デアゴスティーニ『隔週刊 落語百選 DVDコレクション』に思う事。望む事。

 
 話自体はネットで既に色々出てはいたがさて、全国発売はなされるのか?っと思っていたこの企画、無事にスタートしたので定期購読をする事にしたんですが… 以下は【HP】を見て思った事や望む事をつらつらとダラダラと書いておくだけの雑記、なのでお閑な方だけ
 
 

  • 何よりも全編落語会形式での撮りおろしで1500円
  • 初心者向け、入門編としてあくまでも現役に絞った人選事自体はいいと思う。
  • 一応、AllAboutの記事によると「古今東西の名作落語100選を揃え、全国各地の書店で発売されることを踏まえると、当然、上方落語は欠かせません。それに、あまり偏りがなく幅広い噺家さんに登場していただきたいと考えています。」だそうだが…
    • 是非にとも落語協会だけでなく、落語芸術協会立川流円楽党、そして何よりも上方落語協会も入れて貰えないだろうか… っか、入れてくれぃ。
    • でも、このテのを買う層ってのを考えると故人の噺家も含めて江戸オンリーになりそうで、それはそれで悪くはないけれども勿体無いなぁ… っと思うんですけどね…
    • 特に上方、繁昌亭も出来て、花@花寄席もやるようになって、ってのだけでなく、江戸に移植された噺だって結構な数があるじゃぁないですか。だからこそ上方は外して欲しくないんだけども… まぁ上方噺版と江戸噺版、ってのにしてもいいんですけどね。
  • 落語協会だけで、となると… これから観たい!ってのなら、あくまでも私の好みとして柳家さん八柳家権太楼、柳亭市馬柳家三三隅田川馬石師匠あたりだと嬉しいなぁ…
    • それと格付けがあるからかもしれないけれども、やはり柳家喬太郎古今亭菊之丞両師の大ネタが聴きたいです… あとウッカリ春風亭一之輔さんを入れてもらえたらば(笑)。
    • 上方なら桂福團次、林家染二、笑福亭たま師を入れてもらえれば、っか入れて…
  • 12月には『味噌蔵』『芝浜』とか、新年なら『初天神』とか、出る号に合わせた季節感のある演目を並べてくれると嬉しいですよね。
  • DVD出演者に柵があるのならば、せめて本の文章には凝ってもらえると非常に嬉しいですな…
    • 特に歌舞伎、清元など、古典落語には日本の様々な伝統芸能が絡み合っているんですから、なるべくならば落語側からの視点でも構わないのでページは1Pだけでも構わないから深いトコが欲しいですよ。っか入れて。落語好きの有名人のコーナーとかもあってもいいから深いトコ、1Pだけでもいいから。
    • 「落語が題材になった歌舞伎」とか「歌舞伎が題材になっている落語」とか、ってだけでもいいと思うんですけどね…

 
 …っと、まぁそれぞれの御贔屓やら好みやらによって色々とあるとは思うんですけども、入門編用であってもある程度の底というが出来は個人的に欲しいんですよ、私は。と言うのもね、

演劇界 2008年 10月号 [雑誌]

演劇界 2008年 10月号 [雑誌]

 で「歌舞伎と落語」という特集があったので購入したんですけども、確かに歌舞伎しか知らない人には悪くは無い記事なんでしょうが私程度の落語好きでも例えば例えば忠臣蔵を題材にした『四段目』『七段目』、他にも『質屋芝居』『蛸芝居』などお囃子等の鳴り物を使う上方落語発祥の芝居噺の多さとか、『辻占茶屋』のように噺の中に歌舞伎の題材なり音楽が使われるってのの多さも矢張り上方の方が多かったりもしますしね… 米朝師匠のように『本能寺』という、もぅ演じられなくなった芝居を題材にしたという落語を復活させたり、とか、こと歌舞伎と落語という関係では上方の方が【(あくまでも)現在の状況では】積極的と言うか、高座にかかる頻度と言うか噺の数としても多いのに全く触れられていなかったり、江戸でも『鈴ヶ森』に白井権八の名前が出てくるとか、確かにキリが無いとは言っても折角『蛙茶番』や『紙屑屋』等が出るならなぁ… とか取り上げてたり触れてる噺、根多の偏りが気になったり。一番残念だったのは対談で、福助の相手が喬太郎師で… 確かに両者はこれ以前にも対談とか交流はあるし、喬太郎さんは現在売れっ子の一人で私らも好きな噺家さんではあるんですが、個人的に喬太郎師は落語の噺の世界が好きな人であって古典芸能としての落語や歌舞伎が好きという訳ではないように思えるんで… むしろ古今亭菊之丞師のように元々寄席や歌舞伎や清元やらが好きが高じて落語家になった今も趣味が芝居見物と日本舞踊(坂東流)、ってな人… とかはまぁ別格としても、歌舞伎好きの噺家さんも少なくない筈なんだけどなぁ… だから福助氏とあんまり噛み合っていないしなぁ… とか、もぅちょっと落語について知っている人がついていたらもっと面白い記事になったのになぁ… っと思うのはちょっと欲張りだとは思うんですけども(苦笑)、日頃自分が落語側、基本的に上方側から観てるだけに、歌舞伎が江戸中心だから仕方ないにしても専門誌がやる切り口として悪くないだけに勿体無く思ったんですよね、私は。
 
 入門者向けだから、本とDVDというセットなればこそ、DVDでの出演者の人選だけでなく本の方にも出来を望みたいんですよね… だってトータルで8万近くっすよ? 50冊の本とDVDっすよ? あえて現役世代で所謂レジェンド世代っ物故者ではないようにしたのならば、って思うんですけど、ってのは贅沢ですかね?