『インド・オブ・ザ・デッド』でゾンビ映画初体験の人に何となく時代順でゾンビ物をオススメしてみる雑記。

 
 …って事で、記事題名まんま、インド映画初のゾンビコメディ映画、

 でゾンビ映画初体験、って人に何となく時代順*1でゾンビ物をオススメしてみたら… と思いついたので以前Teitterでダラダラ書いてたのをリメイク。必ずしもコメディだけではないんですが、ゴアシーンやグロさだけではないよーってもレンタル店とかに行っても山盛りですからね… ってのでダラダラっと並べていきます。日本版予告編が無いものは海外版オリジナル版を、日本版がある物にはアマゾンへのリンクを貼っておきまっす。では最初はまぁ
 

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド [Blu-ray]

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それまでは南国物の、ブードゥ教のって恐怖映画の単なる味付け、モンスターの1つ程度だったゾンビ、ではなく社会批判、風刺の要素も込めたMaste Pieceが『Night Of The Living Dead (1968)』。本作でのゾンビ表現が最初というワケではないけど、恐怖映画でありつつも社会風刺要素があった事により、所謂『ゾンビ物』というジャンルが出来たんじゃぁないかと。で、
 

ゾンビ ディレクターズカット版<HDリマスター版> [Blu-ray]

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10年後、当時の消費社会に対する寓話としての『Dawn of the dead (1978)』が登場。ゾンビ物というジャンルを完全に確立したと言ってもいい作品だが、長い間その枠を超える作品は出て来ない時代が続いた… ジョージ・A・ロメロ監督からとってロメロ系とか言っていいのかな… で、
 

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後に『LotR』等を撮るピーター・ジャクソン監督作、時代や社会への批判や批評ではない、思想性の無い娯楽物として一つの到達点であろうと思う。スプラッターをやり過ぎてコメディになっちゃった本作を観て後はもぅよりグロに、よりGoreにするしか無いんじゃぁないかと当時思ったのだが…
 

ダニー・ボイル監督作品の『28日後... (2002)』がゾンビ(正確には感染者だが)それ自体は情況としての切迫さを現わすエフェクト、というモードを持ち込んだのではないかと。多分監督にはゾンビ物への思いれが薄いからこそサックリと出来た事なんじゃないのかなぁ… と思うんですが。
 

それ以前に速く走るゾンビなら『The Return of the Living Dead (1985)』があった(しかも本作はゾンビコメディ。ある程度”お約束ギャグ”はこの当時には出揃ってはいた)が、ゾンビやゴア・シーンそれ自体には思い入れが無く、やる事にも意味を持ち込まなかったのは『28日後...』の特色だろうし、
 

リメイク版『Dawn of the dead (2004)』はまさに『28日後... 』の系譜っか流れにあるものだろうと思う。個人的にはオリジナルにあった社会時評・批評はそこには無いが、そもそも方向性が違うんだから仕方ないとは思うが……
 

しかし同じ04年、またもイギリスからロメロ系の社会批評の要素をしっかりと持ちつつも現代的でしかもコメディという『Shaun of the dead (2004)』が登場してしまった。これは本当に驚いたし何より飛び切り面白かった!
 
こうやって大体10年周期くらいにゾンビ物映画は革新っかアップデートをしていっている。当然昔ながらの呪術的なものもいればケミカルな現代的なものいるし、単なるエログロ映画もあれば社会時評・批評的な映画もある。
 
生(エロス)と死(タナトス)というドラマだけでもなく、自己と他者や社会というコミニュケーションとしてのものもある。極東で菊池秀行が
暗黒街戦士 (祥伝社文庫)

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”死なずの醍醐”を主人公にしたスプラッターアクションの戦士シリーズを書き始めたり、大沢在昌がセンチメンタルなゾンビになってしまった主人公の を書いた20年後、

 が出たりするように、ざっと50年くらいの歴史があるゾンビ物は世界中で様々な目論見と情熱と打算とアプローチによって現在も製作され続けている。一世を風靡したフランケンシュタインの怪物やらのモンスターらと違い、ゾンビ物はまさに現代の寓話、鏡としての意味もあるからこそ、なのかも。例えばタイでは元々幽霊モノが根強いのもあってゾンビ物も結構あるけど個人的には

 のような、製作者らがやりたい放題やりまっくた娯楽作とかが出て欲しいと思うが… この辺りは難しいトコなのかもしんない。でも別に映画に限らなきゃぁ例えばTVゲームで

 とか、予告編での雰囲気としては楽しそうなんだけど… FPSだからやんないけど。
 
しかしまぁキリスト教における終末観が無い私からすれば、出来ればそのお国ならではの死生観とかが感じられるような映画でないとちょっと観に行こうって気概の燃料になんないんだよなぁ… なので… 

キョンシー Blu-ray

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 は映画としては酷かったけど描かれてたものは興味深かったですしね… まぁ素直に

ウォーキング・デッド Blu-ray BOX

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 とかオススメするのもアリなんでしょうが、どうもアレ、現代アメリカの閉塞感と鬱屈感が強いんであんまり気楽に娯楽として楽しめなかった私であります。いやぁよく出来ている作品だとは思うんですけどね… って事で、私の知らない、未見のゾンビ物というのは世の中にいくらでもあります。そん中にインド映画も加わったのは娯楽のグローバル化なんでしょうし、そんな世界からどんな寓話としてのゾンビ物が産まれるのか、残りの寿命があるうちに観られるといいなぁ… それとも私が知らないだけ、なのかなぁ… と、とりとめもなくオチもない雑記はオシマイ。
 

*1:人によっては一口に時系列っても色々やりようはあるとは思います。が、私の場合は娯楽作品としてってのでザックリと、って感じで。アレが無いだコレが無いってのは解ってるんですがキリが無さ過ぎですんで…