「ソリャァマァ…」

 夏がチョイとばかり出戻ったような暑さの夕暮れ。
家へわたしを運ぶ列車の中で、むずがる幼児の泣き声も
やけに大きく感じられるような気がして。
 と、
抱いていた母親、首に巻いていたタオルを子供の顔に
押し付けた。
 
 そりゃぁまぁ… 静かになるけどさぁ…