『笑味期限はいつ切れる?―高田文夫の笑芸ノート』

 

笑味期限はいつ切れる?―高田文夫の笑芸ノート

笑味期限はいつ切れる?―高田文夫の笑芸ノート

 昔、高田文夫談春って組み合わせがあったような… っとうろ覚えだったんだけどとりあえず購入して読了。芸能の、それも「笑芸(関西だと「お笑い」)」の時事読み物かと思っていたんだけど、ちょっとそこからはズレていて、昔のプロレスラーの自伝本… ミスター高橋で言うなら流血の魔術最強の演技―すべてのプロレスはショーである』じゃなくて『ミスター高橋の プロレスラー陽気な裸のギャングたち』みたいな感じ、って一体何人に伝わるのか知らんが、まぁ要するに「プロレスラーだから焼肉40人前」とか「スラム街でネズミを食ってた」って程の荒唐無稽ではないものの、素や実の部分で芸人として商売に差し支えがあるかもしれない部分は慎重に外して楽しく肩の凝らない読み物にした、って感じなもんでその下っか元を想像するのは楽しいものの… っと、野暮を承知で書きますと

  • 高田文夫氏・本人が素で面白がっているもの。
  • 高田文夫氏・本人が時代、情況と併せて面白がっているもの。
  • 高田文夫」というタレントとして面白がっているもの。
    • 今後、将来の自身の為の戦略として面白がっているもの。
    • 義理、借り、貸し、筋で面白がっているもの。

 ってなりますよね? だからここで取り上げられていない笑芸関係についても

  • 単純に面白くなかった。
  • 面白く思う部分もあるが「高田文夫」として面白いとは言えないもの。
  • 義理、筋、で面白いとは言えないもの。
  • 既に面白いと言う必要の無いもの。

 ってのになって、それを対象読者層である元の雑誌のオジサン世代に、って事になると面白がる差や好き嫌いって部分が見えきて、その差や違いによる展開処理がオーソドックスっかパターンが見えてしまうと結構退屈になってしまって。ま、取り上げる素材が変わっても調理と味付けが似ていると飽きてくると言いますか… それは対象読者層の知的レベルの問題もあるんで高田氏当人の責任だけでもないんですけども、ね。
 その点では荒いんだけども

 等の方がフォーマットが出来上がって無い分、楽しめたような気も。個人的には が一番好きだったりしますが…
 
 これだけ色々観ている人で、こういう情報をネットではなく本で出してくれる御蔭で後の時代でも読めるってのはいい事だとは思うが、でもちょっとパターン、フォーマットが私には鼻につきましたねぃ… まぁ氏の本業は放送作家で、世にある様々な笑芸と芸人さんの紹介って点に(好みはあれど)徹してやってるこれらの本は必要だと思いますし、まだまだ頑張ってもらいたいです、ハイ。
 
 って事で今は
米朝ばなし (講談社文庫)

米朝ばなし (講談社文庫)

 をノンビリ読んでおります。最後の司馬遼太郎の解説以外はいい本ですね、コレ。