『しゃべれどもしゃべれども』

 

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

 本日到着したので楽しみに読み始めたのだが… 何コレ?
日本語の文章表現として凄く気になってイライラしてきてちっとも集中出来ない。何て言うんですかね… 日本語ってのは読むリズムだけでなくその字が並んでいる面の美しさもあるんですけど、そういうのが全く無いのに落語が題材にされてるから凄く違和感があるんですよ。人物、着物、お祭り、四季、等々の描写がまるでシナリオのト書きの陳列みたいなもんでそりゃまぁ解り易いのかもしれんけれども「読む」事での楽しみってのが無い。部分単位では悪くない場面も無くは無いんですが、それを伝える一人称の語り口が言ってる事とやってる事のチグハグだわ、吃音に「どもり」とのルビがずっとふってあるトコロや描写が描写になってないトコとかもぅ受け付ねぇ… 一応最後まで読んだんんだけど、作中時間の経過に人物の変化がつけられてないからエピソードも唐突だし、それを思うと先日の雑記では「読み易いんだけどその分人物描写が薄いし、いくら一門会って内輪にしたって先輩の真打より後に後輩の二つ目がやってトリが師匠? とか着物とかデティールに若干疑問もあったしラスト前のクライマックスの処理が個人的にはもひとつ」と書いてしまった漫画版
しゃべれどもしゃべれども (ジェッツコミックス)

しゃべれどもしゃべれども (ジェッツコミックス)

 の方が絶対に出来がいい。っか面白い。もぅ御免なさい、すいませんでした。
よくもまぁあのとっ散らかった原作を再構成して、かつビジュアルで伝えるものにした事か。原作を読んで解りました。反省してます、ハイ。デティールがおかしかったり物足りなかったのは間違いなく原作のせいで、その原作に比べたら十二分に見て納得出来るものになってましたし、クライマックスの処理ももぅお見事でした。魅力的ですし、楽しかったですし、考えてみればこのマンガ版はすぅっと入れましたもの。勝田文様は偉大です。
 そういう発見が出来た、って以外はホンマ、久々に読んでウンザリしっぱなしでしたね… あぁ、時間、損した…