『らくごくら』 #23 - 「第2回東西笑いの喬演 〜柳家喬太郎・笑福亭三喬 東西二人会(後編)」

 
 前編がこってりした花見を題材にした東西の古典落語の競演となったのに対しての後編は攻守を変えて、と言っていい柳家喬太郎氏の創作「ほんとのこというと」で、トリが笑福亭三喬氏は上方の古典「首の仕替え」でありましたが、個人的にはどちらも笑えたけれども「もひとつ」ってトコですか。
 柳家喬太郎氏の「ほんとのこというと」、まるでコントのような作りでこれはこれで面白かったんですけどマクラの長さとネタがあんまり噺本編に関連しない、繋がらないってのでそれぞれ面白くはあったのですがトータルで見るに満足感はもひとつ。あえてサラッとしたのでしょうが、前編のコッテリさと比べるとやや物足りない感じがしましてな…
 笑福亭三喬氏は「犬の目」と非常によく似たシュール系な「首の仕替え」、医者を同じにしてみせたり挿げ替える首を流行りモノにするトコロなどは「地獄八景亡者戯」にも通じるような関西的?な笑いの組み立て方で楽しかったんですけども、これも前編での『貧乏花見』と比べると随分とサラッとした感じでもひとつ、山が欲しかった気がしまして… 当日の会場の空気は解らないしで勝手な言い分ではありますが、まぁこれは好みの問題ですしなぁ… いやしかし、楽しかったですよ。ええ。