夢想。

 
 タランティーノ&ロドリゲスの『Grindhouse (2007)』、

 期待をしていたのだがサッパリな興行成績に「?」となって調べてみると90分の二本立+フェイクの予告編4つで192分ってあぁた… こんなんDVDでの視聴をしましょうね〜 って言ってるようなもんじゃぁないか。大体このテのsexploitation映画って70分くらいが丁度じゃないですか。それをタラちゃんの『Death Proof』だけでRuntime:127 min、編集カット版ですら90 minって…
 
 ずっとテンションも密度も高いまんまで3時間ってのが嫌でピーター・ジャクソン監督作品はDVDで観るようにしてる私からすると狂気の沙汰だよコレ… まぁこの場合は「侠気」なのかもしれんけれども、それならいっそ最近の懐古ブームでポツポツ出ている予告編集のように、知り合いの監督らでヴァーッと90分延々予告編って形式のショートムービー集を作るとかした方がまだ面白かったんじゃぁないんだろうか? って夢想をしてしまって。
 
 例えば『Cabin Fever』『Hostel』のイーライ・ロス監督が担当したfake trailer segmentの『Thanksgiving』

 これはこれで面白いじゃぁないですか。これでいいじゃん。こういう企画ならノる監督だって一杯いるだろうし、実際他のfake trailer segmentでもロブ・ゾンビ監督の『Werewolf Women of the S.S.』

 なんて元WWEのテストことAndrew Martinが、ってのは兎も角として、ウド・キアニコラス・ケイジにシビル・ダニングってどんだけ豪華なんだと。
 エドガー・ライト監督のfake trailer segment『Don't』

 はSimon Peggが、ってまんま『Shaun of the dead』か『Hot Fuzz』かってのも楽しみなんですが、それにつられたのかロドリゲス監督まで本編の『Planet Terror』だけでなくfake trailer segment『Machete』

 まで作ってるんですしねぇ…
 
 ちゃんとしたショートフィルム一本撮るのに比べりゃ予算も手間もまだ楽そうだしお祭り企画としてもそのまま映画会社への売り込み用にもなるやもしれないし、アメリカのケーブル局かなんかででもいいからやってくれないかなぁ… トビー・フーパーとかモロにドライブインシアター出身の監督とか、スピルバーグサム・ライミティム・バートンデビット・リンチのようにこのテのジャンルが好きであろう監督も少なくないだろうし、何よりアレクサンドル・アジャ等70年代生まれの若手監督にもいい機会になるであろう事を思うとまるっきり有り得ない企画でも無いと思うんですけどねぇ… 皆が皆、そうそう大作をやりたいと思ってるワケでも無いだろうけど近年更にリスク、ハードルが高くなってきているように思えるハリウッド映画業界の事を思えばCG等お金もあまりかからないワリに【Grindhouseでの予告編】って枠内でいかに他の人とは違う物を作るか?ってアイディア勝負って面白い物になるんじゃぁないのかなぁ… っと私は思うんですけども、ねぇ…
 
 まぁ夢想は無責任だからこそ楽しい。実際に出来てしまうと意外とツマラナかったり駄目だったりする事もあるんで夢想は夢想のままの方がいいのやもしれませんが… 何て言えばいいのか自分でも悩むんですけども… 特に若者と今や大家とされてしまってる人達も、創造する事ってやっぱ楽しいんじゃぁないんでしょうか? だけど若者は実績が無いが故に、大家はその実績故に拘束される部分を突破するような、小さくて責任も軽い自分の楽しみを優先したネタ作りもたまにはやってみて欲しいって気がするんですけど、ね…