「休日の欝」

 
 部屋の掃除をしたり、なんとなくCDを聴いたり、
風呂の掃除をしてみたり、すごく、とても穏やかに
日が暮れる。ストレスの無い、実に静かな日を過ごす
充実感ってのを、なんだか久しぶりに過ごしたような
気がする。まぁ、ここんところの週末というと、仕事
疲れで丸一日を寝て過ごすってパターンが多かった、
ってのもあるのかもしれないが… ま、そういう一日
を過ごしたんで、明日とか妻と出かけるつもりである
んだが… こういう平穏な日というのは有り難いし
嬉しいしノンビリ出来る反面、実に漠然としているの
だが、日々の生活の… っていうか、名古屋での毎日
があるゆえに欝にもなってしまう。
 平穏であればあるだけ、その静かな水面のような
気分に映るのは、老若男女を問わない名も知らぬ縁も
ゆかりも無い通行人達の姿である。
 指をさし、
 声をあげてはやしたて、
 笑い、
 罵り…
特定の人間だけの事ならば、我慢するなりぶちのめす
なりも出来ようが、不特定多数ではどうしたらいいと
いうのか。未だ、慣れもしないし、パンチドランカー
のようにもなれない。怒りや、悲しみや、呪いや、
羨ましさやら、色々な感情を抱いてしまう… 毎日。
 平穏にいると、それらも、浮かんでくる。
 一人でいても、妻といても、友といても。
理不尽と、不幸だとか、こんな世の中間違っている、
とかは昔から思わないが、まぁ苦い気持ちではある。
その苦さを楽しめるように… そう、ビールや春野菜
のように楽しめるようになれる日は来るのだろうか?
 来ないかもしれない。
 そして来たとしても…