らくごくら#55 『米朝一門若手の会 第2回ミナミ八日寄席 後篇』(後編)

USA-P2008-11-23

 

  • 桂吉弥「短命」
  • 桂宗助「蔵丁稚」

 吉弥師の落語を観ていて上手だとは思うものの面白いと思った事が無い私でしたが今回も同様で… つらつらと考えてみるにあの目つきと雰囲気のせいかなぁ?っと。何て申しますか、硬いのと鋭いもんで今回の「短命」も含めたウッカリ者を演じてもとてもそうは見えないんですよね。所作の細かい配慮もどことなく神経質に見えてしまうと言いますか… ひょっとするとチョイと高座を見上げる目線でなら気にならないのかもしれませんが個人的にはちょっと苦手と言うか合わない師匠だというのを再確認した、ってトコロでしょうか。
 
 続いての宗助師を見るとその思いはより強くなりまして… 所々で客席の程度を確かめての一席でしたが、丁稚がこまっしゃくれてはいても可愛いらしさを残してるってのが技術だけでなくご当人のお人柄もあってのもの、って感じがしましてな。勿論米朝一門らしい技術あってこそのもので去年だか今の正蔵で観たという妻も
「比べ物にならない。っていうか正蔵は寝たもの。」
 と言っておりましたがこの噺、単に歌舞伎の真似が出来ても駄目なトコロが難しいトコロだと思うんですけど巧すぎる丁稚の芝居の真似との落差も含めて楽しいものでございましたな…
 
 
 
 …って事で今年の『らくごくら』の放送はお終い。12月と1月は再放送となるようですが、オススメは12/7放送の#35、林家染二師の「片棒」もさる事ながらやはり柳家権太楼師の「井戸の茶碗」! 落語がよくお客様と作りあげるものと言いますが実にはっちゃけたというかあれだけノリノリの高座というのは無いんじゃぁないかと。見逃した方は是非に… って事で。