『中国合伙人 - American Dream in Chaina (2013)』(DVD-9) メモ。

中国版DVD、アウタージャケ。

 

 
中国で英会話学校経営で大成功を収めた実話を元にした2013年中国国内で大ヒットした作品、ってのと、妻が陳可辛(ピーター・チャン)監督作品が好きって事でオーダーした品。3人の学生が、ってので

きっと、うまくいく [Blu-ray]

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 の中国版かと思った… Yesasia.comをはじめとしてジャンルが「コメディ」って表記もされていたし… んですが、大学卒業までの混沌とした部分は意識してなくもないかと思ったものの、中盤からは多分 っぽくなっていっても結局、シェイクスピア悲劇の如くザッカーバーグという”人物”を描いたフィンチャー監督作品と違い、主要登場人物に共感も感情移入もしていない陳可辛作品らしく、お話としては達成感や成功感に満ちていてのエンディングの筈で、実際エンドロール前にもモデルとなった3人だけでなくアリババの会長とか様々な現代中国での成功者の写真を出してきていても私にはとてもそうは観れなかったのは、彼等のハングリーさが突き詰めれば”金”や”名声”という、時代や社会情勢の前には酷く脆い、逆に言えば即物的っか現世現状利益だけでそこに個々の理想なり信念なりが見えなかったからで。3人が志を持って選んだ道ではないだけに余計にそう見えてしまうと言うか… っか、コメディじゃねぇよね、コレ。
 大学時代の方が人として生き生きしていて、確かにそれは大学というモラトリアムで現実社会を知らない気楽さからのものでもありましょうが… 中国の古典で言えば『水滸伝』で官軍を退けて梁山泊で百八星大宴会ってトコで終わった感じと申しますか… その成果が、結果が華やかな光であればある程に影を感じてしまうのは をはじめとする陳可辛監督作品を観ていればこそ、ってのはヒネ過ぎかなぁ…
 
 あとまぁ思ったんですが、たとえそれが夢物語であったとしても2009年に既に、無理をして一生懸命に社会に認められるエリートへの道となる大学に入ったものの敢えて自ら外れる事になったけれどもそれぞれのやりたい事をやってゆける幸せって『きっと、うまくいく』と比べると、とか、まぁ色々と考える部分の多い作品でございました。多分、中国本土での大ヒットってのは、後に振り返ってそういう時代だと観る意味も価値もある、その「時代」の「気分」も含めて”今”の作品だと思いますがなんでしょう。が、その時代を見る陳可辛監督は本土人ではない以上、「時代」や「気分」の熱気の熱さを感じてはいても酔ってはいないように思えたんですけどね… だってパッケージのアウターケースが
 

 
 なのに、それを外して出て来る本体ケースのジャケは
 

 
 ってのも、全く無関係っか無意味とは思えないんですけどね… ってのも、日本人の僻みってなるのかもね。
 
 
 
 …って事で、以下はこの作品のDVDソフトについての情報なので興味のある人だけ

 
・『中国合伙人 - American Dream in Chaina (2013)』(DVD-9) 

 劇場公開日: 17 May 2013 (China)
 Running time: 112 minutes
 DVD発売日: 05 July 2013
 リージョンコード: ALL
 メーカー: Zhong Ying Yin Xiang Chu Ban She
 
 音声: 北京語 Dolby Digital 2.0, 5.1, DTS
 字幕:中国語(簡体字), 英語
 

  • 映像特典 (4)
    • メイキング (31:49)
    • 未公開シ−ン (1:34)
    • 劇場予告編 (1:15)
    • PV 光陰的故事(3:50)
    • PV 吳莫愁 就現在 - MOMO Live For Now (3:50) 

 

 
画質に関してはまぁ… 問題は無いかな? 多少、僅かに全体的にブルーがかってる印象があるのとデティール部分に弱さを感じなくもないけれどノイズがあるでなし。視聴に派特に問題は無いかと。
 
音声も同様で、スッキリとクリアーで重厚!とは言い難いんだけど、まぁ酷いノイズがあるでなし。視聴には特に問題はないかと。
 
ちゃんと字幕がオンオフ出来るのは、焼き付けが今でも珍しくない大陸版ん中では有難いですな。
 
特典については… メイキング(製作特輯)が興味深かったです。カッチリと監督がやりたい事があってそこに向かって、というよりも、テーマがあって有る程度監督の意思やらはあっても出演者らと議論する事でどんどん変えてゆくスタイルってのは、ともすれば散らりまくるだけになりそうですけどそうはならない線引きをどうつけているのか?ってのの片鱗が見れたような気がします。
 
削除されたシーン(刪減片段)は正直… アメリカに留学に行った恋人が新しい出会いで、ってので、こんな感じでカットってのならコレだけじゃないでしょ? もっと一杯あるでしょ?って思うくらいに本編に不要なもので。トータルとして1時間くらい切ってんじゃぁないのかな、この感じだと…
 
 で、劇中曲でもありタイトル曲でもある


 
 よりも、この記事をここまで読んで下さった皆様には是非、スポンサーとのタイアップ?で収録されていたPV
 

 
 を是非、観て頂きたい。
本編には何の関係も無いのがちょっとどうなの?と思わなくもないんですが… 2013年当時ではまだ吸収したものを洗練しアレンジってトコではないけれど、まだまだ一部にしか過ぎないかもしれないけれども、こういう文化っかファッションを消費する層も今の中国にはちゃんとあるんだな、と私は思いましたが… コレを観て皆さんはどう思い、感じましたか?