NHK日本の話芸『はてなの茶碗・桂南光』

 
 読んではいたけれど初めて聴く噺で笑ったものの、失礼な話ですが、まるでネタおろしのような… 今回のは全体に間を詰め過ぎに思えて言ってしまえばずっとアップばかりのドラマを観ているような感じでメリハリに欠けるのと人物の演じ分けがやや甘く折角大阪者と京都者との対比の部分の可笑しさやら。特に茶金さんがさりげなく油売りを諭す部分等もトーンなりが一緒になっては… っと観ていて面白い噺だけに余計に勿体無い気がしましてな。
 
 コレを書くのにあたってチョット調べ物をしましてな、噺としての端折りを結構やっていた部分が埋まって自分的にはそれで納得したんですけども、その端折りが時間の都合なら仕方無いんですが、そうではなく南光氏の判断での演出で、ならば、それでも師に合った噺になっているとも思えないんで私はちょっと感心出来ませんな。油売りのそそっかしさだけでなく可愛げ、したたか者ではあっても情のある茶金さんって人物を生かすのでもなく、商売のお話しとしての世間知的なものにもなっているとも思えず、と言って滑稽噺としては風情に欠ける… と、桂南光師ならではの良さや味も生きないんでは…