『トイ・ストーリー ブルーレイ・トリロジー・セット (期間限定) [Blu-ray]』メモ。

USA-P2011-05-05

 
【オフィシャル商品情報ページ】

  • Amazon.co.jpで購入。
  • 日本版なので全て日本語音声&字幕付。
    • 音声を英語にした時と日本語にした時では箱や看板などの一部の文字がそれぞれの言語版に変化する。
    • BDプレイヤーのメニュー言語を日本語に設定しても変化無し。個人的にはスペイン語音声ではスペイン語モードになったバズがどう表現されていたのか気にはなったんだけども… まぁしょうがないですわな。
    • US版の『Toy Story Trilogy』が特製ボックス仕様に各作品のDVD版+Blu-ray版+デジタルコピー版で計10枚組って無茶なのに比べるとこの日本版は『トイ・ストーリー』のBlu-ray版のみ、『トイ・ストーリー2』のBlu-ray版のみ、そして『トイ・ストーリー3』の本編Blu-rayディスクと特典Blu-rayディスクの計4枚組をアウターケースに収納なのでトリロジーを揃えるには最適で無駄が無い品だと思います。今更DVD版が付いてきても、ねぇ…
  • 1作目と2作目の特典もBlu-ray仕様のものとそれぞれのDVD版がリリースされた時のDVD版特典映像を収録した物と混在する形で収録されているので特に問題は無いかと。
    • ただアニメーションメニューで選択してから再生して終了後またアニメーションメニューから、ってのはチョイとウザイ感じはしますが…
  • 画質、音質に関しては何の問題も無し。そりゃ3作並べればその期間は17年、技術と資本と人材の蓄積と差が出てしまいますがそこはそれ。最新作の素晴らしさったらありませんから… って事で、一気に揃えるのなら断然コレ。既に1、2を持ってる人でも収納スペース的な事から言えば買い換えてもいいんじゃぁないんでしょうかね?

 
 
 実は私は1作目は劇場で観て当時も面白いとは思ったんですが
「でも結局アタマ使って頭をハるのは白んぼなのね」
 って印象があってどうにもノりきれずにいまして… で、2はTVで観る事にしたんですけどやはり面白いしよく出来ているとは思ったんですけど色付きキャラのボンクラ加減がギャグになってるトコが増えていたのもあってやっぱりノりきれず3作目はスルーするつもりでいたんですが世評の高さ、評論家や受賞歴に興行成績の凄さもあってGW中のお楽しみとして観る事にし、もしかしたら以前の観方が間違いであるやもしれないって事でこのボックスセットを購入して順に観ていく事にしたんですが… ぶっちゃけ再見してみて確かによく出来ていてテーマやメッセージを示した後で映画的な醍醐味、大活劇シーンでのクライマックスを迎えてのハッピーエンドは巧いとは思ったんですが再見してみて有色のオモチャ達が本当に活躍の場面が無くてなんかゲンナリした気分になりましてのぅ… ある程度理性的なのが全部白んぼってどういう事なのかと。で、意志と意図をもって活躍するのも白んぼだけって。ちゃんと台詞を意識して聴いてみると有色のキャラクター達って黒人だったりヒスパニック系だったりするのが解っちゃって、そりゃまぁ溢れるくらいにオモチャに囲まれるのってアメリカでは白人がデフォなのかもしれませんし、そもそも親会社のディズニーは伝統的に差別的でもあるけれどまだディズニー作品がファンタジー世界だから誤魔化せている分、現代で現在を舞台にしているだけにその偏りが露骨に見えてしまうんですよね、私わ。
 
 エンターテイメント作品としてよく出来ていて、必ずしも性善説でもなかったり掘り下げはしないけどキャラクターの設定や個性の妙、テーマに対するメッセージといいよく出来ている、と思うんですよ。思うんだけど、何もかもってノれない。こればっかりは性分だからしょうがない。それで損をしてる事は他にも一杯あるとは思うんですけど、ね… まぁ1と2は物語の構成って点で似せてる分よりそういうのが目についちまったってのはあるかもね… という事で数日間をあけてから『トイストーリー3』を観たんですが
 
凄過ぎ。何ですかコレは!?
 
 映画として無駄が一切無く、見せ過ぎない演出の巧さと見せ切る技術力の凄さ、映画として本当に素晴らしいんですが前2作が「スマートな白んぼとボンクラのカラード」だったのが嘘のように全てのキャラにそれぞれの特性を活かした見せ場を与えつつ、ってのをやられたら。ストーリー、テーマ、メッセージといい完璧としか言い様がなく、あえて悪口を書くのならば精々が
「改心までのタメが無い」
 ってくらいだけどそれにしたって【あえて】であってテーマ、ストーリー的に問題があるワケじゃぁない。本当に文句の、ケチのつけようが無い傑作と思ってしまいましたなぁ… 期待をしてなかった分の上積みもあるかも?と観直してしまいましたけど前2作からのお約束はあってもそれは知っていればより楽しめるって程度で必要な知識ではないし、やはり作品として出来が凄過ぎるとしか言い様がありませなんだ。
 
 普通シリーズ作品なんて大抵3作目でコケるもんです。例外として最初から原作が完結してた『LotR』と実質前後編だった『BttF』くらいでしょうに、本作の場合前2作があったからこその完結編として素晴らし過ぎる… 前2作を観終えた時、
「まぁ確かに面白かったけど今迄購入しなかったのは間違って無かったなぁ… 」
 と思ってたんですよ。この延長線上での『3』なら観終えたら処分しようかと思ってたくらいで。ネットや批評家、受賞歴、興行収入がズバ抜けていたのが興味になったのと同じくらいにマイナスっかネガティヴ材料になっていたヒネクレ者の私ですけどこれだけの事をやられたらそりゃもぅしょうがない。こんな私ですらスゲェ!としか言い様が無いくらいに素晴らしい作品でしたわ… いやぁもぅしょうがない。やられた!
 
 別れと死というテーマでありながら暗示や暗喩ではなくゴミ処理場でガッツリ見せてしまっていながらも尚希望と夢を示してみせたんですよ。そして最後に円環するような雲のイラストで終わる事でこれからも続いてゆくであろう玩具達の世界を誰を何を貶めるのでもなくやりきってみせたんですもの。これは凄かった。劇場で観なかったのが悔やまれましたが高品質のBlu-rayで観られて大満足、でしたわ〜 未見の方、特に私のように前2作にあまりいい印象を持ってないから避けてるって方にこそ是非!とオススメしますよ〜