ぎふ名人会・一朝&一之輔 師弟共演

 

 
実にいい会でございました。確かに前座さんが(時間調整の都合もあったのでしょうが)「子ほめ」をマクラも入れてフルで20分ってのは正直言って勘弁して欲しかったんですが… 明日からいよいよ真打、師匠となる春風亭一之輔さんの二つ目最後の日に師匠との親子会、という期待に応えてくれた会だったんではないかと。弟子を立てるようにあっさり目ではありつつも明るい噺をかけていただけた一朝師匠も良かったのですが、やはり一之輔さんが。
「百川」は以前観た時より確実に面白くなっておりました。田舎もんを笑いの種にしている噺ではありますが、一之輔さんのはカッコいいけど可笑しくて可愛いってのがスッキリと表現されていてアッという間でございました。また「長屋の花見」、私は上方の「貧乏花見」の方が好きでして… 大家と店子の関わり方とか貧乏での楽しみ方とか、ね… どうも「長屋の花見」は捨て鉢さというか陰気さを感じてしまってどうも好きになれずにいたんですが、江戸版の持ち味を多分、一之輔さんなりの解釈でとらえ直したそれは苦さを残しつつも可笑しくて素敵なものになっておりましてのぅ… 大きな声を使うのでもなく派手な所作をするのでもなく、1つ1つはアッサリしているんですが一之輔さんが綺麗にまとめたもので良かったでしたよ…
 
明日から50日連続の真打披露興行、一人でという大変な時期を前にして気取らず背負わずにいたいい高座が観れました。いやぁ、良かった。また観に行きたいですのぅ…