るろうに剣心 星霜編

 
 アニマックスで視聴。
追憶編といい、これが作者が本来やりたかった世界だとするのならば、
「それがやれてよかったね」
 と思う反面、
「でも、つまんないよね」
 って思うのと
「コミックスが好きだった人への答えもこれでいいんですか?」
 と思うしかなく…
 
 まぁコミックスでの物語はあれで終わったが、作者としては終われなかったものを… って気持ちもあるんだろうけど、あえてハンセン氏病のような奇病を物語りに入れなければ物語として、表現として成立しなかったか? と言えば違うでしょう。それこそ作者の意図、マスターベーションとしてはアリなのだろうが、こういう悪い意味での自主制作のような作品になってしまうとは。
 
 勿論、作者の製作時の情況や心象も反映されているから一概に、今更言うのもナンだとは思うが… 結果として、答えが出ないからこその答え、というのを他人に押し付けておいて、自らは死によってのみ解放される… 例えそれが愛しい人の元であっても… ってオチは、後退だよ。悔いるのでもなく、それに悩むのでもなく、ただ磨り減り死ぬ… リアルかもしれないし、作者にとってのリアリティだったのかもしれないが、正直言ってこんな独りよがりのお話になってしまった事が私は不愉快だ。
 
 かつて、著者コメントでエヴァの劇場版について

 
 作った人が作品もキャラクターも全く愛していない事が伝わってきて、少し不快。
 
 『るろうに剣心』巻之十七 P180ヨリ
 

 と評していたが、表現こそ変われどもTV版エヴァのお話、世界のままだった劇場版だったじゃぁないか。作者にキャラや物語への愛はあったろうが、それはあくまで作者にとってのものであって、反省や失敗や忌むべきものが多くあったにせよ、いや、だからこそマンガ版を好きだった人への意趣返し、恨み節にならなければならなかったのだろうか。
 TV版のエピソードを入れてある部分も含めて、賛否で言えば私は「否」ですな、単体の作品としても、OVAとしても…