『Jis Desh Mein Ganga Rehta Hai (2000)』

DVDジャケ。

 
 腕っ節も正義感も強いが陽気なGanga(Govinda)は村一番の人気者。厳格なお父さん(Shivaji Satham)と優しいお母さんLaxmi(Himani Shivpuri)との家族三人で仲良く暮らしていたがそんなある日、幼馴染のSaawni(Sonali Bendre)から求婚されかねてからSawwniが好きだったGangaとしては大喜び!、なのだがいざ彼女のお父さんに結婚の許しを得ようとしても照れてしまってどうにもならず。その夜、見かねたSaawniと母が父に昼間Gangaが来た本当の目的を教えるとお父さんは大喜び、これはいい事だと自らGangaの両親の元に行って縁談を切り出すがGangaのお父さんに断られてしまう。実はGangaは遠い遠い街の大会社の御曹司なのだが体が弱く医者も匙を投げてる程だったのだが占術師の見立ててこの村での生活をを薦められ、Gangaの両親は藁にもすがる思いでAvinashとRadhaの夫婦に預け育てられていたのだ。子供のいなかった夫妻はお金や私欲ではなく本当の自分の子供として育ててきた御蔭でGangaは立派な若者になったが、自分達の子供ではないから結婚を決める事は出来ないのだ、と告げる。
 そして遂に本当のお父さんAvinash(Shakti Kapoor)が迎えに来た。しかし実の父に何の思い出も記憶も無いGangaは育ての親からは離れたがらないのでLaxmiは
「お金が目当てだったんだよ。実の息子でもないのに心から愛して育てるワケがないじゃない」
 と嘘をつく。その嘘に傷ついたGangaは父の車に乗る。そんなGangaを心配して車の前に立ちはだかった唖の親友Sannata(Kishore Nandlaskar)と共に街へと向かう事になるのだが…

 
 …という粗筋を書くだけで既に大半の人にはオチが読めるかと思いますが、実際ベタっちゃぁベタにやられて白けなかったのはやはりインドの田舎の風景を綺麗に撮っていたのと、村での生活がなんやかんやと言いつつ楽しそうに見せていて題名通り「Gangaはここに生きてゆく」ってのを映像で見せたのが大きいんではないかと。
 家族コメディかのようにスタートしての都会でのカルチャーギャップによるドタバタとトラブルから裁判所でのクライマックス、そしてインド映画ならではのミュージカルシーンと実に盛り沢山で、盛り沢山故にどのエピソードも要素ももぅ一つ踏み込みが足りなくて。ミュージカルシーンも私がこれまで観てきたインド映画に比べてかなり短め(本作は大体3分程度。普通は5分はあると思っていたが…)なのに加えて入り方と終わり方がやや唐突なのが残念でございましたが… ただこのDVDっか映画、IMDbでは141min、その他のサイトでは165minだ175minだのとあったんですが購入したDVDを計測してみると153minって事なんでひょっとするとカット版なのかもしれませんので場面転換の唐突さやエピソードの物足りなさはそれもあるのやもしれません。ただその分テンポ良く且つ主演のGovindaのクドいけれどカラリとした雰囲気でサラッと見れる娯楽映画でございました。
 個人的には『Devdas (2002)』での嫌なお金持ちKalibabu役を演じたMilind Gunajiがちょっと情けないGangaの兄役をやってたのやが妙にツボでしたわ。
 
 でも、人にオススメするか? ってなるとしませんけどね。
Govindaの面白さってあのマシンガントークにあるんですけど、英訳された台詞ではいまいちニュアンスや言葉遊びの雰囲気はおぼろげには解るものの伝わるものでもありませんし、映像が綺麗ではあっても『ラガーン (2001)』の呆れるくらいにデカいオープンセットロケは例外としてももっと凝っていたり自然等を綺麗に撮った作品はいくらでもありますし、ミュージカルシーンにしても本作より優れた作品はいくらでもありますしね… ただ何て言うんですかね、娯楽として笑ってホロリとさせてスッキリと終わって後に楽しかった気分を残してくれるこういう作品も私は好きなんですけどね… 『Dhoom2 (2006)』とか最近の海外マーケット重視で尺の長さ以外はインド映画らしさの薄い映画と比べると、こういう間口の広めの娯楽作品ってね。
 
 
 
 …って事で、以下はこのDVDについての情報なんで興味のある人だけ

 
・『Jis Desh Mein Ganga Rehta Hai (2000)』 - Region 1 ?
 
 Studio: BEI
 Theatrical Release Date: 13 October 2000
 DVD Release Date: 2000?
 Run Time: 153 minutes
 
 Aspect Ratio: 2.55:1, 16X9 enhanced anamorphic widescreen
 Available Subtitles: English,
 Available Audio Tracks: Hindi Dolby Digital 5.1
 
 DVD Features:
 ・Song Menu (8)
 ・Song Promotion
  ・Song Promos (3:16)
  ・Theatrical Trailor (3:20)
 ・Now Available (110)

 

 
 画質は元のフィルムによるノイズや色合いのバラつきなどがありますが全体的には発色は綺麗ですしシャープだと思います。元が2000年の映画なんで流石に最近の映画、特にデジタル撮影の作品と比べれば辛いんですけど、まぁこれなら上等な方に入るんじゃぁないんでしょうか?
 音質は特に問題無し。
 
 で、DVD特典ですが…
「Song Menu」はインド映画のDVDではお馴染みの曲シーンへのチャプターのみ、ってヤツです。ただ最近のソフトにある「All Play」は無いのはちょっと残念ですかな。
「Song Promotion」は1分程度の曲を中心にしたCMを連続再生する「Song Promos」と劇場版予告編の「Theatrical Trailor」の2つ。本編に比べて予告編の画質、音質がやや落ちるのはどこの国のDVDでも珍しかないんでこんなもんでしょうな。
「Now Available」はBollywood Entertainment社のにはお馴染みの既に同社が発売しているDVD紹介。文字のみとは言え110タイトルも収録してあるのは豪勢ですよな。
 
 先にも書きましたがインド映画として特出した作品だとは思いませんが、安心して観られるコメディ映画としては悪くないと思います。ソフトとしては良い方だと思いますので興味のある方で、このBollywood Entertainment社版ならば… って事で。