『らくごくら』 #20 - 「第5回朝日いつかは名人会(前編)」

 
 これからの落語家さんを… というこの企画は大好きで。初めて観た第三回の柳家花禄氏が選んだ三遊亭きん歌氏と街道佐助(現・隅田川馬石)氏、第三回の立川談春氏が選んだ立川笑志氏、立川志ら乃氏といい素直に楽しめたもので、今回は2回目となる柳家喬太郎氏の人選や如何に… っと期待をしたのですが…
 
 なんか、ちょっとノれませなんだ。出来ではなくて。
 
 前座の柳亭市朗氏の「子ほめ」はまだまだとは思うのですがとりあえず勢いがあって好ましく思ったものの続いての二つ目・三遊亭天どん氏の新作「ゆいごんを・・・・」、春風亭栄助氏の「お血脈」がどうにも駄目。前座の方と比べれば間の取り方とか上手いのはもぅ当たり前なように芸として積んでいるモノが違うのは素人目にも解るんですが、なんかこぅ… 生理的に受け付けないと言うか、聴いていて、観ていて各々の持ち味もちゃんと出ているし決して出来が悪い訳ではないのは理屈では解ってはいるんですけど何か癇に障るっか苛ついてきて。特に春風亭栄助氏は既に独演会をやられたりと実力もあり、演じられた「お血脈」にしてもバタつかない動きでの大きさがちゃんと見せ場になってるトコも含めて感心するんですけど受け付けない。好き・嫌いという好みってよりもっと根源的な嫌悪に近いと言うか、兎に角合わないんですよ… 目の細かい紙やすりを肌に当てられたような… それを動かされてるワケじゃないけどひたりと当てられているような… って。
 
 人のやる事ですから相性ってのはあるかとは思うんですが、明確に「でぇ嫌ぇだッ!」っと理屈があって拒否するのならまだしも、そこまでいかない・行きたくもない情況での「合わない」ってのもアリっちゃぁアリなんでしょうけども… っと己を顧みるに、どうにも三遊亭、春風亭との相性が良くないんですよ私。
 所謂東京落語四天王は全員合わなくて、特に五代目春風亭柳朝、五代目三遊亭圓楽、が苦手。
いや上手いと思うんですよ。でも駄目。で、古今亭と立川流にはあんまり好き嫌いは出ないんですがこれが三遊亭だと四代目金馬という例外はあれど六代目圓生、三代目圓丈、楽太郎が、春風亭だと小朝、昇太、っとまぁ駄目なんですよな…
 
 こういうのも家の芸の質、として継承されてるんでしょうかね? それともたまたま、露出度の多さ故にそう感じるだけ、って事なんでしょうか? よぉ解らんですが、もしこれがその家の芸の質ならば、今後はちょっと春風亭と三遊亭は遠慮しておいた方がいいのかなぁ… もしかして自分としては江戸落語が好きなつもりなんだけど、そうじゃぁないのか? とか悩んだ回でありました、ハイ。