『Shakti (2011)』メモ。

DVDジャケ。

 

 
前作『Brindaavanam (2010)』(感想)が非常に良くまとまった映画だっただけにその新作、私が一時期テルグ語映画が嫌いになった『Kantri (2008)』の監督作でもあっても多少の期待はしてのオーダー、だったんですが…
 
 ぶっちゃけ、再生確認としてダンスシーンだけ再生したのを観た時
「これは… 駄目かもしれんね… 」
 と思うくらいにつまらない出来で。単調で薄く最後まで盛り上がらない楽曲もさる事ながらNTR Jrのダンスが前作に比べると何処か体調が良くないような… 動きが小さい上に硬いんですよね… で、それを補う為か早回しをしてるんだけど楽曲の単調さと相まって余計に面白みが無いと言うか…
 
 普通、この時点で本編の観賞をする気は失せるんですが、お盆休み用にとAmazon.comにオーダーした品が発送から二週間になっても届かないんで仕方なく、観れるトコまで観ようかという気持ちで再生したらば夫婦揃って最後まで観てしまいまったんですけど、
「コレを観るくらいなら前作『Brindaavanam (2010)』を観た方が良い!」
 ってのが、正直な感想でしょうか。
 
『インドの秘宝を狙ってエジプトから邪教集団が!』ってストーリーの面白さはいいんですけどペース配分が明らかに間違っていて、「いつの時代の話ってのが解るのが遅いよ!」とか「過去回想のシーンがクライマックスより長いのはどういうコト?」とか「ヒロインをもちっと立てても良かったんじゃね?」とか「後半のギリギリにあのギャグシーンは不要だろう…」とか、本編の足らない部分とか無駄な部分は簡単に挙げられるんですがそれをあまり気にさせなかったのはインド各地の壮大な景色や荘厳な寺院だけでなくドバイの街並みやエジプトといった海外ロケーションも含めた撮影が良いしカラフルなファッション等まず観てるだけで楽しいって画面を次々と盛ってきているからで… それはアクションシーンのバリエーションの多さや台詞だけで済ませる事無くキチンと画面でも見せて説明するってのも込みで。
 しかし、ネックなのがNTR Jrで… あまり演技が出来る人ではないのは承知してはいるんだけど彼の作品を追ってしまうのは本人の愛嬌のある雰囲気とダンスの素晴らしさがあればこそ、なれど本作の場合は前述したようにあまりダンスシーンの出来が良くない上に必要の無いダンスシーンが雑にインしてくるからそこでテンポと観てるテンションが落ちるんですよ。しかも全部で7曲だったかな? あるうち4曲はヒロインが主人公に惚れてメロメロでぽぽぽ〜んな妄想シーンな上に本編では最後まで主人公とヒロインの仲が特に進行っか深潜していかないままに終わるから確実に無駄と言うか意味が無いと言うか… それが4回、楽曲の半分以上の4曲それぞれ4分以上入るんだからダレますって。ちゃんと見せ方とかファッションとかは変えてあるけど、どれも片想いの妄想のままってのはなぁ… とか、悪い意味でトッピング全部乗せなまま、盛り沢山なのはいいけれどもそのせいで本編までゴチャついてしまっては。サービス精神なのかもしれんけれどもやっぱり不必要且つ無駄なダンスシーンで出来がNTR Jrのこれまでと比べると精彩も生彩も欠けるってなっては、ねぇ…
 
 銃撃シーンとか『Surro Surra』とか多分タミル映画の『Endhiran (2010)』を意識っか参考にしたんだろうなぁ… でも、どうせインスパイヤされるんなら『Sivaji (2006)』の方なんじゃぁないのかなぁ… って事で、先日クランクアップし10月公開予定の次回作『Ooservelli』… Surender Reddy監督は『Ashok (2006)』以来だし… に期待、ってトコですかね、ハイ。*1
 

*1:余談、ですが… NTR Jr登場前、Bollywoodの『Wanted (2009)』とサルマンがバーンと出てきたのはちょっと驚きました。あまり他の地域の映画ネタは出ないものだと思っていたんですが、ここらは私がまだまだBollywood以外のインド映画を観てないから、なんでしょうね…