侮りがたし! 「クレヨンしんちゃん」!

 なかなかビデオ化しなかったが、やっとなったので
クレヨンしんちゃん モーレツ! 大人帝国の逆襲」
をレンタルしてくる。
クレヨンしんちゃん」というと子供向けアニメと
思われる方も多いし、実際TVシリーズなどは私も
見てはいないが、映画は別。とにかく制作スタッフが
映画が大好きなのが伝わるくらいに日本だけでなく、
ハリウッドそして香港映画のエッセンスを取り入れた
エンターテイメントしている映画なのである。
ドラえもん」が子供に比重をおいているのと違って
クレヨンしんちゃん」の場合は明らかに大人へ比重
をかけているのだが、特にこの最新作は
「いいのか? ここまでやっていいのか?(汗)
 っていうか、コレを見た子供は何を思うんだ??」
 と心配になるくらいのテーマ性を入れてきた。
 
 20世紀博覧会に大人達は子供をほったらかして
夢中になっていたがそれは秘密組織「イエスタディ・
ワンス・モア」の陰謀だった。
 リーダー・ケンとチャコの狙いはこの日本をかつて
未来に夢と希望があった20世紀…昭和40年代へと
戻すべく暗躍をしていたのだ!
 … ってのがまぁストーリーの流れではあるが、
そこに提示された「時代」「人達」はヒロシを泣かせ
「なんでこんなに懐かしいんだ! このままじゃ頭が
変になりそうだ!」
 と叫ばせる。その涙さえもよおさせる郷愁に対局を
させるのとは… てのはまぁ観てもらうとして。
 そして、
 
=(ここからネタバレなので注意)=
 事が失敗に終わり、自殺しようとしたケンとチャコ
に対して
「ずるいよ!」
 としんちゃんに言わせるあたり、ただの懐古趣味
でもなければ今の大人達への言い訳でも終わらせぬ。
 もっとも、
「ずるいや! おとなだけでバンバンジージャンプ
しようとするなんて! オラもするぞ!」
 ってなオチをつけるのだから辛気くさくも無い。
 
 =(ネタバレ終わり)======
 
 かつての… それこそ大阪万博の頃のようにまだ
未来が夢と希望とそして発展の可能性のあったもの
では無かろう、この時代、現代は。
 物は無かったが心が豊か豊かだった時代、と言う人
も決して少なくはないが、だがそれだけでいいのか?
それを言うだけでいいのか? 時代が変わろうとも、
続いて、変わらぬものはある筈じゃぁないですか?
 たとえばそれは「家族」かも…
と、示してみせたもの、と思ったのですが私は…