ウォルフガング・ペーターゼン監督。

 
 何となく気にはなっていた『ポセイドン』、どうしようかなぁ… っと迷ってると今週のファミ通No.912号に監督のインタビューが載っていて。
 

 
−『ポセイドン』はあなたの海洋三部作の最後の作品になるとか。
ウォルフガング・ペーターゼン(以下ウォルフそう。『Uボート』、『パーフェクト ストーム』と来てこれで終わりだ。私は水と船が好きだというだけでなく、逃げ場のない狭い空間に押し込まれるというシチュエーションそのものが大好きなんだ。だから『ポセイドン・アドベンチャー』のリメイクというのはパーフェクトだよ。
−パニックの情況は同じですが、中身は大きく違います……
ウォルフ そう。確かにリメイクと呼んでくれてもいいけど、中身はまったく違う。キャラクター設定も、彼らが経験することも。そもそも映画のスタイルが違う。
−しかも上映時間も98分!
ウォルフ そうだ。そういう映画を作りたいと思っていたんでね。で、今回は、船が転覆してから沈没するまでおよそ90分程度。映画の時間と実際の時間をリンクさせている。
−パニック度が上がって、ドラマどころじゃない感じです。
ウォルフ まわりを見渡せばわかると思うんだが、大津波やハリケーン、そして人災と、ディザスターが身近なものとなってきた。そういうときに作るのはやはりリアルなもの。新しい解釈で作らなきゃいけないんだよ。そうじゃないといま作る意味がはないからね。
−で、ドラマを削ったと。
ウォルフ オリジナルは’70年代に作られたせいか、非常にハリウッド的でわざとらしい、楽しい感じの映画だった。演技も演出もありきたりな印象だったなぁ……それをまんまいまやってもダメだろう。
 

 
 元々『ポセイドン・アドベンチャー』って映画は聖書を題材にしたお話だからこそ伝わるものもあったと思う。徒に「リアル」にしたって… 例えば『トムとジェリー』を3DCGのリアルアニメーションになったって、それは映画としての、お話の面白さとはまた違うと思うんだけどなぁ…
 
 劇場ではなく、仮に3時間のディレクターズカット版DVDが出たとしても船倉とかエンジンルームとか排気口とかの映像が増えるだけで人間のドラマ部分や船の破損、情況の変化とかはまず増えないかと思われ… ってヤだなぁそんな映画(笑) せめてデビット・フィンチャーくらい暗所&閉所フェチとか、キャメロンみたいにスペクタルっか阿鼻叫喚大好きッ子みたいなのならまだいいんだが…
 
 監督の言う「リアル」の結果がアメリカでは上映関数で1000近く上回っていてもなお『ダヴィンチ・コード』に大敗しての500館しか差が無いのに『Mission: Impossible III』の4分の1程度の2位ってオープニング、今週に至ってはトップの『The Da Vinci Code』の9分の1以下になったのだろうね… って事でパスだなぁ、うん、パス。