『第9地区 (2009)』メモ。

 
 矢張りその設定に興味があったので購入、妻と共に視聴したのですが個人的には最後まで飽きずに観れたもののもひとつノりきれなかった、ってのが正直なトコロで。理由として夫婦で話し合ってみるに

  1. ヴィカスの変態の原因になるのが【燃料】、等の設定部分が納得いかない。
  2. 疑似ドキュメンタリーっかモキュメンタリーっかフェイクドキュメンタリーっかDOCURAMAと言うのか知らんが全編通しではなく映画的な映像と展開があえて混在させている事。
  3. 地球上であるにも関わらず物理的法則に沿ってない部分が散見する事。
  4. 前記と多少重なるがDVDなら気にならなかったであろうVFXのデティールの差等がBlu-rayではよく見えてしまった。

 …の以上4点、要は映像と台詞で語り過ぎた為にかえって物語としてのインパクトよりも世界や情況等のデティールや設定やらのおかしなトコが観えてしまって作品に没入するよりそれらのせいでチョイチョイと現実に戻るっか冷めると言うか。
 
 私個人としては主人公が変態する事での混乱と恐怖と苛立ち、そして八つ当たりを越えてのラストは凄く皮肉的に観えて好ましかったんですが… 解釈は人それぞれでしょうが、元々事故みたいなもんで地球に漂着してしまった連中の言う事を心の支えにして元通りの人間になって妻との生活を、って執着っか執念はあのような状況になってまで尚決してエイリアンとの共感とか共存ではない、彼らもまた自分達とさして変わらない知性や感情のある生き物で通じあえる者とているのを知っていても「今はたまたまこういう事になっているけど自分は地球人であってエビなんかじゃぁない」という強烈なエゴが手にするのが妻に贈る自作の造花ってブラックだねぇ… と、社会制度的には差別っか区別される側である
障害者として思ったんですが、あのシーンは本当に必要か?と言うと微妙ぅなトコではないかと私は思ったんですよね。その解り易さは意図でもある一方で親切さでもあるんでしょうがそれによってブレっかボケてしまった部分も少なくないような気がするんですよね…
 
 試みは面白いと思いましたし、テーマやらの重さのワリには細かいトコに目を瞑ればテンポの良さで最後まで見せてくれる演出と役者さんの良さといい悪くはないとは思うんですが。ま、私的にはもひとつだった、って事で。