「ん〜… 」

 
 スタンリー・キューブリックの遺作と言われている
アイズ・ワイド・シャット』(以下「EWS」)を妻と
観たのだが… 時間の長さは感じないのにもっさりとした
印象があって、どうにも落ち着かない気分で。
 というか、
結婚して時間が経過して、子供が大きくなって仕事も安定
した状態になると、男ってああなっちゃうものだろうか?
 ラストの印象からしても、判断して
「アリス(奥さん)にビル(旦那)が捨てられる」
 というのはアリでも、結果としても
「ビルがアリスを捨てる」
 という事が無さげな終わりかたに思えたんですが…
 
 ハリウッド・パッケージのハッピーエンドを「EWS」
に、というかキューブリックに求めていた訳ではないが、
ビルの自分への… 言動やらの無自覚さが引っかかって…
「私もそうなるのかなぁ?」
 ってな不安と同じくらいにイラついてたのねん。
 絵は… 特に赤と青の美しさは惹かれたが、全体的に
画面の構成も色使いも動きも今までのキューブリック作品
と比べて甘い、というか足りない印象もあって、正直、
「登場人物の誰にも感情移入も共感も出来ないし、特に
観終わってコレという印象も無い。絵は綺麗だったけど」
 と言った妻の方が色々な意味で気になっちゃう私で
あります。
 
 あと、
いくら「この画面指定(いわゆるTVサイズで、シネスコ
サイズで無い)はキューブリックの意志によるものです」
 と表示されても、やっぱどこかで違和感は覚えますネ。
ビデオの頃ならばまぁ理解出来なくも無いけれど、DVDの
素数というか画面精度ならば… と思うんだが。
 それともアレかなぁ… 劇場以外はフェイク、もしくは
ダミーみたいなモノ、って考えだったのかなぁ…