NHK日本の話芸『御神酒徳利・入船亭扇橋』

 
 時間の都合があるから、なんでしょうが細々とした端折りが多くて特に善六と奥さんとの会話部分が減らされていた分、やや落ちが弱くなってしまったような… ダイジェスト的なものでちょっと残念、ってのもあるんですが、九代目が相当なお歳なのは承知してはいても正直言って空気や雰囲気が伝わり難いTVという媒体ではちょっと辛い、向きや人物のトーンもほぼ一定なんで余計にダイジェスト的に見えてしまうと言うか。
 
 まぁカメラや音響、そして尺の注文をつけるNHKが悪いんですけども、しかし…
 
 落語に興味を持って、いざ寄席だ独演会だってのはちょっと敷居が高いしまずはTVで、名人・名跡と言われる人のものをと全くの初心者が観たらこれは相当に辛いんじゃぁないかと。寄席ならば出演する芸人さんの多彩さでカバー出来るんでしょうが、こうして長めの噺の一席だけって形では… っと思うんですが。
 
 私的には弟子の入船亭扇遊師の所作の色々な部分で扇橋師匠の影響が見てとれたり、言葉遣い等なるほど若手では出せない味ってのもあって楽しめる部分もあったんですけども… 資料、記録としての価値は解るんですが、所謂名人部門だけでなくもちっとこれからの落語家… Michael Aptedの『UP』シリーズじゃぁありませんが40代、50代の落語家さん達を起用しての落語番組ってのもあってもいいんじゃぁないんでしょうかね…