『メグミックス』倉島圭

メグミックス 1 (少年チャンピオン・コミックス)

メグミックス 2 (少年チャンピオン・コミックス)

　単に『メグミックス 1 (ヤングチャンピオンコミックス)』に未収録を少しつけただけの新装版程度だろうと思ってはいたんですが毎回独立した読み切りのギャグマンガってだけでも大変なのにパターンが創作の助けと言うよりもフォーマット故に余計に大変なのが解るだけにお布施のつもりで購入したんだけどいやぁ面白いですぞコレ。
　まず『24のひとみ 1 (少年チャンピオン・コミックス)』収録分は再録されておらず、旧版『メグミックス 1 (ヤングチャンピオンコミックス)』はこの1、2巻全体のボリュームで言えば3分の1程度*1、なんですが、構成を変更してあって通常の3P4コマ形式のと2P物や4P物とを混在させる事でいいアクセントになってるんですよね。
　確かに前回も書きましたが、こうやってコミックスとしてまとまるとネタの出来・不出来が見えてしまう反面、この作者の場合通常の４コマと違ってネームと絵が揃っての奇妙な味…　心象風景なのか状況描写なのか判然としないコマや背景が多いんよ…　があるもんだから、あまりエピソード単体での評価ってのは個人的にはしたかないですな。っか、メインの3P4コマを作者は「1、2コマで常識的なフリ、3から5コマでボケ、6でフリして7〜8コマでボケ」ってパターンをやる事を崩さないだけに印象的なたった一回だけのネタとか凄く考えてやってると思うんですよ。普通はギャグマンガってギャグとページ数に困るんでしょうが明らかにそれだけでなくあえて面倒な事をわざとやっていて、それをひたすらに続けてる事ってやっぱ凄いですよ。しかも3Pでしょ？普通のストーリー物なら半年も連載すりゃぁコミックス2巻くらい出てるだろうに、最悪5年やって1巻出すのがやっとですよ！？手間暇も大ゴマで誤魔化したり変な回想シーンで水増ししたりとっととストーリー進めれなくて変な対戦相手と特に意義も意味も無い試合をタラダラタラタラタラ続けてる間にこれまでやってきた事とか全部無意味になって卑怯な筈の対戦相手よりも同門の人間にスパイさせた挙句に試合途中なのにセコンドに情報伝えたり主人公らがただのボンクラになっちゃってて流石にもぅ付き合いきれないから切ったよボケナス、とかロクでもない事をアシスタントさんの数と技術さえ揃っていれば何とかなるようなマンガと違って本当に作者のセンスと才能あっての物だけに原稿料はページ数じゃなくてストーリー物の作家さんの1週分より多くしなきゃやってらんないでしょうな…　ってのは兎も角として、流石にひたすらボケてボケてボケまくる様はつらっっと気軽には読めないっか疲れます（笑）。２ページ物になるとコマが拡大し配置される妙も加わって上手いこといった回なんかもぅたまりませんな…　って事で、既に旧版を持っている人も迷わず買い！　そうでない人もひたすらに漫才の如く、それも圧倒的にシモネタでのボケの続くこの作品はオススメしますよ〜　そりゃまぁ合う、合わないってのはあるとは思いますが、私なんぞとの関わりのある人には通じるっかウケる物だと思うんですけどね…
　

*1:旧版は120P程度に対して2巻合わせて約380P。