『Paul Triple Play (Blu-ray‚ DVD + Digital Copy)(2011)』メモ。

UK版Blu-rayジャケ。

  • Amazon.co.ukより購入。
  • 日本語字幕、音声は無し。
  • Blu-rayはリージョンフリーなので日本のプレイヤーでも再生可能。DVDもリージョン2だがPAL版なので日本国内向けプレイヤーでの再生は不可っぽ。PCでの観賞は可能。
  • 一枚のディスクに劇場公開版と未公開カットを付け加えたUnrated版を収録。
    • 日本版が仮に出るとして、これまでの流れからいってUnrated版のみの収録になる可能性が高いのでファンならばこのUK版かUS版を買ってもいいのかも?
  • 画質、音質については文句無し。もうちょい頑張れるような気がしなくもありませんが無理矢理な高品質化をしても…ね?


 
 夫婦揃って劇場公開版を観賞。面白く、笑えた作品ではありましたが夫婦揃っての感想は
「面白かったけど、もう一回観るかな?ったら多分、観ない。」
 というもので… 数々のTVや映画のSFネタをよく知らなかった妻は仕方ない気もしなくもないんですがしかしそれ以上によく知らないゾンビ映画ネタも多かった『Shaun of the Dead』は夫婦揃ってのフェイバリットになっているのを思うと、この映画はよく出来ているとは思うものの…
 
 本作は笑いのネタの部分で言えばSFコメディってよりはイギリス人から見たアメリカとアメリカ人ってカルチャーギャップを基にしたものが多い*1んですけど、そうするってぇと『イージーライダー』等アメリカンニューシネマげなロードムービーって骨格に私は思えたんですけどそのワリにアメリカという国や風景や町がさして活きて描かれてもいないし切り取ってもいないと思えてしまったんですよね。キリスト教原理主義者ネタとか南部人の差別感情丸出しの排他気質ネタとかあるけどそれらは結局点であっても線、面と成していないと言うか。また折角のネタにしても伏線となるような畳みかけになるようなのが少なく… 例えばマーマイトをキャンピングカーにストックしてあるのに、とかネタとして色々繋げれそうなんだけどそうはならないで単発ってのが多い、それ自体はいいんですがじゃぁその分本編が太いか?っ〜とそうでもなし。
 
 テンポもいいし編集もいい、だけど画面ってか映像がイギリス人から観たアメリカとアメリカ人になってないのは監督らスタッフがほぼアメリカ人だから、なのかなぁ… 彼らにとっては凡庸たる日常でありありふれた風景で人々でネタなのかもしれないが、逆に日常を描けているとも思えないからPaulがいる事の奇異さ、可笑しさがもひとつ立たない感じと申しますか… まぁPaulも異星人とは言えすっかりヤンキー気質だから仕方無いかなぁ… でも、もし当初の予定のエドガー・ライト監督だったら全く同じ脚本であっても映像だけでなく音楽の使い方とかも違ってくるでしょうから多分印象は違ったんじゃぁないかなぁ? って気にはなりますし、やっぱ一発映画ならではのごっつい画を見せてくれなかったのはちょっとね、っと。チープならチープでいいしタイニーならタイニーでもいいんですけどそうでもなし、まとまってはいるけれども… とな。
 
 悪くはないんですよ。作品としてよく出来てまとまっているとは思うんですけども… でも、私は本作を劇場で観たいとは思えなかった、ってコトで。Unrated版を観ればまた印象も変わってくるのかなぁ…
 

*1:勿論、アメリカ人には理解し難いイギリス人の嗜好や行動って部分もネタにはなってもいますが比率としてはずっと少ない。