『Curious George(邦題『おさるのジョージ』(2006))』

『Curious George』(US)

 
 流石にもぅいい歳をしているんでただ絵が動けば喜ぶようなものでもなく。そりゃまぁ作画も着色も枚数も欲しいし、声を担当する人の技術も、音楽も、お話も勿論重要だしちゃんとして欲しいんですが、しかしそれよりも私としては
「何故アニメなのか?」
 という点で納得っか感心が出来ないモノはやっぱり不足感っか退屈っか… って事で主人公Tedの声を担当したのがウィル・フェレルでBox Officeでそれなりの成績を出した本作、気にはなってはいたものの
「しかし購入し観るだけの価値があるのか?」
 って思うと非常に微妙で間四手はいたのですが、たかが¥1500程度のモノで観ないで後で後悔するよりは… って事でオーダーしたブツですが、結果から言えば事前の逡巡は杞憂ではなくまさにその通り、綺麗で枚数も多く、3DCGとデジタルセルのマッチングも悪いものでもなく、気の弱いTed役にウィル・フェレルが本当に合っていて、可愛らしいお話ではあったものの、観ていて手間がかかっているのは解ってもアニメーションとしての情熱も感動も戦慄も何も感じない絵っか画では私には物足りない作品でしたな… 何もカメラをガチャガチャ動かす必要は無いんだけど、どうもコンピューターと納期の都合が優先されたかのような、アップにもなれずスピードも出せないダイナミックさに欠けた動きでは「手書き動画のデジタルセル&3DCG」って手法を採用した意味もあまり無いし… 時折質感に感心するカットがあってもそれが持続するワケではないんじゃぁ過去のディズニーにも及ばないし、様々なアクションをしてみせても空間と空気と重力とスピード感があるワケでも、「オレはコレを描きたかったんだよッ!」って怨念や情熱も無いんではねぇ… っと。
 それでもまだお仕事として徹底して丁寧であるのならばまだしもデティールがシーン単位で甘くなったりならなかったりするし… 流石にゼジタルセルだから塗りムラは無いけど(笑)、テクスチャーどころかモデリングまでクオリティに差があっちゃぁマズイでしょう、同じシーン内で…。セル部分の動きも結構バラつきがあったし、博物館の恐竜の化石のようにモデリングとセルが別物になってるトコとかも含めて雑いんで、これではちょっとノれんなぁ… っと。
 
 原作の絵本を未見なんで、ひょっとするとお話だけでなく画面の構図等を絵本通りにする為とかの規制っか縛りがあっての事なのかもしれませんが、だったら仕事として徹底してすべきだった筈で、提供だかタイアップか知らんがドールやスタバのロゴを綺麗に見えるように調整してる手間を何故本編でも出来なかったのか? 結果、TVアニメよりはちょっと見栄えのいい程度でしかなく、色々なアニメを観てる人からすれば所々の技術には感心するものもあっても… って出来ではなぁ… っと。
 ガーフィールドやスチュワートのようにジョージを3DCGでする実写版だってアリだった筈だが、あえてアニメ版でやった意味や意義をまるで感じられない、非常に残念な作品でありましたわ… まぁお話としては可愛い、小さいなりにまとまった話ですんでお子様に見せるのならば悪くないとは思いますが、まぁそれだけの作品ではなぁ… っと、ちょっと私的には残念な作品、でしたわ。
 
 
 
 … って事で、以下はこのDVDについての情報なので

 や、このDVDの購入を考えている方など興味のある方だけ
 

 
・『Curious George (Widescreen Edition) (2006)』 - Region 1
 
Studio: Universal Studios
Theatrical Release Date: February 10, 2006
DVD Release Date: September 26, 2006
Run Time: 88 minutes
 
Aspect Ratio: Widescreen - 1.85:1
Available Subtitles: English, Spanish, French
Available Audio Tracks:Dolby Digital 5.1 Surround
English, Spanish, French
 
DVD Features:
Jack Johnson "Upside Down" music video with sing-along feature
・Deleted Scenes (15 - 16:49)
・"Drawn" to George
・Monkey Around with Word
・Monkey In Motion
・Games
・Read with Child
・DVD-ROM

 

 紙製のアウターケースは立体的なモノになっていて可愛らしいんですが、劇中とカラー設定が若干違うのはどうかと。
 ケースにはタイアップしたメーカーの商品が割引になるチケットやらをまとめた小冊子が入っていて楽しい反面、世知辛い印象も受けます。
 
 画質・音質には問題が無いのでザックリと特典について解説をば。
Jack Johnson "Upside Down" music video with sing-along feature」はPVなんでまぁいいとして、ちょっと珍しかったのが「Deleted Scenes」。普通の映画ならばよくあるものですし、アニメ作品でもストーリーボードでの紹介ならば珍しくないんですが、コレは動画なんですよ。色塗りこそされてはいませんが、背後のモノも含めてシーンとして殆ど出来ているものばかりです。台詞も収録されていて尚これが採用されなかったのは尺の都合か納期や予算の都合かどうかは判断しかねますが… ま、アニメでここまで作ってある「Deleted Scenes」もちょっと珍しいかな? っと。
「Drawn" to George」はジョージの似顔絵の描き方解説、「Monkey In Motion」はお子様向けのアニメ製作解説、「Monkey Around with Word」は劇中のシーンを使って言葉を覚えよう!ってモノで、どれもお子様向けのモノです。
「Games」は塗り絵や画面にバナナの数は何本?って簡単なもので全部正解しても特典映像等のご褒美は無いお子様向けの仕様です。
「Read with Child」は公共広告機構のCMみたいなもんで、題名通り「あなたの子供の為に本を読んであげてください」ってモノです。
「DVD-ROM」はプリントアウトして使う塗り絵のデータとゲーム、っとこのDVDはお子様と一緒に楽しむって目的の為のモノだと。
 
 でも、そういうトコロに拘るよりもまず本編を… って思うのは贅沢なんでしょうかのぅ…