『らくごくら』#40 「第4回東西笑いの喬演 〜柳家喬太郎・笑福亭三喬 東西二人会〜」(後編)

USA-P2008-04-06

 
 ここんトコ録っておいた所謂名人と呼ばれたりまぁ有名な人のアーカイブを観ていたんですけども、これが個人的にはどうにも。多分、寄席という小屋の中で、出演者のお約束や間合いを重々承知しているお客さんがある程度いる空間っか状況でのものならばまた違うのかもしれないが、TVという場で寄席での芸のお約束っかパターンでやられてもなぁ… それはそれで成立するものもあるんだろうけども。別に敷居を下げろってんじゃぁないんですよ。むしろ逆に上げてもらいたいぐらいで。知っている人にはお約束だしそれで満足やもしれんが、果たして落語に興味を持った人がコレを観て楽しめるのか?ったら私は多分駄目だと思う方に1カノッサ。カツゼツが悪い、吃る、詰まる、言い間違える、加えて執拗な客イジリで進まない噺… あとNHK、上下を向いた方にカメラのスイッチングするから意図がズレるだろ… ってのも込みで、知名度の高さはあるのかもしれんけれども「上方演芸ホール特別版 「ちりとてちん」の落語を聞こう!」がセレクトが良かっただけにNHKアーカイブスだか蔵出しエンターテイメンだか知らんがもうちょっと担当者にそのジャンルへの愛情がある人がセレクトしてくれないもんですかねぇ… 折角の映像資料も死蔵じゃぁ意味無いっしょ。それともソフト化の為にいいブツは温存、ってワケじゃぁないよね… ってのはさておき。
 
笑福亭三喬「子盗人」
 活字では知っていた噺ですがコレは三喬師匠ので聴いて良かったなぁ… っと。
もぅ子供をあやすトコがたまりません。人って言うんでしたっけ? あの人柄で「ちゃいちゃいちゃい」とかやられて笑わないワケが無い。熊さんが他の方の他の噺のに比べて見事なまでの意気地無しなのも込みで三喬師匠の人柄ですっくりと見せて楽しませていただきましたわ… 勿論、人柄だけで見せるようなものではなく、微妙ぅなトーンのつけ方や会場の情況に合わせた間のとり方などは流石、これは

 買おうかなぁ…
 
柳家喬太郎「ハワイの雪」
 題名から『南の島に雪が降る』みたいな噺かと思っていて、まぁそんなに遠く外れもしなかったワリに、個人的にはもひとつ。ハワイに行くまでの長さと密度に比べるとそこから後がどうにも尺が足りないような長いような、エピソードが多いような少ないような、まぁなんと言うか微妙ぅに思えまして…
 八十の半ばを過ぎても尚友達もまだ生きている留吉爺さんがそこまでの想いがあったのがどうにもこうしっくりこないんですよね。もぅ少し年寄りってのは屈折してるものなんじゃぁないのかなぁ… っと、まぁこれは私の経験が元の印象としても、戯画的っかキャラ的な人物造形と描写とストーリーの展開とデティールがもひとつマッチングしてないような… それと、
「いいじゃん、紙の雪だって… 」
 とか、テクニックが先に起つ感じがして、上手いなぁ… っとは思いつつも最後の方は。まぁもちっと私も歳を食うとまた違う印象を受けるのやもしれませんが、齢八十の半ばを過ぎて子供や孫だけでなくラバウルじゃなくてライバル(笑)まで健在な留吉爺さんなんてのはそれだけで充分幸せ者だと思いますが…
 
 
 
 次回4月20日初回放送予定の#41は「第9回朝日いつかは名人会」(2008年4月4日 浜離宮朝日ホール)」(前編)、前座の柳家ぞうさん「子ほめ」、春風亭一之輔さん「鈴ヶ森」、古今亭朝太さん「火焔太鼓」、って事で、喬太郎さんは今回も古典派からのセレクト、さてどうなりますか楽しみ、ですわ…