『らくごくら』#48 「第10回朝日いつかは名人会 前篇(2008年7月4日 浜離宮朝日ホール)」

USA-P2008-08-10

 

 
 毎回、若手真打ち1人がゲストになり、前座さん1人と二つ目さん2人を、落語界の未来を背負って立つ二つ目の若手を応援する会だそうで、毎回どんな二つ目さんが出るのか楽しみではありますが… 今回、『らくごくら』では非常に稀、珍しいと思うのですがこの前半の三席共にカットしてあったのが全てだったような気がしなくもありません。
 
 柳家ぞうさん、口上の部分の流れるような様に比べると他の間の取り方が単調な感じで折角の所作やらがあまり生きてこない感じがしたのは何とも。ただあの大きな口での笑ってみせる顔と雰囲気はちょっと面白いと思うので先が楽しみだと思えます。
 古今亭駒次さん、志ん駒師の口調とのダブりに師弟の姿が見えてそれはそれで悪くはないかと思ったのですがご自身?の新作は東京在住でないと何が何やら。先日の上京の事もあるので全く解らないワケではないのですがオチの唐突な登場人物(鉄道?)が赦されるのならJR側だってリニアを出すとか何でもアリだったのをまとめるのにはちょっと散漫な気がしなくもなく… と言うか、これ講釈師にやってもらった方がいいネタなんじゃないんでしょうか? 落語というフォーマットではあんまりいいものとも思えないんですけども。
 続いての桂花丸さん、出番前の眼鏡をかけてのインタビュー時はうっすらと春風亭昇太師を思い出すようなナカナカに我を感じさせてもらったんですが、全体的に単調でこの噺だとお菊さんが登場するまでの前半を怪談調でまとめるなりしてもらった方がメリハリがついたように思えますし、そうでないならもぅ最初っからはっちゃけたテンションでやってもらうとか、まぁ色々な方法があるとは思うんですけどもちょっとテンポとトーンが均一過ぎて途中でダレましたな… 個人的には
時計じかけのオレンジ〜」
 とか笑った部分はありましたが、何だろ、喬太郎師の「11人いるね… 萩尾望都だね」とやってる事は同じでも余裕と愛嬌の差なんでしょうかね… うん。
 
 この若手を受けての後編、たい平師は「お見立て」だそうで… 上方でのとどう変えたのか、それとも?っと楽しみでありますわ。