「WM翌日のRAWで。」

 SOLD OUTの表示が出ていてもまだ席につく客は少なく閑散と
している会場のリングでエントランスビデオも無い選手が出てきてダーク
マッチが始まった。とりあえずピザかホットドッグでも買おうと思ってた
ものの、まだまだ売り場が混んでいるのは明白なんでHeat収録ででも
始まってからかなぁ… と思っていうウチに悪くはないがまだまだ体の細
い選手同士の試合は終わり次の試合になったが、名も知らぬ選手の対戦の
相手としてランス・ストームが出て来た時には驚くのと同時に、なんだか
胸が熱くなっていた。

 レスリングの技術もあり、身体能力もあり、なによりビジネスに真面目
でなのに人気に繋がらないレスラーは一杯いる。その理由は色々あって、
単に会社のプッシュや対戦相手、ギミック等もあるが、体があまり大きく
なくて、存在感や華といったカリスマが足りない… というレスラーに私
が好感を抱くのは判官贔屓の部分もあるが、しっかりとした彼らがいるか
らこそ、『試合』が成り立っている、という尊敬も多分にあって、ランス
は本ッ当に地味だとは思うんだけど、RR03でのリーガルとのタッグ等
を観ていると巧さ故に気になるレスラーだったのだが…

 実は前記の条件に当てはまるレスラーの中から「ECW」「WCW」を
加えればエディが、そして「カナダ人」を加えればジェリコやベノワも
実はランスと同じ括りなんだが、現状から言えばランスのポジションは
あまりにも低い… と言うか、彼らが先に、上に行き過ぎている。
 確かに折角ゴールドダストとの奇妙なコンビがノりかけた矢先に退団、
という不運もあったとは思うがクリスチャンもトリッシュのヒールターン
とのセットででもストーリーラインに関われているのを思うと寂しく思う
のだが…

 でも、わりと早い時期からベビー的な人気のあったジェリコは別にして
も、一度プッシュにノり損ねた揚句、怪我で1年もの休場のあったベノワ
らが、会場の支持さえあればあそこまでのポジションになる事を思えば、
いつかランスにも… と思うのだ。
 HeatどころかRAWででも、つまらない試合には容赦無く会場から
「Boring!」と言われるが、このダークマッチでは言われず、試合後も拍手
がおきていた事を思えばいつかランスも… と。



 それがWWE的では無いのは承知していても、ね。