったりもして。かつてあった入門車としてのカローラから
 

 
みたいな、ヒエラルキーげな大系誘導ビジネスモデルでなくなってるのは車に興味が無い自分にも分かってはいたし、その事自体には所詮庶民の私はどうでもいいんだけど、HPでラインナップを見ても何かこぅ、ボンヤリとした印象でしかなくて。勿論、違いはあるんだろうけど基本としての、スタートとしての車はアクアやプリウスであってそれ以下の車はどうでもいいというか、そこから如何にコストカットをしていくってだけなんじゃないの? と考えてしまうくらいにヴィッツには嫌悪感しか抱かなかったからこそ、面倒だし申し訳ないとは思うもののとりあえずトヨタは無しにする事に心に決めて… 頑丈さとかアフターサービスとか企業規模とか確かにトヨタが一番なのかもしんないけど、あのオラついたデザインのフロントに比べてのっぺりしたサイドやリアのデザインと安全性の為の矢鱈と太いピラーだらけの視界と見切りの悪さ、コンセプトを感じられないメクラ蓋だらけの内装といい、安定感の無さ、操作感覚の薄さ、今のランクスより日常使う道具として信頼が置けない、安心が出来ない、運転の快適性も落ちる車には乗りたくない、としか思えなくなっちゃったんですよね… まぁ、今乗るとまた違う印象になるかもしれないんですけど、色々なディーラー巡りをしてた時の驚きとか期待みたいな物を、少なくともこの15年の何回もの車検の時に代車で借りたり時間潰しの際に乗ってみた展示車からは何も感じなかったんですよねトヨタには… まだ過去にはシンプルさ故の丈夫さからくる安心感はあったんだけど、今の、15年前のランクスと比べてあれだけ嫌な、怖い、不安になる代物には二度と乗りたくはないですね… (続く)