「時事雑感」

 先日UPした<a href="http://members.at.infoseek.co.jp/dreamfast/2uso020.html">『Around The World In 80 Days (1988)』</a>で出てくるアメリ
は広大な田舎だった。どこまでもどこまでも続く線路沿いの、果てしない
風景の先にある大都会NYの大きさと異様さがよく伝わってきらんですが、
その中で
「我々アメリカ人は常に消費を、隣人よりも高価なモノを消費するよう強迫
させられている」
 と語る人がいたが、後にこれと同じ台詞をマリリン・マンソンが語ってみ
せたのがマイケル・ムーアの『ボウリング・フォー・コロンバイン』だった
けれど、その間14年… が、考えてみれば夢とか自由がない国・アメリ
を『イージー・ライダー』が描いてみせたのは1969年だったんだよな…
 そして、あの広大な風景の、遠く遠く果ての見えない広大な土地において
35年の月日が一体どれだけの変化をしたのかを思えば、ブッシュの再選、
ってのは左程驚くものにはあたらないんだが… この虚無感っか虚脱感、
失望感って何なんだろう。

 日本でも都市と田舎の文化だけでない「格差」が構築されつつあるけれど
まだ国土が狭い分だけ救われているし、なんのかんのと言って教育は行き届
いているわ、餓死が趣味でしか出来ないくらいに豊かな国に産まれた事への
感謝をあらためてしたくもなる。徴兵制も無ければ犯罪による被害でなくて
も中絶も認められていて、黙っていても何もしなくたって投票出来るし渡航
も思想も自由、ってのが全国的にある程度のレベルで同程度に享受出来る、
ってのはすげぇ贅沢なんだよなぁ… って。

 とは言え、皆が贅沢である世の中にいると己の贅沢さ加減なんてそうそう
自覚出来るもんんじゃぁないから変な運動や宗教に走ったりする人も多いが
それこそ贅沢、なんだよな。そこにしか救いが無い、生きていけない、って
ワケじゃぁないし、多分アメリカの中・南部の若者に日本の若者の『自分探
し』を説明しようとしたって多分、無理だ。だって世の中への絶望が現実の
貧困に拠っているわけではなく、ただのナルシストでしかないんだもの。
 
 それも含めての贅沢、だけど感謝するべきだろうなぁ… っと。