くるま、車、クルマ。(その5)

 
自宅の駐車スペースの都合上、今のランクスと同じかそれ以下の全長と幅… 4175mmx1695mm …の車でなければならない、って時点で車種は自ずと限られてくる。182?って身長と体格からいって軽は乗れるけど勘弁したいし、それこそ乗り潰すつもりだからバッテリー等がネックになるハイブリッドではなく… となるとコンパクト、本来なら長年の付き合いで悪い、嫌な思いをしなかった車とディーラーのトヨタにすべきで、センターコンソール部分にシフトノブってのが私の火傷の手では操作的に辛いパッソでなければ
 

 
…で、決まりの筈なんだけど、今年の車検の時に借りた代車でのソレが、あまりにも酷いっか自分には合わなかった。アクア程ではないけれど窮屈さを感じる車内は直線を活かしたいのか曲線を見せたいのかよく分からないデザインな上にメクラ蓋だらけ。一番下のグレードだからパネル部分にタコメーターが無いのは仕方ないにしてもロゴマークで蓋してるようなのは何とかならないのかと。車体とピラーの太さに比べて細っいシフトレバーにサイドブレーキレバーといい、手にしても一体どういう層を対象にしているのか全く分からない。プッシュスタートでかかるエンジン音をあまり感じないくらいの静穏性はあるけれど、いざハンドルを手にしてみるとフロントガラスが小さいわAピラーの太さといい、サイドの三角窓の柱も太いわサイドミラーも小さいわ、リアウィンドウもランクスに比べて小さいのでシートポジションが高くなっていても視界は相当に狭くなっている。一体型のシートは柔らかいんだけど安定感というか落ち着きが得られず、ヘッドレスト部分と高等部との距離感が調節できずに嫌な感じがする。ディラーから車を出すべくクリープ走行からそっとアクセルを踏むとガッと来る加速にヒヤリとする。それでいて踏み込んでみての加速はモッサリとしていて。CVTだからATのような繋ぎ目が無いのは妻のミラ・イースで解ってはいたんだけどアクセルの踏みに対してのメリハリが無さ過ぎる。それでいてブレーキをチョイと踏めばガックンとかかる大味さ。軽過ぎるパワステはハンドルに路面状態を全く感じさせてくれず。サスペンションは直線を走る時にはガタゴトと堅いようでいて曲がる時には随分とフニャリとした感触で気持ち悪い… 慣れてない、というのではなく単に嫌な感じがしてイラついてた頃、突然の雨にワイパーのレバーを倒したら太い製図用の定規のような一本ワイパーがモッサリ動いて吃驚する。調整しても降る雨量に全く追いつかないだけでなく太さが完全に視界の邪魔になってる様にキレそうになる。コンビニに避難して雨が弱まるのを待ってから帰宅を急ぐが小雨でも太いワイパーだとこんなに視界の邪魔になるのかと。自宅近くになり、塀やらで死角の多い狭い道にそっと進もうとしてもガッとくるアクセルは子供や老人の飛び出しがあったら… と、家に帰る頃にはヘトヘトになっていて。
 あくまでも私の偏見で妄想なんだけど、まるでマイカーは持っていても休日に自分で運転をしない経理部の人間が材料費や工程表だけで選んで作ったような車に思えて。と言うか、あの死角の多さと極端な初速の加速は狭い道路が少なくない地方都市には向いてない車だとしか思えない。これまで2tトラックにバンにワゴン、妻の軽など色々な車に乗ってきたけど慣れではなく単純に嫌な、乗っていると事故を起こしそうな不安感がある車というのは初めてで、流石にこれを自分の最後になるかもしれない車とするのは嫌で…
 
使えるお金に限りがあって、駐車スペースの都合から車種も限られて、贅沢が言える身分ではないけれど、それにしたって15年ぶりに買い替える車なんだから… と思っていたんですよ。だけどヴィッツは今のランクスに比べて静穏性と燃費は良くなった以外は私には全て駄目、特に視界の狭さと見切りの悪さ、内装の酷さがどうにも。一応、予算を200万オーバーって事でグレードを上げてオプションである程度は内装は何とかなっても一本ワイパーや一体型シートが替わるでなし、視界も見切りも変わらないとなったら、何で15年前の車より50万円以上もかかって日常使いにストレスにしかならん道具にしなきゃならんのだ… としか思えなくて。
 
丁度、車検を終えてヴィッツを返却してランクスの安定感と視界の良さを再確&車検整備費の高さに打ちひしがれた翌日、TVで新型パッソのニュースやCMをやっていたんだけど…
 

 
設計、製造も全部ダイハツってのならブーンOEMじゃなくてパッソこそOEMじゃねぇの? っか、北米で庶民向けの車はマツダやスバルとかに作らせてたりするのも込みでトヨタはもぅ200万以下の庶民や若者向けの車を作る気は無いのかね? とか思ったりもして。かつてあった入門車としてのカローラから
 

 
みたいな、ヒエラルキーげな大系誘導ビジネスモデルでなくなってるのは車に興味が無い自分にも分かってはいたし、その事自体には所詮庶民の私はどうでもいいんだけど、HPでラインナップを見ても何かこぅ、ボンヤリとした印象でしかなくて。勿論、違いはあるんだろうけど基本としての、スタートとしての車はアクアやプリウスであってそれ以下の車はどうでもいいというか、そこから如何にコストカットをしていくってだけなんじゃないの? と考えてしまうくらいにヴィッツには嫌悪感しか抱かなかったからこそ、面倒だし申し訳ないとは思うもののとりあえずトヨタは無しにする事に心に決めて… 頑丈さとかアフターサービスとか企業規模とか確かにトヨタが一番なのかもしんないけど、あのオラついたデザインのフロントに比べてのっぺりしたサイドやリアのデザインと安全性の為の矢鱈と太いピラーだらけの視界と見切りの悪さ、コンセプトを感じられないメクラ蓋だらけの内装といい、安定感の無さ、操作感覚の薄さ、今のランクスより日常使う道具として信頼が置けない、安心が出来ない、運転の快適性も落ちる車には乗りたくない、としか思えなくなっちゃったんですよね… まぁ、今乗るとまた違う印象になるかもしれないんですけど、色々なディーラー巡りをしてた時の驚きとか期待みたいな物を、少なくともこの15年の何回もの車検の時に代車で借りたり時間潰しの際に乗ってみた展示車からは何も感じなかったんですよねトヨタには… まだ過去にはシンプルさ故の丈夫さからくる安心感はあったんだけど、今の、15年前のランクスと比べてあれだけ嫌な、怖い、不安になる代物には二度と乗りたくはないですね… (続く)