『タイガー 伝説のスパイ (Ek Tha Tiger (2012))』

 

 
大垣コロナシネマワールドで観賞。まぁ、酷くはないが… ってトコかと。
 
今でも言うのか知らないが、ボリウッドの3大カーンってのがありまして、一応インド映画を観ていくウチに好みなんかが出てくるものですが避けては通れない道、っと色々観てはみたのですが、理詰めで積み上げていくから理解がし易いアーミル・カーン、可愛げと愛嬌のシャールク・カーンに比べると個人的にはサルマン・カーンはどうも苦手で… 御当人のリアルでの犯罪歴も納得の激情家げな眼の感じといい矢鱈と筋肉披露をするのもまぁそれはそれでプロとして立派だとは思うんですけど、彼の、特にヒットした映画の役柄ってそういう当人の気質や気性や筋肉を活かしたアクションよりもラブストーリーとかの情物、しかもかなりウエットってのが私の中ではしっくりこないんですよね… だから、まぁ日本の予告ではさも活劇スパイアクション(恋愛もあるよ!)ってなってるけど、それは多分東宝東和ちっくなので、実際にはラブロマンスがメインだろうなぁ… ってのでスルーするつもりだったんですが、時代の流行りを機敏に読む大作も作る一方でインディペンデントげな小品もキッチリ作るYash Raj Films社は私の好きな映画会社ですし、監督が大好きなインド映画の1つ『Kabul Express (2006)』(感想)だと知ったもんですから、まぁサルマンは好みではないものの観ておきますかねぇ… って感じで行ったんですが… まぁ、アレですよ。そこそこまとまってはいたと思うんですけど
先週観た『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム (Om Shanti Om (2007))』『きっと、うまくいく(3 Idiots(2009))』と比べると、もひとつ無駄なシーンやエピソードが多いのもあってやっぱりウエット、ってので上映時間が3本の中では一番短い筈なのに一番長く退屈さも感じて、観終えてもこぅ、発汗してないっ〜か、何か印象に残るシーンも特に無かったと言うか…
 
 ただ、観てる途中で
「いやコレよりサルマンだったら『Dabangg (2010)』だろう! あっちの方がキャラも立ってるしダンスシーンもちゃんと意味があるしお話もインド映画らしさ一杯で2時間だし!」
 って思ったんで家に帰って『Dabangg』を観直してみたんですが、確かにサルマン・カーンのインド映画としては間違いなくこっちの方が面白いんだけど、インド映画ならではのお約束の多さと家族ドラマパートのクドさと比べると、本作『タイガー』は日本人が予備知識無しでサックリと観られる娯楽作品としてよくまとめていたなぁ… とは思いましたです、ハイ。ま、そもそも怨念っか情念の塊みたいな『OSO』と執念と熱意で築き上げた『3 Idiots』と比べるな、って話ですな、ハイ。