「自業自得」(映画雑記)

 昨日の日記から続いてんだけど、私が思うに邦画会社って
「結局、映画という財産を活かす気ねぇんだろ?」
 としか思えないのね、やってる事を見てると。

 海外の場合、DVD化する時には
「音声解説や映像特典ナドのオマケをつける」
 ってのは当たり前だし、旧作だったら
「値段を安価にする」
「画質・音質のクオリティを上げる」
 ってのも当たり前にやっている事なんだよね。
マスターが手に入らない、ってのならしょうがないとしても
それでも「商品」として買ってもらうだけのの付加価値を
つけようとしている姿勢って感じられるんよ。
 しかし日本の場合…
「どうせ買うのはマニヤだけ」
「レンタル権料が一番」
 ってのが見え見えなんだよね…

 過去の作品で、名作と呼ばれるものや、マニアが褒める
作品を優先してリリースしてるように見えるけど、例えば
小津なり黒澤なりが海外の方がLD時代でも、DVD時代
でも揃っているたぁどういう事よ? しかも、アメ公とか
がちゃんと画像や音声修復を当たり前にやってる、ってのに。

 邦画の不振、没落なんて自業自得にしか過ぎない。
企業協賛を収支の柱にして観客を馬鹿にし、過去の作品に
気軽に接せられないような境遇を作り、まともな批評も
出来ない評論家を肥え太らせ、レンタル店やCATV、CS
等からの権料で資本の回収をしているようなのは産業でも
なけりゃぁ投機の対象にもなりゃしねぇ不健全なシロモノ
でしかねぇじゃん。アメリカだって色々問題はあるけど、
基本的に自国での興行収入が判断基準になっている分だけ
まだ健全だっての。

 そんな事ばっかりしてるからマトモな映画を観る目が
育たずに『踊る大捜査線』とか幸福の科学のアニメ映画みた
いな宣伝馬鹿か信者だらけの痴呆客ばかり培養した先、未来
なんて、あるワケねぇって。
 こんな状況で監督が、脚本家が、役者が育つかっての。
実際、香港やタイやインドにも追い抜かれてるじゃねぇか。

 焼畑するんなら、森を育てろ。
学ぶべき時に学ばず、育てる時に育てず、ただ時流の目先を
追いかけるだけの焼畑の後は焦土しかねぇよ。