押井守。

 
 押井守監督作品を私が劇場で観る気になれなくなったのは『アヴァロン』からかなぁ… っと思うくらいに新作の『立喰師列伝』に興味が沸かない。思えば自分的にはアニメでは『攻殻機動隊』、実写では『トーキング・ヘッズ』以降、やりたい事はなんとなく解るんだけど… その意味では宮崎監督と同様、この人のやってる事ってのは変わらんよね… しかし、あえて劇場で観なきゃならん作品か? っとなると、テーマの点でも自宅でモニターで観る事の方が相応しい気がしてしゃぁないんですが。
 ましてこの新作、MONTY PYTHONテリー・ギリアムや『MIND GAME マインド・ゲーム』、そして数多の職人達のFlashを経過してる身としては新手法だの何だのと持ち上げてみせてる様には、それがいくら宣伝というハッタリにせよ
「ねぇ、本当にコレが新手法、技術革新だと思ってるの?」
 って疑問すらあって。
ええ、DVDになったらレンタルはするつもりですけどね… あぁ、好きだった監督が自家中毒のようになってゆく様を見るようで辛いんですよ… 観念やテーゼやテーマを監督がいくら言葉で語れたって、それなら小説なり評論なり活字でやりゃぁいいじゃぁないですか。ましてアニメーションで、映画で、やる意味はあるけれど押井守監督がやらなきゃならない意義はあるんだろうか? とか思うようになるたぁ思わなかったよ、20年前以上に劇場で『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』で感動した私が。