価値と価格と。

 
 ここんトコ残業で忙しかった自分への御褒美にと会社帰りに名古屋駅構内にあるソフマップに寄ってみてDVDコーナーを眺めていたら『恋は邪魔者〈特別編〉 [DVD]』の新品が¥840って値段で売られていたので迷わず購入してしまう。他にも『ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]』とかも同じ値段で売られていたが既にUK版なりUS版なりで購入していて、さほど字幕版を見る必要も感じなかったらねぇ… あ、一生懸命『スーパースター 爆笑スター誕生計画 [DVD]』も探したんですが見つからなかったのは凄く残念でしたが… って余談はさておき、
 
 しかし期間限定だハリウッドプライスだのとなんやかんやと名目をつけての廉価版化、一見アリガタイように思えても結局はDVD市場を縮小させるだけの、言わば蛸の足食いみたいなのをいつまで続けるつもりなんだろう?
 この『恋は邪魔者』にしても、2004年に日本版がリリースされた時には税抜¥3980 税込¥4179って値段だったんですよ。それが2年も経たないウチに税込¥999って定価って… 4分の1ってのは最初の版を購入したユーザーをナメるのも、馬鹿にするにも程があるよ。
 US版は$12.99という、まぁ普通の映画の値段のママ。そりゃぁ公開やリリースから10年経過したとか大ヒットした作品なら廉価版が出るけど、それにしたって精々3分の2から半額がいいトコで、そんなに損した気分にゃぁならんのと比べたら早いものでは3ヶ月程度で半額以下のが出るのも珍しくない日本のメーカーのやりクチって異常、無礼にしか思えないっての。
 都合や事情があったって… 例えばライセンス料が初回版は高いけど再販分は安くなる、とか… いや、想像ですけどね、業界関係者に知り合いも友人もいないから… しかし、こんな事が日常化してしまってたら初版時に欲しい人だって二の足を踏むっての。
 いくら安くなったところでレンタルでしか観ない人はレンタルでしか観ないし、コピーする人はコピーしかしない。海賊版や違法データでしか観ない人にも心理的な免罪符… 「だって、ちゃんと買ったってすぐ廉価版出るじゃん。そんなのに付き合ってらんねぇよ」 …を与えこそすれ、購入意欲の促進になんかなるワケがねぇじゃん。
 そのくせ、日本でしかリリースされてないDVDがそうそうあるのでもなくハリウッドやらのオリジナル版頼みの今の商売だったら、どうせ日本版は画質が落ちるし、いい加減な訳がつけられたり特典カットもザラな日本版の廉価版を待つくらいならサッサとオリジナル国版のDVDを入手しよう! って私みたいな人も増えてきてんじゃねぇのかねぇ?
 
 別にモラリストを気取るつもりは全然無いけど、私はオリジナル製作者だけでなく各国の版をリリースした人達に対して、ちゃんとした対価を払いたいんですよ。それが客の立場だと思うし、何よりもまず楽しませてもらった事への感謝は購入する事で… って。だから絶版じゃないブツの海賊版、不法コピーを売る人間も買う人間もクズだとは思ってますよ… まぁ日本映画とアニメに関しては業界の構造がオカシイから結果としてボッタクリになってるのと、昔の作品など正規品がリリースされてないモノもある、って点では道場はしますが、それ以外の、例えば音楽モノとかを売ったり買ったりしてんのは間違いなくクズだと思ってますよ… でも、結果として、真っ当な事をしたいのにメーカーの側がおかしな事をしてたら、わざわざそれに付き合う程には私、裕福じゃぁないんですよ。ぶっちゃけ、『恋は邪魔者』にしたってあえて初回版を探して税込\4179を払う気にはなれませんもの。
 
 確かに、
作品には鮮度があって、時間の経過によっては腐ってしまうものだってありまさぁな。しかし、それはそれ、であって、軒並み、何もかも一律にそういう売り方をするもんでもないsでしょうに。売り手が、扱う商品の価値を壊すような事をしてどうするの? 今更元には戻れないにしたって、しかし物事には限度ってもんがあるでしょうに。実際、多少の売り上げUPは見込めるのかもしれませんが、そうする事で失っているものってあるでしょうに… 売り場の占有率の確保の為のセールやらなんざぁ、所詮メーカーの都合だろうに、それを売る店と客の都合も未来も何も考えてない蛸の足食いを止めぬのに海賊版禁止だの何だのって御題目を唱えてたってしょうがねぇんじゃねぇの? それでいて、自分達が関わっているのは文化であって風俗ではない、って差別意識丸出しだけどさぁ… やってる事はコンビニ卸のお菓子やカップラーメンと何処が違うってのさ。いっそ撤してくれるのならまだしも、レンタル料やヒット商品へのしがみつきはそのままに、戸田奈津子のような寄生虫すら排除出来ず、日本版と称した改竄、改変、改悪をしまくってるように自らの業界のクオリティアップも無く… ってんじゃぁ話にならんよ。それも、自分達が製作したモノでも無いってのに、そんな態度とってられるなんて恥知らずしかいねぇのかねぇ、出版にしろ映画にしろ…
 
 
 
 結局、これも日本独自の再販制度の弊害の1つ、なんでしょうかね…