くるま、車、クルマ。(その8)

 
今のところ家を引っ越す予定も無いがじゃぁ近所に駐車場を借りてまで大きい車を乗る必要があるか?と考えてみるも精々が「自分の体格に合わせる為」以外の積極的な理由が思いつかない。大体家のある地域は昔の住宅分譲地なんで道路が狭いし向かいの家のコンクリート塀だわ休日にもなりゃぁ行き止まりもあるから路上駐車しまくりだわという現状で、わざわざ大きな車を精々が月300キロ程度の走行距離の自分が持ちたいと思う車も特に無いんじゃぁなぁ… これが生活が変化するとかならまだしも、アラフィフ夫婦が今更子供ってのでもないしねぇ… って事で候補は元の4車種に戻っていて。んじゃぁ具体的な融資希望金額算定の為に本当にオプションはこれでいいのか?と自分でメーカーHPを元に作成した見積書を見るも特に不足が思いつかない。ので、重複しない項目全て目一杯オプションをつけてみて一覧を眺めてみるたけど「まず10年は乗りたい」ってのが大前提だからカーナビをはじめとした液晶ディスプレイ系はとりあえずパス、となるとカメラも不要、センサーもまぁ特に、エアロパーツは今のランクスで散々段差や車止めブロックでガリって音が嫌だからパス、アルミホイールも… 純正だと強度は問題ないんだろうけど重量はかえって重くなるんじゃぁ意味無いし。ガーニッシュやスカッフプレートも今の車には無いけどそれで傷がついたりしたワケでもなく… ってので変更点も見当たらない。なので改めて銀行HPでマイカーローンを最大の利率で10万刻みで試算して表にしたモノを見て、やはり上限も下限も変化なし、って事でいよいよディーラーに行く事にした。4候補を一通り自分で確認出来ればもぅスパッと決まるものだと思っていたんだけど…
 

 
まぁ私らアラフィフの世代にとってスズキと言うと変態バイクと軽ってイメージで、それ以外は「塗装が薄くてすぐ錆びる」「走るけれど安全性はイマイチ」ってネガティブなイメージだったんだけど何時の間にか街中で、この大垣ですら結構スズキの普通車を見かけるようになっていたのには隔世の感でありました… っか私が如何に車に興味が無くて車世情に疎いのかを思い知らされましたなぁ… で、候補はスイフト。当初狙っていたグレードはリアがディスクブレーキとか標準装備がてんこ盛りのRS、だったんだけど… 外見、動画で見てた時にはツリ目が過ぎる感じがあまり好みではなかったんだけど実物のボディサイズで見るとまぁいいか、と。むしろゴテゴテとデコボコとゴチャついたのと比べるとベリーサに通じるようなシンプルさはエレガントだとも思う、ドアを開ける時の音と締める時の音が安っぽくないのにも驚いたけど内装も悪くない。不安感と嫌悪感が湧き上がったヴィッツと違ってワクワクする感じがしてくるのは視界が此方の方が良いからだし、シンプルだけど見易くて余計なモノもスペースも無い機能的なパネル部分も好印象。フロントウィンドウがあまり寝てなくてピラーも太くないんで視界は悪くない。ステアリングが上下前後調整できるんでポジショニング調整は楽だなぁ… と思ったものの、上半身の空間の広さに比べると膝から下の空間がやや狭く、そのままだと左の太もも側面がセンターコンソールに当たってしまう。デザイン的に特に幅広という訳でもない筈なのにシートをかなり下にしないと当たってしまうのがさて… というトコロか。ランクスに比べるとリアウィンドウが狭いが走行に関してなら問題は無さそうだし、バック&サイドミラーの大きさもあるんでこれなら大丈夫だと思う。
「ただ収納は正直アレですんで… 」
 と店員さんは言うけれど、確かに広くはないが人を乗せないんだからこれで十分だと思う。タイヤからリア&フロント先端までの距離もランクスに近いんで最小旋回半径も一緒だし取り回しはそれ程気を使わなさそうなのもいい。ただ気になるのは16インチのタイヤの大きさで微妙ぅに本体と大きさが合ってない気がしなくもないのと標準装備のパドルシフトとステアリング両側にあるスイッチ群がどうにも邪魔。
「例えばコレ、ノーマルスイフトのオプションのステアリングに交換してスイッチとパドルシフトを無くしてもらう、ってのは… 」
「そういうのはちょっと… 」
 まぁ、しょうがない。
「あと純正の15インチホイールに変更ってのは?」
「無いんですよ。って言うか、ぶっちゃけるとオーナーご自身でタイヤ屋さんで換装した方が安いと思いますよ」
 まぁ、しょうがない。っか、他にも色々ぶっちゃけてくれて助かりましたが。
改めてシートに座って足元の空間の狭さと必要ではないモノの多さに一番シンプルにXGの2WDと4WD,一応XLのSWDの非DJE仕様車の見積もりを出してもらうとキャンペーンとかでXGの2WDの値引きと割引がスゴイ。シンプルに私が必要と思う要素だけを揃えたXGの2WDで… とも思うけど今迄運転した事が無い4WD車だとDJEだけどエコチャージ%アイドリングストップ無しになる。数万円の差額でのXLならディスチャージヘッドランプへの変更も可能になるし…と、用件が絞ってただけにこういう細かい部分での選択が悩ましい。続いて行ったのは
 

 
どうせなら乗った事が無いメーカーで車で、となると候補の最有力はこのディーゼルモデル! 6ATだし!だったのだが… 使用情況を店員さんに尋ねてみると
「それならガソリン車の方が向いているかもしれませんね… 勿論パワーとかドルクを楽しむというのなら断然ディーゼルなんですけど、特性というか個性を活かすって点ではやっぱりもうちょっと距離を走る人向きだとはは思います。維持費も若干ディーゼルの方が高いですから、それくらいの距離だと割高な印象になってしまうかもしれませんし… ガソリン車は車体も軽いし取り回しとか日常使いには快適だと思いますよ」
 との事でむむむむ… と思いつつ展示車を触らせてもらう事にするんだけど、ここでもで動画で見てた時より大きいって感じる。車内スペースの為にボリューミーってよりはグラマラスって感じの外観はフロントが長い分だけ押しというか迫力もあって。しっとりとした質感のドアを開けてシートに座った時にドキっとするようなお洒落な内装の質感はスイフトよりも上だと思って。運転席ってよりはコックピットと言った方がいいような、スポッと収まるんだけど窮屈ではないスペースのとり方にグッとくる。ただ、若干フロントグラスがスイフトに比べて寝ているのと運転席のスペースの確保の為だと解っていても長いフロント、特にこれという目印が無いので感覚がちょっと掴み辛い。大きさ的にはランクスとほぼ一緒の筈なんだけどスペースのとり方の違いだけかと思ったんだけど比べてみると運転席のハンドルからフロント先端までの距離がランクスに比べて掌1つ分以上、20センチ近く長かったんだけど戻って改めて運転席から見てみても先端がストンと切れているように見えて距離感がちょっと掴み辛く思う。また速度計のフードが若干長いんで見る角度が私には若干どうやってもピタっとこない感じはある。そしてマツコネ… 一応一番下のグレード13Cならマツコネもコマンダーコントロールも無しに出来るけどタコメーターがオプションでも無いのはどうにも。安全装備も含めると13SにしろCDにしろTouring一択… LEDライトになるTouring L Packageは魅力的だけどアクティブ・ドライビング・ディスプレイやシートヒーター等、私には邪魔なモノが多くなってしまう… なんだけど… ガリバーで触った先代は内装では落ちるんだけど見切りっか視界がとても良くて乗り換えても気軽に運転し易そうだったのと比べると現行のはフロントの長さと感覚の掴み辛さがどうにも気になって。我が家のエリア事情からいくとそれは相当にネックだし。あと装備が私には過多というか… だけど走らせる事が楽しそうってのはスイフトより上だと思うし何せATだしむむむむ… って事でディーゼルとガソリン車それぞれTouringで出してもらう事にする。そして次は
 

 
マーチは… 先にコレ見てしまった後だと… って事で脱落。ぽってりした外観は候補の中では一番好みではないがカラーが豊富でその中でもカーキがとても好みで… ってくらいだったんだけど、シートに座ってみて驚きや喜びやらは感じなかったんだけど安心感ってのかな? その普通さと落ち着いた感じが何とも私には心地よいと思って私が驚いてしまった。内装的にはスイフトデミオに比べれば落ちるんだけどキチンとした無駄のないシンプルさで整然とまとめてあるのがヴィッツのメクラ蓋だらけで乱雑なデザインと比べるとメーター類だけでなくセンターコンソール部分までちゃんと一目で解り易いそのまとめ方が好ましい。
「まぁお客様の他の候補と比べると走りとか内装の質感とかデザインとか、何か秀でた特色や個性というのはありませんけど普段使い、日常で使う道具として無理と無駄が無い、いい車だと思いますよ。」
 って店員さんの言葉に素直に同意してしまうくらいによくまとまっている車だと思う。ただ若干シート幅が狭いのと太いピラー群がどうにもなぁ… ヴィッツよりサイドミラーも大きくて形状も良いんで死角は少なそうだけどスイフトと比べるとやや視界という点では落ちる。だけど安全装備ではこれが一番なんだよなぁ… って事で一番下のグレードとライダーでの見積もりを貰って帰る事にして。
 
 
 
あえて路上試乗はしない、と決めていた。ディーラーでの使用&保管状況、ECUパワーステアリング等の電子制御部分のプログラミングのバージョン違い、天候や体調によって感じ方も違う筈… 理想としては候補車をレンタカーで1週間くらい利用してみるのが一番なんだろうけどそこまでやる程に車が私の日常生活を占める道具ではないし。今までも路上試乗はしていなかった、ってのもあったけど、変に選択肢が増えてしまった現状で絶対解も絶対軸も無く、どれを選んでも一長一短なのは諸元表を見比べるまでもないんだから判断材料として居住空間と視界に絞って余計な要素を減らす為にも… って。うん、本当に欲しい車ってのがあって悩んでいるんなら試乗はアリがとは思うんだけど、今回の場合は選択が出来るからこそ私にとっての利便性こそ最重要であって、フィーリングとか加速とかの性能などは特に重要ではないんですよね… って事前に決めておいて本当に助かった。実物を見たらその利便性でさえ一長一短があって、事前には6:3:1でデミオスイフト:ノートだったんだけどハンドルやレバー、スイッチの感覚と位置に形状、そして視界とを体感したら3:3:3になってしまっていて。正直、丈夫さとかの点ではトヨタなんだろうな、とは思うけどそれ以外魅力どころか恐怖と不安と怒りしかなかったヴィッツと比べればどの車も魅力的で、その魅力や好感の質がどれも違ったからコレという決め手が思いつかない。いやしかし。だがしかし。候補内の価格差は50万程度で予算的にはどれも無理なくオッケーで事前に自分で決めてた必要条件はどれも満たしている。ディーラーの人は皆親切丁寧で、無理に高価格帯を勧めてこないし無理くりにオプションや契約を迫ってもこない… まぁ此方がマイカーローンを利用する、って最初に言ったから金無いんだろうな、と思ったからかもしんないけど… 対応として、此方の印象にも優劣も無い。さぁ、どうしよう、どれに決めたらいいのだろう… (続く)