入院日記 Part2、その2。

 

 
目覚めは普通… と言いたいけど、夜中とかの看護師さんの巡回の旅に目が覚めているので多少なりとも不安というか落ち着けてないって感じか。まぁしょうがない。全身麻酔でないから普通に待てばいい、ってのだそうだが…  いよいよ本丸、と思うと。
 

 
午後の診察を終えてからの手術、って事なんだけど、今日も混んでいるので若干遅れそう、だそうな。私は待てばいいだけだけど、担当する先生方の負担を思うと頭が下がる。だっていくら手術が簡単になったとは言っても何かあったらエライ事になる手術を、今日一日だけでも普段の仕事をした後でいくら休憩が入っても12件って、ねぇ…
 

 
当初予定の時間よりは遅れて多少シレたもののいざ迎えが来て歩いて向かう手術室への足取りはややフアついていた。いやしかし、角膜移植手術、なんか凄い経験だった! 全く見えない左眼の角膜がハサミで切り取られた瞬間、もぅ何かうっすらと見える。で、ゴシゴシと角膜と水晶体の間とかに溜まった汚れを細いワイヤーブラシでゴシゴシっと取るのが見える。痛い。キッチリと汚れを取る為に相当に丁寧にやってもらった分、時間がかかって局部麻酔を何度か打ってもらったんだけど、汚れが掻き出されるのとワイヤーブラシが見えるってのがもぅなんか、何とも言えない。で、そこに角膜が乗せられた時にもぅある程度の像がボンヤリと見える。で、それをチクチクと縫っていく様が… 糸に引っ張られて視界がちょっと歪んだり、ってのが… が、繰り返されての手術は1時間程度と言われていた事前予定を大幅に超えていて。もぅ、本当に、感謝。術後、眼帯状のカバーをつけたのでどの程度の視力を得たのかは解らないけど、そもそもこうなったのは左目の瞼がキチンと閉じない事での修復が成されないから次第に視力と角膜を失っていって… ってものなので、視力云々よりもまずは穴が塞がった、これで穴からの感染や中身の飛び出しを心配しなくても良いという安堵感は、とてもじゃないが言葉に出来ない。ここまでが長かった。長過ぎて、もぅ穴が開く前にどう見えていたのかも忘れてしまい、どう過ごしていたのかも忘れるくらいに長かった。そして、この安堵は角膜を提供して頂いたドナーの方とそのご家族の善意があっての事で… 感謝、という言葉、それ以外に無し。手術を担当して頂いた先生方にスタッフの皆様にも感謝。