『龍が如く 見参!』(Playstation3)雑感。

龍が如く見参! PLAYSTATION 3 The BEST

龍が如く見参! PLAYSTATION 3 The BEST

 
 既に発売から時間もかなり経過しているのでネタバレも含めての雑感。
 
 とりあえず難易度中級で45時間程度でクリアー、達成率は5割。博打と遊女遊びを殆どやらないでひたすらにイベントと依頼とバトルを繰り返しての、ってのもどうかとは思うんですがオッサンが主人公でありながらもゲームとして軽快に爽快感を味わえるというのは楽しかったし私らにとって初PS3のゲームとしては面白かった、とは思うもののストーリー的には正直言ってイマイチ。
 
 時代小説でも歴史小説でもなくあえて伝記小説的に、というのはいいんだけどもそうなると
「何故そういう設定にしたのか?」
 が問われる筈で、その上で
「何がしたかったのか? 何を伝えたかったのか?」
 という点で考えてみるに、どうも個人的にはスッキリしないと言いますか… ぶっちゃけると
吉原御免状 (新潮文庫)

吉原御免状 (新潮文庫)

 を読んでいた私からすると、あえて桐生が武蔵ってのや京都祇園がメインになる必然性も殆ど無いと思えたし、前作がベタベタのコッテコテながら王道的なヤクザ物としてキャラクターもストーリーも立っていたのと比べるとまずストーリーの芯も軸も細い上にキャラ立てが弱いのでエンディングを迎えて印象や記憶に残るものが殆ど無いと言うか。あえて歴史上の人物の史実や逸話や没年やらを思いっ切り無視してんだから、それこそ前作のように大阪城がブチ割れて大広間で人喰い虎二匹とステゴロみたいな無茶とかあっても良かったと思うんですけどね… なまじ歴史を知っているとゲームに登場する人物らと史実との違いは解るワケで、それが嫌とか駄目ってんじゃぁなくて
「だったら、どうしてこのゲームではそういう人物設定にしたの?」
 って部分で私的に納得いくものが無かったんですよね。と言って、例えば武蔵の創作物… 例えば吉川英二でも司馬遼太郎でも何でもいいんだけど
「遅いぞ武蔵!」
 等のような【お約束】をあえてやらなかったのはいいんだけど、じゃぁその代わりになるような台詞なり場面なりが出来ていなけりゃ足りないじゃぁないですか。これが全く架空の桐生一馬之介のお話ならいいんだけども… 小説じゃないけど みたいに「剣豪・宮本武蔵と勘違いされた全くの別人の男」とかもアリだったんじゃぁないのかなぁ… とか、わざわざ歴史上の人物と同じ名前やエピソードを使っているのに意外性が薄いんですよな。最たる例が天海で声が内海賢二氏だったもんだからてっきり最後は『北斗の拳』のラオウばりに
尾張の大うつけ、草履取りの禿げ鼠、そして次郎三郎… 全てを見、操り、葬ってきたワシからすれば御主なぞただの小童よ。この天海… 否、明智十兵衛光秀、戦国を生き抜いてきた鬼の剣にて散るが良いッわ!」
 ってなっていたらば私は燃えたんですけどね… 
 
 
 …とか、まぁ文句っか不満はあるのはストーリーくらいですかね。
博打や亀の育成等のサブゲーム、サブイベント、依頼、手配書等々、アイテムのコンプートとかメイン以外のボリュームの多さ考えたら気が遠くなるくらいで。HDDインストールも出来て快適ですしでベスト版の本作、未プレイの人にはストーリーには難あれど和ゲーらしい細かな配慮が行き届いた娯楽ゲーだと思いましたよ、っと。