『らくごくら』#31 「第7回朝日いつかは名人会(前編)」

 
 これからの落語家さんの為の場としてはCSとは言えTVという舞台、決して悪いものではなくまた毎回思うんですがお客さんが優しいと言うかいい雰囲気の会だなぁ… っと田舎者としては羨ましいものでありますな。
 
 ・三遊亭歌ぶと 「道具屋」
 前座さんにアレコレと期待や注文をつけてもしゃぁないんですが、緊張しているのか常に体がもぞもぞ動いていて観ていて落ち着かないのは気持ちとしてはよく解るんですがこれまでこの会に出た前座の人の中でも目に見えて落ち着きの無い様に眠くなりました。声そのものは悪くないとは思うんですが… 場数を踏んだ先はさて? とは言え、立川こはるさんだってこれで観た時は… でしたが、昨日は凄く進歩なされていて驚いたもんです。頑張って下さいね。
 
 ・6代目瀧川鯉橋 「時そば
 師匠の瀧川鯉昇師を知らないので芸の筋の方は解らないのですが、古典も古典、落語を聴いた事が無い人でも筋を知っているであろうこの噺を所々現代的な要素を入れつつも現在にはしないし基本の所作がしっかりした上での爆笑噺にしてみせてくれたので素直に笑ってしまいましたね。っか、今まで聴いた中では最悪の蕎麦屋じゃないでしょうかコレ? 不味いのを居直ってやんの(笑)
 破綻、暴走になってないのはデティールがしっかりしているからでそれを所作で殆ど処理しているんで語りのテンポの良さを崩さないんですよね… それが出来るだけの腕がある、って事ですね。サゲでマクラに繋がる独自のトコで噛まれたのが勿体無い。
 
 五街道弥助 「星野屋」
 いやもぅ師匠の五街道雲助師が見えまくりでした。っても物真似じゃぁないんですが間の取り方とか手や表情のつけ方とか、この人は師匠が本当に好きなんでしょうね…
「星野屋」って私にはちょっと嫌な噺… お妾さんを試す為とは言え騙して、結果お妾さんっか女性を馬鹿にするって構成はね… だったんですけども、お歳に似合わない落ち着いた声の語りでギリギリ嫌な後味の残らないバランスで演じられた御蔭で楽しめました。
 何か噺選びも師匠譲りのようで『ぽっどきゃすてぃんぐ落語』でも「鮑のし」「鹿政談」「子別れ」、と落ち着いた語り口で古典をなさっていますがそれらと比べると軽妙さと言うか愛嬌も見られて良かったんではないんでしょうかね…
 
 
 
 次回はいよいよ喬太郎師匠、いやぁまた楽しみですなぁ〜…