『Sensengumi (Taiwan Version) (1969)』 - Region 3

 
 東宝のオールスター時代劇映画で、出演者も非常に豪華だと思うんだけど日本映画の日本版DVDって大して画質も音質も良かねぇし特典も殆ど無いのに高いんだよなぁ… っと思ってた時にフト見つけたこの台湾版DVD、こりゃぁいいやと注文をしたのですが…
 
 試衛館から流山での近藤斬首まで、というのを手堅くまとめてみせた編集と脚本には関心するんですが何せあの期間を様々なエピソードをかなり盛り込んだ為に1つ1つのエピソードが短くなってさながら連続テレビドラマの総集編のような感じになっていたのがまず1つ。どうしても溜めや掘り下げや重ねが出来ない分だけブツ切り気味なんですよな… 編集がいいのでテンポ良く観れるんでその辺は痛し痒し、まぁ新撰組入門素材としては悪くは無いんですが時代劇なもんで歴史考証的には間違ったエピソードも少なくないのがまた悩ましいんですよな。
  で、
多分その分量を補う為に様々なセット、美術を用意しているんですけどあんまり大きくないんですよな。いやよく用意しているとは思うんだけど、兎に角場面場面でどんどん続いていくタイプだからそんなに大きくない分だけやっぱり画面も動きも小さめになっちゃうんですな。これはもぅ仕方無いんだけども、なまじよく作ってある分だけ小ささも目立つってのは皮肉なんですが。
 
 もう1つはキャスティングで、三船の近藤でも山本五十六でも変わらんじゃん、とか、若ッい北大路欣也が演じる沖田総司は喀血後でもすげぇ血色が良くてテラテラしてたりと、こちらが子母澤寛の『新選組遺聞』等の研究書や歴史書で読んできてのイメージとのズレがあってどうにもノりきれんのですよな。三国連太郎芹沢鴨がどうにも小悪党げだったり、ってのも含めて映画のテンポが今でも充分速いのに比べると役(キャスティング)と役柄(キャラクター)が古くなってる、薄い、ってのはどうもなぁ… っと。
 
 まぁオールスター映画にアレコレ求めてもしゃぁないんですけどね。
 
 
 
 って事で、
以下はこのDVDについての情報なので興味のある方だけ

 
・『Sensengumi (Taiwan Version) (1969)』 - Region 3
 
 Studio: Xin Sheng Dai (TW)
 Theatrical Release Date: December 05, 1969
 DVD Release Date: December 16, 2005
 Run Time: 122 min
 
 Aspect Ratio: 16:9 (Anamorphic Widescreen)
 Available Subtitles: Japanese, Traditional Chinese
 Available Audio Tracks:
 Japanese - Dolby Digtal 5.1, Original AC-3 2.0
 
 DVD Features:
 ・故事大郷(中文)
 ・東宝系列精選『無法松的一生』

 

 リリース日から察するに多分オリジナルは日本版『新選組 [DVD]』なんでしょう。御蔭で画質、音質は問題ないと思います。昔の日本映画の日本版DVDって特に画質・音質がいいと思った事が無い私の経験からするとこのDVDは同程度の品質ではないかと思います。っか台湾正規版ってホント、ソフトとしていいかも…
 
 特典は日本の歴史における新選組についての中文解説?の『故事大郷』と、『無法松の一生』の予告編だけというシンプルさも多分日本版に倣っての事を思うと、もぅこの映画のDVD、この台湾版でいいじゃん、って思いますな。安くて画質・音質に問題も無く、ちゃんと日本語オリジナル音声もあるんだし… そりゃまぁリージョンコードの問題はあるけれど、映画をDVDで観るという目的だったらコレで充分じゃぁないかな? っと。