NHK総合『笑いがいちばん』

 
 たまたま昼間にチャンネルをかえていたら柳家喬太郎氏が出ていたのでそのまま視聴。
ただでさえTVの視聴時間が短い上に日曜の昼っ〜と『のど自慢』とか私には合わない番組が多い印象があったんだが、こういう番組もやっているのかと。毎週やってるようだから来週も忘れずにチェックしようっと。
 
柳家喬太郎『午後の保健室』
 小噺から小噺へ、という感じだったが演じるのが喬太郎氏にかかるとオチが読める噺なんだけど笑ってしまうんですよな… 最初に喋るのが学生、ってのは解ってもまさか中学生だなんて、とか、何気ない部分が笑いになっていくのは非常に楽しかったんですが…
 
春風亭小朝の『ヴィンテージ・オブ・1985』
 元々小朝氏に対しては巧いし頭もいい事は解っているんだけど、理に傾いてる感じと言うか顔でいくら表情を作ってみせてはいても眼がどれも似たような冷笑のような感じが好きになれなくて。まだそこに照れなり自嘲なりもあれば愛嬌にもなるんだろうけど、ああいう冷淡さと言うか酷薄さみたいなのはどうも巧いんだろうけど落語という芸能に合っているとはあんまり思えないんですよな。
 で、
この創作落語なんですが、そういう私が嫌いな小朝氏の部分がみっちり詰まった噺でねぇ… 落語の熊さん八っつぁん与太郎ってのは確かに物を知らない馬鹿かもしれんが時として物を知らないが故に真理を突く「愚者(fool)」だと思うんですよね、私は。だから登場人物の二人がただ愚かなだけの様を笑いものにするだけの話ってのは聴いていて嫌な気分にしかならんのですよ。巧いですよ。所作も綺麗。着物も着ているし、落語という芸能のフォーマットなんですが、でも、世間でもなければ知も無く、教訓も無ければ因果応報のお話しでもなく、権威や制度に対しての反抗でもなく、そして救いも底も無いままでの突き落とすだけのオチって話が私には、オーケストラが演奏すりゃぁ何でもクラシックか?ってのと同じで落語家が落語のフォーマットで話をしていても、少なくとも本作に限って言えばこれは落語とは違うのではないのか? って思うんですよ。*1
 これが落語というフォーマットではなく舞台でのコントならよくありがちなものになっていたのを思うとねぇ… まして新日本の棚橋選手とか女性に酷い事をする話なんてのは現実にもいくらだってあるじゃないですか。そして見え見えのオチ(サゲじゃないよなぁ…)って。これが小朝氏にとっての落語なんだろうけども、私にはこういう一人芝居系って
「別にこんなん、落語でやらなくったってええやん」
 と思ってしまうんで、どうにもあきませんでしたわ…
 

*1:読み返してみてあまりに未整理且つ意味不明で酷すぎるので削除。