それだけ知られていない、という事なのでしょうが…

 
『インド映画が誇るあまりにも非常識なアクションシーンいろいろ』GIGZAINE)という記事、ネタ元の『Unreality - Bollywood Movie Action Scenes』が間違っているのと日本ではインド映画がそれだけ知られていない、という事なのでしょうが… インド映画も個人輸入している身としては、まぁその、なんとなくモヤモヤとした気分になるもので… 例えば
 
1・「Bollywood」が指すのはムンバイ(旧ボンベイ)の映画会社が作るヒンディ語映画の事で、記事で紹介されている映像の大半のTollwood(テルグ語映画)やタミル語映画とは違う。

 経済が発展している大都市で作られるヒンディ語映画では過剰な演出は避ける傾向にあり、あってもギャグとして、という場合が多い。勿論、あえてそれに徹してみせる作品もあるが、それはそういうものという割り切りをしている訳で… 最近だと全くダンスシーンの無い映画やらも珍しくはなくなってきてるし… ってのは置いておいて、そもそも狙う観客の嗜好が違うのにひとくくりにBollywoodと言うのはチョイと無茶があるんじゃぁないかと。
 例えば京都弁と奈良弁と河内弁をまとめて「関西弁」と言うのは仕方無い部分もありますが全部「大阪弁」と言うのは無茶なんじゃないんでしょうか。水墨の山水画も浮世絵も萌え絵も全部日本人が描いたら大和絵とは言わないでしょ? とか。
 
2・夢や妄想のシーンや作り話のシーンまでリアルではない、のは当たり前ではないかと。

 前述したようにギャグでやってる場合はおかしくて当たり前。それに日本でも歌舞伎の型や見栄、マンガの描写がリアルではないのと同様にオーバーに、過剰になっていった演出をリアルな物として観客も観ている訳ではないでしょうしね…
 
D
 
 この動画の1分50秒くらいから観て欲しいんですが、観客は笑ってるでしょ? 私はインドに行ってないし行く気も無いんでアレですが、真剣に真実の事としてインドの人々が観ているとは思えないんですよ。あくまで娯楽として、って割り切っての事を切り取ったら確かに可笑しいでしょうけど、じゃぁ『MATRIX』のカンフーシーンってリアル?とか、何もインド映画だけが特別とは思えないんですよね。娯楽なんだから
 
D
 
 みたいなのはそれこそ観客へのサービスでもありましょうし。っか、書いていて思ったんですがあるじゃないですか、「萌え」系って言うの? アレって結局消費者へのカスタマイズ化の結果の1つであってあれをしてリアルじゃないって言うのはおかしいじゃぁないですか。それと似たようなもんで、わざわざ非日常の娯楽を求めに劇場にお金を払う観客に製作者が向いているのはそれがどういう形になっているかは兎も角として悪い事ではないと思うんですけどね… その非日常の為にかけられる手間隙もまた私がインド映画が好きな理由の1つなんですけどね…
 
 …って、単純な事実誤認以前に、
 
「娯楽としての映画の表現や役割や位置づけはその国や地域それぞれなんだし、他所の者がそれをリアルじゃねぇよって言うのも野暮じゃね?」
 
 いいじゃぁないですか、数多ある作品の中でも特に観客のツッコミ前提の娯楽作品ならば笑いながらカッケー!スゲー!で。後に楽しい気分だけが残るってのでも。まして、日本よりも遥かに広くて様々な民族と言語と宗教の歴史があるかの国ですしね… うん、残業続きで疲れてる上に酔っ払って書く文章はまとまらんね、うん。