BSアニメ夜話 第4弾 - 『劇場版 エースをねらえ!』

 
 なにせ夫婦揃って朝が早いので録画したのを翌日に観る。
今回は個人的にはハズレ。出崎統演出について語ってたから一見まとまりはあるが、そこからの展開や発展に乏しくて、結局中途半端に終わってしまった印象。途中、何度か唐沢氏が流れに幅を出そうと試みるも、既に酸いも甘いも苦いも乗り越えて達観してしまったかのような小林七郎氏のスタンスも大きかったし、他の出演者にしても「アニメとしての」と「原作の物語としての」という部分での混同も結構多かったしなぁ… だか出崎作品としての魅力、物語としての魅力、映像としての魅力を伝える為の素材として『劇場版 エースをねらえ!』が選ばれたというよりも、出崎監督の代表作として選ばれてその演出手法を語るって総論めいていたのがなぁ… っと。まぁ『あしたのジョー』で既に一回出崎演出について語られているからかもしれないが、そうマクロで語るにしてはゲストが弱いんですよな…
 
 昨日も書いたけど、
個人としての思い入れと歴史、評論を1時間でやろうとする事はそもそも無茶だけど、そこから収まりきれない熱意なり思い入れなり恨み辛みなり(笑)が溢れるからこそ面白いと思うんだけどなぁ…
 
 あと、アニメマエストロのコーナー、氷川氏にとって思い入れがある作品なのはその表情だけでもよく解るが、
「実写なら生音がありますがアニメは何も無いから音をつけるというのも全て演出の意図があっての事」
 って主旨の御言葉、言わんとしている事は解らないじゃぁないんですが苦笑ものですね。流石に
「じゃぁ実写の音は演出ではないのか? ただ現場の生音を適当に、そのまま使ってるって事なのかね?」
 って言いがかりをつける気は無いが、ちょっと思い入れのワリにゃ言葉が足りないし素材選択も不適切な気がする。
 オフとオンは切り口として面白いんだけど、これも言葉足らずで、心情と実際と主観と客観、それぞれ明確だと思うんだけどなぁ…
 
 まぁシリーズとして続けていく以上は、捨てる回もあるだろうし、成功するか失敗するかはとりあえず置いておいて色々な試みをしてみる回もあるだろうかし。
 今回は絵コンテや黒瀬珂瀾氏の「視点」についての語りとか、面白く思えたものもあるからまぁいいか… っと。