『縁は異なもの味なもの』

 
 この数年、まともに休暇を取れない状況に嫌気が差していた折にたまたま開いた新聞の旅行会社の広告ん中にあった格安台湾旅行が目に留まり、ちょうど仕事のタイミング良かったので行ってきたのですが… 送迎バスの時間待ちの間、夜の外出時に何とか台湾の地元DVDショップで何か購入したいな、と思ってはいたんですが前日かなり散策したものの海賊版売りの店以外はこれといって見当たらなかったので現地ガイドさんに聞いてみる事にしましたらば
「勿論正規品のDVDは売ってますけど地代の高い台北市内ではあんまり無いですねぇ…」
 とのこと。
「あぁ、やっぱり。商品単価からいっても都会じゃぁ難しいか… 」
「まぁ今だと海賊版や中国のサイトとかでの違法ダウンロードで、ってのも多いですしね。あるとすればCDショップかなぁ… あ、でも台湾のだとリージョンが違うから日本の機械では再生出来ない場合もあるからお勧めはしませんが… 」
「それなら大丈夫。世界中から個人輸入で色々買ってるから、世界中のが観れる機械にしてるし」
「へぇ〜 何処の国ですか?」
「買った国から言うとアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、アジアだと香港、インドネシア、タイ、んでもってインド」
 と答えたらば
「インドですか! 私もインド映画大好きね!」
 ええええ、と驚く間にガイドさんはスマートフォンを取り出して
「インド映画、楽しいですよね… 友達とか言葉がわかんないとか言うけど綺麗だしカッコイイし、なんかこぅ観ていて元気になるじゃぁないですか… これがね、私のお気に入り」
 と言いつつ再生してくれた動画が
 
D
 
 で思わず夫婦共に噴き出して。
シャールク・カーン! 彼、確かにいいですよね〜 カッコイイし愛嬌があるし」
「彼、セクシーだしカッコイイね」
「この映画のDVDも持ってますよ。『Billu - the Barbar』。」
「これ知ってます? 最新の」
 と言って見せてくれたのは未見の物。どうやらYoutube辺りで気に入ったのをDL保存しているようだが
「いやぁ私はDVDとかソフト購入だからこれは知りませんでしたわ… 先にネットとかに映画会社が出しますからね… 」
「これは彼が腕とか出してたりファッションもちょっと珍しくて好きです」
「あぁ… サルマンとかリティックならよく出してますけどね… 」
 等とチョイとインド映画話に花を咲かせられて。
 
『縁は異なもの味なもの』、というのは本来男女の間に使う諺ではあるけれど… 台湾で現地ガイドさんとまさかインド映画や俳優について話す事があるなんて。勿論、それだけBollywoodが日本だけ除くワールドワイドな存在だから、ってのもあるんだろうけど、何かしら奇妙な、ちょっと可笑しみを感じられたなぁ… ってのも台湾旅行の良い思い出。