『義経』。

 
 今年ほど酷い思っていた大河ドラマも珍しく、
「一体どこまで酷くなるんだろう?」
 っと毎週観ていたのも今日で終わり。
 

 いやぁ、
 最後まで酷かった。

 
 まぁ私が昔の『武蔵坊弁慶』を観ていたから、なのかもしれないが、ドラマとして一体何をやりたかったのかもぅ破綻し過ぎていてメチャクチャで、ここまで支離滅裂でいい加減で出鱈目で大根ばっかりの大河ってのもなぁ… っと思っていたのだが、どうもNHK側もそういう思いはあるようで、
 
 通常5夜連続での総集編が今年は3夜、だもんなぁ…
 
 多分、キャスティングの段階で
「タッキーは大根だから、せめて周囲には芸達者を… 」
 っと思っていたのだろうが、タッキーは大根ですらなく、芸達者と思っていた連中がこぞって大根だった、って事実を何とか誤魔化して誤魔化して誤魔化しての1年の四苦八苦こそが今年の大河の面白味でしかなかったんだよなぁ… そう、マツケンもタッキーも「型」っか「決め顔」は物凄く巧い。でも、演技は下手なんだよ。だから舞台でならまだいいんだけど、映像として「間」がある状態だと「決め顔」だけではどうにもならんんだワケだが… そういう点で中井喜一や石橋蓮司や平幹や草刈正雄渡辺いっけいが相対的に物凄く巧い役者に見えたくらいですが、彼らは巧いけれど物凄くは巧くはない。そんなワケねぇじゃん…
 
 だったら脚本や演出で実は何とかできた筈、なのに肝心の脚本が御粗末で、兄弟の悲劇なり夢の挫折なりテーマがフラついてるばっかりで最後まで締まる事も絞める事も出来なんだし… これが面白いってのならマジで小説とか映画とか舞台とかもっと観た方がいいですよ。行き当たりばったりでやってるから駄目になった、って例としてはいいけど、結局芯も信も核も何も無いままにコケ脅しとハッタリでグダグダになってただけじゃん… って事で、
 

 いやぁ、
 本当に最後まで酷かった。

 
 これなら史実通り「小柄で猿顔」って事でナイナイの岡村君に義経を1年やらせた方がよっぽどまともなドラマになったと思いましたよ…