隔週刊 落語百選 DVDコレクション 第10号

第10号表紙。

 日本の伝統芸能としての落語、ならばどちらも難点があって… まぁ個人的な好みの話と思って下さいね… 古典としての芸能でそれも喋りのものであるのならば言葉とその音が今のものであってもらいたくないんですよね… そして、言い換えやオミット、カットってのも止めてもらいたいんですよね、TVじゃぁないんですから。だけど両方共にそうではなかった、ってので残念でしたね…
 
 入船亭扇辰師は解り易さを優先してるのは結構なんですが「お上さん」を「お嫁さん」にはじまって後もねぇ… って事で垂乳根の下りの前でスキップ。正直創刊号の「目黒のさんま」といい、古典としての落語でないのを演られる判断といいクドく強調されるのも自由ですが好きじゃぁないですね。江戸言葉でもなければ芝居言葉でもない、平易な標準語で着物や状況のデティールもカットしてのものは私の好みではないし、日本の古典芸能としての落語じゃぁないと思うんですけどね… 2号での喬太郎師の「時そば」のように新作かよ(笑)って無茶やってても所々古典としての言葉、ポイント、ツボは押さえてあるのと比べると余計に私には好みじゃぁありませんね。
 
 古今亭志ん輔師のは確かに聴かせたんですけども、TVのような配慮をしたのか所謂「さんぼう」も無ければ西念を願人坊主とも乞食坊主とも言えなければ長屋の貧乏っぷりも殆ど無く… 志ん生志ん朝を引き合いに出す気はありませんが… どうも言葉のデティールがカットされている分、どうも噺のピントがボケた感じがすると申しますか… 言い立ての部分とか流石だとは思ったんですけどね… 正直、ちょっと残念でしたわ。