ここのところ読んだ本とかマンガとかDVDとか。

 
 ダラダラっと。
 

 絵の密度が凄い。単純な回顧でもないし漫画家残酷物語というのでもない、ってバランスとテイストは吾妻ひでおにしか描けないであろう素晴らしい作品。明確な登場人物で人間が自分だけってのは他の表現ではまず無理だし、その意味というか意匠は素晴らしいなぁ…
 
オトメン(乙男) 第7巻 (花とゆめCOMICS)

オトメン(乙男) 第7巻 (花とゆめCOMICS)

 流石にちょっと飽きてきた、と思ったんだけどもそれは作者も同様のよう? とりあえず次巻待ちってトコでしょうか。
 
聖☆おにいさん(3) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(3) (モーニング KC)

 作者の『中村公房』や『荒川アンダーブリッジ』もそうなんですが、登場人物が増えるとコントロール出来ないというかする気が無いのか、割合と散漫になりがちになるので正直言えばこれまでの巻に比べて… だけど、連載の方ではスッカリ脱した感じになりつつあるのでこれはこれでアリかと。あぁしかし、モーニングツーのカラー表紙とかも収録してくれないかなぁ…
 
怪異いかさま博覧亭 第3巻 (IDコミックス REXコミックス)

怪異いかさま博覧亭 第3巻 (IDコミックス REXコミックス)

『マンガ一巻読破』様の記事*1で買ってみた一巻は荒いながらも面白かったんだけども続いての二巻がどうも散漫でネーム過多な感じがしてイマイチだったのでこの巻はマーケットプレイスで購入、これで駄目なら切るつもりだったんですがこれがあぁた、前巻までのゴチャついた構成がスッキリと読み易く整理されてお話の方も絞込みの仕方が上手くなってて面白さがグッと増していて。正直、ここまで楽しい作品になるとは思っていなかった分、ぶっちゃけ中古で買った事を後悔。次巻はちゃんと新刊を定価購入します…
 
かぶく者(1) (モーニング KC)

かぶく者(1) (モーニング KC)

 前々から雑誌でチラチラとは見ていたんだけども… って事で3巻までまとめて購入したんですが… 個人的には「切り」。要するに『ドラゴンボール』的な展開もさる事ながら装飾と省略で成立している歌舞伎の「舞台」を漫画で描く事の無理が個人的にはもひとつ。本筋よりも挟まれるエピソードっか心情描写は嫌いじゃぁないんですが『昴』と比べると物語そのものと構造がなぁ… ってのは好みの問題としても、性格設定の変更やら個人的にはあきませなんだ。いっそ絵がたなか亜希夫でなければ良かったような気もするんですけども…
  よく出来てはいるけれども、娯楽映画としてのってのかテンポがとてもいいだけにその分一つ一つのエピソードでの抉り込みが欲しかった… ってのは贅沢か。でも、折角のトム・クルーズ扮する極悪プロデューサーとか登場人物のキャラはいちいちいいんだけどもテンポから食み出ないからスルっと流れてしまった印象がありましてなぁ… そう考えると、私と妻が大好きな『ズーラーンダー』って結構イビツな、無駄が多い映画とも言えますが好きなのはやっぱ『ズーランダー』の方になりますな… まぁ特典は豪華ですしラブコメ地獄げな日本のコメディ市場の現状が嫌な人には向いているかとは思いますが。
 
モヤモヤさまぁ~ず2 VOL.1 伝説のお正月SP”北特集編” [DVD]

モヤモヤさまぁ~ず2 VOL.1 伝説のお正月SP”北特集編” [DVD]

モヤモヤさまぁ~ず2 VOL.6 ゴールデン常磐線SP&シンガポール[DVD]

モヤモヤさまぁ~ず2 VOL.6 ゴールデン常磐線SP&シンガポール[DVD]

 東海地方ではこれまで何週間、何ヶ月か遅れでしかも飛び飛びの放送で観られなかった回を、って事で購入しましたがいやぁやっぱりこの番組、私は大好きですわ… 正直言いましてさまぁ〜ず単体では駄目でしょうし大江アナだけでも駄目だろうと思うのですよ。いい加減に見えてキッチリしていて、カッチリしてなくてルーズなんだけどダルじゃない、不思議な味わいをみっしりと堪能出来ましたが… 出来ればエピソードはカットっかナレーション処理は大人の事情もあるんでしょうけれどもなるべくしてもらいたいくないなぁ… っと。次にまたSPのが出たら買いますよぉぉぉい。
 
落語こてんパン

落語こてんパン

権太楼の大落語論

権太楼の大落語論

 前者はポプラビーチでの連載を読んでいたので新味は無いがまとめて読むとやっぱり面白い。ただ帯の写真で損をする気が… 実際には多分にシャイな喬太郎師の地に近いであろう文章のトーンと内容で読んでいて嫌な気分にはさせませんよ。
 後者も表紙が… トンパチっか結構飛ばしている発言が多くて刺激的ではありますがしかし「プロの噺家柳家権太楼」としての発言、って考えれば文字通り受け取るのはやはり早計でしょうて。普段の寄席でのキャラ、イメージで手にすると驚く人も多いんではないかとは思いますがそれも狙いのような気がしますねぇ…
 
おちけん (アクションコミックス)

おちけん (アクションコミックス)

 今年買ったコミックスの中で現時点でベスト。
落語、大学の落研を舞台にした作品なんですが、落語を知っている人には小ネタとかより楽しめるかとは思うんですがむしろ落語を知らない人にこそ是非とも読んでもらいたい。映画版『しゃべれどもしゃべれども』とか観るくらいならばこの一冊を読む方がいいと思うんですけどね… 落語の噺をマンガで、ってのをするんですけどもただ単純に絵草子にしてなくて複線にもなっていたり演者の描写力になったりとする構成と演出の上手さ、4コママンガという形態だからこそ出来た間とマンガならではの表現の妙、落語でも繋がった人と人との時間ってのが決して押し付けがましくなくむリから泣かせたり笑かしにかからない匙加減といい私はコレ、好きですわ… 確かにまぁ古典芸能としての伝承って部分は無いのが残念ではありますがそれこそ贅沢、黙って買え!とは申しませんがもし書店で見かけたのならばちょっと手にとってみて欲しいなぁ… っと。
  落語界の記録、としては悪くはないものの噺の出来、DVDの構成で難アリではないかと。
特にDVDの構成、それぞれのチャプター開始時に演目名とか出るんですけども、一体当日の観客のどのくらいの人があの日、師匠が二席は無理だと知っていたんでしょうか。ドキュメンタリーと言うのであれば最初の記者会見のは特典ディスクにでも全部収録して、幕が開くまでの間とかまでキチンとそのまま収録すべきではなかったんでしょうか。また特典ディスクに収録されている対談とかはそれこそ音声解説(コメンタリー)にでもしておけばいいんであって、徒に手を加えているせいでドキュメントとしての緊張感も薄いし臨場感という点でも物足りない気がするんですけども。ファンアイテムとして、ならばまた話は違うんでしょうがこれも話題の人だからと予備知識無しで手にしたら結構辛いブツなんじゃぁないんでしょうかねコレ?
 私としてはこの会での談春師の「芝浜」も好きなんですけどね… でも、それは古典落語の、ってんじゃぁなくて迷ったり悩んだりするのを気持ちで通そうとする談春師の姿勢への話で、ってのは落語としての評価ではないですもんねぇ… って事でオススメはしませんね。
 

*1:いつも参考にさせて頂いております。なかなかに現在の出版情勢だと一個人で全く知らない作家の作品には手を出せないんですよ…