【映画】と私。

 
 長年居間にあったブラウン管TV(SANYO C-29AX100)が最近不調になってきたのと加入していたケーブルTV局が9月末でアナログ放送の廃止をする事になったので思い切って夫婦で東芝REGZA Z1の42型とパナソニックのシアターラック(HTR40-K)を近所の上新電機で購入、折角フルHD環境になったし妻が『龍が如く』好きな上に当初の予算よりもかなり浮いたんでPlaystation3(CECH-2100A)も購入してしまってなんかこぅ一気に未来になっちゃった感じでいまだに画面のデカさと綺麗さに慣れないで感心感動しまくりな日々を送っておりますが
「折角PS3を購入したんだし、これはBlu-rayのソフトを購入するべきかね… 」
 とアマゾン等を眺めているんですが、これが自分でも意外な程に興味が沸かない。
 
 Amazon.comで日本未発売っぽい『Napoleon Dynamite』のBD版にはどうやら日本語字幕もあるっぽいとか『South Park - Bigger‚ Longer & Uncut』のBD版のように音声解説等のBD版特典があるのも興味をそそられなくもないものの、DVDプレイヤーのアップコンバート機能とTVの映像処理の御蔭で既に持っているDVD版で十分満足しちゃってるし、そもそもこの映画をBD版の緻密な映像で観たいとはあんまり思えないんですよね。多分、観れば観たで綺麗だと思うだろうし感動もするだろうけれども、果たして1080pでなきゃぁならんか?ったらそうは思えないと言うか。デジタルのデータから起こされた作品が特に液晶と相性がいいのは解るけれども要・不要という点での話になったらば… 映像の緻密さこそが必要って作品なんてそうそうあるとも思えれない。ましてオリジナルが4:3なのに16:9にする為に上下カットしたようなのは好みじゃぁないし… とか、つらつらBDタイトルを眺めていると
「自分は本当は映画が好きじゃないのか?」
 などと思ったりもしてきてそれはそれでなんか悲しいのでつらつらと考えてみるに、
「多分自分の育ってきた環境に因るのも結構あるんじゃなかろか?」
 って。
 
 田舎で映画好きってのは結構な試練と言うか難点がありましてなぁ…
 
 今時はシネコンで全国公開と同日同時に観られる、ってのが当たり前になってますが昔はそうじゃぁなかった。まず、余程の事が無い限り地方っか田舎では最新の映画なんてのは観られなかった。下手すりゃぁ都会での上映が終わってプリントが回ってくるまでのラグなんか結構あったし、当然そういうプリントは傷ついてたり劣化してたりしててね。おまけに映画館が適当だと映写時のピントのズレってのが珍しくないもんだから綺麗な状態でなんか観た記憶が無いのね。酷いのになるとTVやVHSソフトで観て
「あぁ、本来はこういう色合いだったんだ」
 と解る事すらあったもんでね…
 
 所謂レンタルビデオ店が出来るまではそんな映画館かTVでしか映画は観られなかった。
勿論、悪い事ばかりではなく地方ならではの二本立てや三本立てって上映形態の御蔭で観る事が出来たって作品も少なくはないしそれはそれで私の血肉にはなっているけれども、所謂映像や音響の品質とは別の話でそれこそさぁ、『サスペリア』でのサーカムサウンド(音響立体移動装置)方式とか字でしか知らねぇし『13日の金曜日 Part3』は地元では3Dじゃなかったしな大体最近だって『アバター』とか3D映画が大垣でも観られるってのは確かに昔の事を思ったら凄いんだけどI-MAXとかTHXとか何ソレってのは相変わらずだし多分私が生きている間はまずこの環境は変らないよこん畜生ぅ、とか書き出すとキリないんですけどまぁそういう風なもんですから
 
「観られる」>>>(いくら望んでも超えられない壁)>>>「品質」
 
 ってのが当たり前、デフォだったりする期間がそれこそホンの10年チョイ前くらいまであったもんですからそれが身に染み込み過ぎててなんかこぅ、今更そうそう変わるもんでもないし欲しもしないんじゃぁないのかなぁ… っと。まず、何よりも自分が観たいと思う作品が観られる事、それがやっぱり大事。都会程に選択の余地が無いんだから。
 
 
 勿論、悪い品質に対しては「我慢」「割り切り」があってのデフォ、であってそりゃぁ観られるんなら綺麗な、製作者らが意図した通りの品質で観られるのならそれで観たいんですが家にスクリーンを構えるのは無理だし。明らかに酷いソフトは嫌だけども、しかしフィルムからデータ化するのには物凄い手間暇と技術が必要な上にフィルムサイズやオリジナル(ソース)の状態以上にはなりようも無いですしのぅ… とか思うとやはりBDというのは私ん中ではそない物欲を刺激されないなぁ… と。
 
 あ、でもインド映画の娯楽作品は別ね。
あれは基本的に大画面のスクリーンで観る事を前提にしているから大きな画面サイズに見合うだけのデティールが必要ですからね〜